これで「ヴァイキング」も見納め。
「ヴァイキング」シーズン6を最後まで観た感想です。
前回の第11話の感想で述べましたが、私は第11話が真の意味でヴァイキングの最終回だったと思っている。
なのでここから先の後半戦は私にとってはおまけエピソードみたいなもんで、ウベの西征をのぞけば、ヴァイキング風味もあまり感じられず大した話は進行しないまま終了となりました。
そういうわけなので後半戦はまとめ感想です。
【ヴァイキング】シーズン6後半戦(第12話~第20話)
第11話でビヨルンが死亡してしまったので、自動的に主役はアイヴァーになりました。
血に飢えたサイコ狂人が主役になって喜ぶファンはいないので、シーズン6の前半ではキッズに優しいというアイヴァーの違う一面を見せてきました。
でもなぁ…あれだけサイコな面を見せてこられた視聴者としては、今更アイヴァーを応援する気にならないよなー。アイヴァーのキッズラバーな一面は愛らしいし充分楽しんだけれども。
ビヨルンの死後、カテガット(とスカンジナビア半島)を誰が統治していくのかという問題も残っています。
さぁ、シーズン6の後半はどうなったのか、見ていきましょう。
カテガットの新統治者は…?
まずはカテガットから。
カテガットではビヨルンが死亡したことで後継者争いが起こります。
ビヨルンの第一夫人グンヒルドはビヨルンの後を継いで統治者になることには興味ありませんでしたが、エイリックに進言されて立候補することにします。
ところがエイリックは第二夫人イングリッドにも立候補することを勧めていました。
このときエイリックの企みがよく分からなかったんだけど、最後まで観てもよく分からなかった。この人は何のためにいたのだろうか。
でもイングリッドは元から統治者になりたいと考えていたのでエイリックに言われなくてもカテガットの女王になろうとしていたようです。
なお、イングリッドは実は魔女でもあります!
カテガットの統治者を選ぶ選挙に近いものが開催されます。
そこへ現れる不穏な影・・・
「ちょっと待ったー、スコール。」
こ・・・この声は・・・
ロシア軍に襲撃されて坊主と囚われの身になっていたが、なんとか逃亡したハーラルがカテガットに戻って参りました。女運は悪いが、悪運は強いハーラル。
ハーラルの登場で選挙は急遽中止。
ハーラルが半ば強引に「ノルウェー王であるわたくしがカテガットを統治するのが自然スコール」と言ってカテガットの王に就任します。
グンヒルドの決断
ハーラルはグンヒルドとイングリッドに「二人とも、僕と結婚してください」とお願いします。
ハーラルは本当はグンヒルドを愛しているのだけど、グンヒルドがビヨルンを愛していて自分に全く気がないのを知っているのでイングリッドにも求婚しました。イングリッドのお腹の子が自分の子であることも知っていますしね。
イングリッドはカテガット民にはお腹の子はビヨルンの子どもだと嘘付いています。
グンヒルドは迷っていました。ハーラルの結婚の申し出を受ければそのままカテガットの統治に関わりビヨルンの遺志を継ぐことができるかもしれませが、ハーラルのことは愛せません。
エイリックやハーラルなど悪巧みばかり考えている卑劣感に囲まれたグンヒルドは、ビヨルンのように尊敬できる男が周りにいないことに絶望しているようでした。
そら絶望したくもなるわな、こんな男たちに囲まれていたら。まぁ、私はハーラルは面白いキャラなので割と好きですけど。ハーラルが愛妻家ということはヴァイキング民には知られてないしなー。
私だったらハーラルと結婚するんだけどなー。え?趣味悪い?だってビヨルンとラグナルは浮気虫だからさぁ、いくらグッドルッキングでも駄目よ。ロロがいればロロがいいけど。
グンヒルドは死漏と化したビヨルンの祠に行き「ねぇ、あたしどうしたらいい?貴方に誇れないことはしたくない」と死漏ビヨルンに話しかけます。
グンヒルドはハーラルの結婚の申し出を受けることにします。
グンヒルド、イングリッドとハーラルの3人の婚姻の儀式が執り行われます。
グンヒルドは真っ白なドレスに身を包み、ハーラルとイングリッドが待つ桟橋の先に歩いてきました。
ハーラルはグンヒルドが結婚式に来たので笑みを浮かべます。すごい嬉しそう。
一瞬、グンヒルドはハーラルの正妻になってハーラルを操りながらカテガットをビヨルンのように統治していくつもりなのかなーと思ったのですが、グンヒルドはおもむろにドレスを脱ぎ始めます。
グンヒルドはハーラルに「私はヴァルハラへ行きます。ビヨルンのもとへ」と言うと、素っ裸になって海に飛び込みます。
エイリックがグンヒルドを止めようとするのですが、ハーラルはグンヒルドの気持ちを汲み取り、エイリックを止めてグンヒルドを行かせます。泣ける。
ハーラルのこういうところがいいんですよ、分かるか。
グンヒルドは海を泳いでいき・・・
沖に出たところで、静かに海の中へと・・・
ハーラルはグンヒルドを見つめ、涙を流していました。
このシーンすごく良かったー。
情景もさることながら、グンヒルドの188㎝の裸体が海に帰っていく姿がこれまた神々しい。
ラゲルサも海中でワルキューレに見守られながらラグナルの待つヴァルハラへと旅立ったが、グンヒルドも同じ方法でヴァルハラへと旅立っていきました。愛するビヨルンの待つヴァルハラへ。ビヨルンと一緒になるために。
イングリッドはビヨルンを愛していると言っていたけれど、イングリッドにはこんな真似は絶対できないよね。
メインキャラが殆どいなくなったヴァイキングで、グンヒルドは失くすには惜しいキャラだけど、このグンヒルドの決断には文句を言えないなぁ…。
キエフ公国の独裁者オレグを征伐するアイヴァー
ノルウェーを大義なく攻めたオレグは、不死身ビヨルンの姿に恐れをなしてあっさりとキエフ公国に戻りました。
オレグの独裁ぶりは拍車がかかり、自国民を平気で虐殺するようになります。
アイヴァーはそんなオレグに不安を抱き始め、キエフ公国の正統な後継者であるイゴール少年を抱き込み、逃がしたオレグの兄弟のディアと秘密裡に協力し始めます。
感謝祭でオレグがデブったキリスト様とよく分からない自虐行為をしている間に、アイヴァーとヴィットゼルクはイゴールとカーチャ(オレグの嫁)を連れて逃亡することに成功。冷や冷やしたわー。
ヴィットゼルクとアイヴァーのチームワークも良かったね。
カーチャを信用できるかどうか最後まで分からなかったのでドキドキしました。
アイヴァー、ヴィットゼルク、イゴール、カーチャの4人は、ディアのもとに無事に辿り着くことができました。
アイヴァーはカーチャとディアが本当に信用できるかどうか警戒していましたが、カーチャも裏切らずに味方であることが判り、ディアもオレグのような悪党ではなく信用できる人間で一安心します。
あと、カーチャはアイヴァーのことを好きみたいで、EDだったはずのアイヴァーはなんとカーチャと愛し合うことに成功!
さて、ディアはオレグ征伐に向けて出兵します。
オレグが手ぐすねを引いて待っているかと思ったのですが、オレグは戦わずして降参。オレグの兵は喜んでディアたちに付き、民は喜びます。
オレグは、アイヴァーの指示でイゴールが弓を射り、バルコニーから落下して死亡します。
無慈悲なようだけど、オレグが生きている限り、イゴールやディアは常に命の危険に晒されるわけなので、オレグを生かしておくことはできません。
イゴールのために友としての役目を果たしたアイヴァーは、ヴィットゼルクとノルウェーに帰郷することにします。
イゴールとの別れが哀愁をそそられる。ヴィットゼルクが言うように、アイヴァーはすっかり丸くなりました。丸くなったアイヴァー好きだなぁ。あんなサイコの悪党にしないで、ロスブローク家の頭脳としてビヨルンやウベたちとの兄弟愛で内外の敵と戦ううストーリーが見たかったなぁ。
去る前にカーチャが「貴方の子を宿した」とアイヴァーに言っていたのは、ヴァイキングの血がロシアにも受け継がれていることを示すためだったのでしょう。
アイヴァーの最後の決断
さぁ、アイヴァーとヴィットゼルクがいよいよカテガットに戻ってきました。
カテガットがどうなっているのか、自分たちがどう扱われるのか分からないままの帰郷です。
アイヴァーはカテガット民を恐怖政治で支配した挙句にビヨルンに王の座を奪還され亡命した立場なので、まぁ歓迎はされないわな。
ヴィットゼルクはというと、打倒アイヴァーに貢献はしたものの、民に愛された伝説の盾の乙女ラゲルサを誤って殺してしまい流刑(北欧の冬の森に追い出される)ですから、彼も歓迎されない。
アイヴァーとヴィットゼルクはカテガット民から大ブーイングを受けますが、ハーラルはビヨルンへのリスペクトから「私たちが愛するビヨルンの兄弟ですから、アイヴァーとヴィットゼルクを歓迎しましょう。スコール。」といって歓迎します。
ハーラルとアイヴァーは、ある夜に偶然居合わせ、酒を交わします。
このシーンも良かったなー。
キエフに行ってすっかり丸くなったアイヴァーと、王にはなったけれども愛する女性は自殺し、信頼できる仲間もおらず、リスペクトできるビヨルンのような男もおらず、妻は魔女、家臣は元囚人(エイリック)という現状を嘆くハーラル。
何のために戦ってきたのか・・・とこぼす。
ここも良かったよねー。
特にビヨルンのことは愛と憎しみが混ざった存在で、敵でもあり共闘した仲間でもあるちという長い歴史があるから、もはやブラザーのような関係だったんだよね。ビヨルンにとってはアイヴァーよりもハーラルの方が家族に近かったんじゃないかなぁ。
しかし、ドラマもあと数話で終わってしまうので、アイヴァーは最後の花火をあげなければいけません。
そこでアイヴァーはポケットの中からチェスの駒を見つけます。
・・・あんた、その駒、シーズン4からずっとポケットに入れてたの?
アイヴァーはラグナルが死ぬ前に「サクソンを皆殺しにしろー、無慈悲の鉄槌をー」と言っていたのを思い出し決意します!
再びイングランドを襲います!
・・・えーまたイングランド襲うの?
なんかもういいやー、て思ってたのに・・・
ていうか、そもそもイングランドのウェセックスとマーシア(とノーザンブリア?)は、もう名王アルフレッドが支配していて、アルフレッドとはお前チェス友じゃない?
囚われの身だったけど、アルフレッドとはいい感じだったじゃん?
でも襲うんだ。。
まぁ他に近場で手頃に襲うところないからかもしれんけど…。
しかもハーラルと二人で「僕たち、何のために戦ってきたのかねぇ。みんな死んじゃっていなくなっちゃって。意味なかったねぇ。戦うの疲れたよねー」なんてイイ話をしていたのに!
この急転換に気持ちが付いて行けなかったけど、前述の通り、最後の花火を上げないといけないのだと納得させました。
なお、アイヴァーが持ち前の迫力あるスピーチでカテガット民を鼓舞するとカテガット民が「アイヴァー」コールをし始めちゃうのでハーラルが慌てます(ハーラルのこういうところが好きなんだよなぁ。)
イングランド再襲撃
はい、イングランド再襲撃ね。
ウェセックスのアルフレッドは、ヴァイキングの大軍が攻めてきたことを知り、ウェセックスに残留すればチャンスはないと判断してウェセックスを捨てて避難することにします。
アルフレッドは若いけどすっかり立派な王になっていて安心しました。子供が生まれていたけど、この子供…ビヨルンの子ということはない?
アイヴァーはアルフレッドたちが通るであろう森を臨む丘陵に布陣します。
アルフレッドたちは警戒しながら進みますが、アイヴァーの予想通りに森を通ってきました。
森の中での緒戦はアイヴァーの戦術によりイングランド側が大敗。イングランド軍は森から出て草原に退却します。
多くの兵を失い不利になったイングランド軍ですが、アルフレッドは巨大な十字架を草原に立ててスピーチをしてイングランド軍を鼓舞します。
アルフレッド良かったねー。死ぬまで戦い抜くという気概をみせたアルフレッド王。自ら命を捧げるような王だからこそ人民はついていくわけで。
で、草原戦でイングランド軍は健闘します。
アイヴァーは足に障害を負っているので戦えませんが、ここで無理矢理参戦!
アイヴァーの魂が周りのヴァイキング兵に乗り移って、アイヴァーの動き通りに動くというファンタジーな戦い方を見せられました。
でも最後はアイヴァーは少年に刺されてしまい、倒れます。
それを見てアルフレッドが「やめい!やめーい!」と声をかけると、双方とも戦うのをやめます。
やめるんかい。
確かヴィットゼルクが駆け付けて、アイヴァーが「怖い」と言って死んでいく。
アイヴァー嫌いだったけど、死んでしまうのは寂しいな。
でもヴァイキングのドラマ自体が終わってしまうので仕方ないか…
アイヴァーが死んだことで戦いは終わり。
アイヴァーが死んで失意のヴィットゼルクはイングランド側に連れて行かれ、最終的に洗礼を受けてイングランドで暮らすことになります。ヴィットゼルクは最後まで流されて生きていくんだなぁ。
というわけでイングランド戦も終わり、アイヴァーも死にました。
預言者が「あああああ恐ろしいー!炎が!暗黒がー!」とか叫びながらアイヴァーに殺されてたけど、結局あの預言は何だったんだろうか。別にちっとも恐ろしくなかったんだけど…。
えー、とりあえずカテガットのヴァイキングの主砲どもは皆死んで終わった。
・・・あれぇ?なんか忘れてる?
なんだったっけか・・・
ウベの西征はこのあと話すし…カテガットについてもこのあとちょこっと触れるし…
カテガット…
あっ!!
ハーラル忘れてた。好きなのに。
ハーラル様は…最期の戦いで森の中でイングランド側のアルフレッドの側近に刺されてしまいます。
でもそこはハーラル様、刺されながらも油断した相手を「ハハハッ、スコール」と言って刺し殺します。
ハーラル様は木にもたれながら「ヴァルハラ、スコール」と言いながら死んでいきました。
悲しい。
カテガットはどうなったのか
さて統治者不在のカテガットはどうなったのかというと・・・
嫁のイングリッドは魔女として本格始動。あまり興味ないな。
そしてエイリックと寝てます。
エイリックが王の座を狙い始めたので、イングリッドは魔術でエイリックの視力を奪います。
ハーラルもアイヴァーも死んだので、結局イングリッドがカテガットを支配することになった感じ。
あぁー、カテガットが魔女の手に落ちたー。
こうなると100年後を描いたヴァイキングのスピンオフドラマが気になるね。Netflixというのがちょっと気になるけど。
しかしラグナルとラゲルサが統治していたカテガットがこんな魔女の手に渡ったと考えると悲しいものがあるよね。
ウベの西征
さて、ロスブローク家の期待の星、ウベは何をしているかといますと。
家族を連れてアイスランドに向かいましたね?
それから更に西に向かうことになります。
フラットノーズもオテア(サクソン人)も一緒に行くことになりますが、二人はどうも怪しいのでウベはどちらも信用できずにいます。
アイスランドからさらに西に向かっている途中、嵐に遭い、アサ(トービとビヨルンの娘)が海に落ちてしまい死亡。(つд⊂)エーン
ウベたちはやがて大陸に到達します。
しかしそこはアイスランドよりも更に不毛な地でした。
「なんだよここはー、何もないじゃないかよー!グリーンランドとでも呼ぶか!?」と皮肉交じりにいう入植者たち。(のちのグリーンランドである。)
でも帰ることもできず、入植者たちは線を引いてそれぞれの縄張りを決め、作物を育てようとします。
全員がお腹もすいて疲れ果てているとき、フラットノーズの息子が鯨が岸に上がったことを知らせにきます。
皆大喜びですが、フラットノーズは鯨が自分の敷地内に上がっているのだから自分たちのものだと言って譲りません。
入植者たちは、鯨をめぐり殺し合いになってしまいます。
狂ったフラットノーズと息子たちから逃れるためにウベたちは着の身着のまま船に乗り込みます。
さぁ、これからが大変。
水も食糧もないまま、ウベたちは船に揺られ続けること数エピソード。
船上で飢餓で死んでいく民たち。
ウベとトービ、二人の赤ちゃん、オテアももうギリギリです。
そこへ・・・
いよいよ新大陸に辿り着いたヴァイキングたち。
新大陸は色とりどりの葉が生い茂った森林、川、湖のある自然豊かな美しい土地でした。
「めっちゃ来たかいあったねー」とか言って落ち着き始めると、先住民に遭遇します。
先住民はヴァイキングたちを受け容れてくれました。ヴァイキングのなかに欲深男がいて、そいつが先住民が所有する金を盗もうとしてリーダーの息子を殺してしまうというトラブルが発生し、ウベたちは先住民と一触即発の雰囲気になりますが、ウベが男を処罰すると説得して事なきを得ます。
ウベは男を「血のタカ」刑に処します。
が、男が泣き始めるのでウベは「お前には血のタカは無理です。楽にしてあげましょう。」といって優しく首を…。
先住民のリーダーは、ウベ達に「ウェルカム」と言ったのは何でもかんでも頂いていいということではありませんよ、と優しく諭します。
残念ながら700年後くらいには新大陸は肌の白い人種によって何でもかんでも頂いちゃうんで、この言葉はズシーンときますね。
再会
その後、ウベは、先住民からある男の噂を聞きます。
先住民はウベたちをその男のところへ連れて行くと言います。
森の中にツリーハウスがありました。
先住民が呼び掛けると、男がツリーハウスからロープでおりてきました。
・・・生きとったんか、ワレ!!
まぁ、洞窟で死んだかと思わせといて、ビヨルンもウベもずっとフロキの行方を気にしていたからねー、多分生きてるんだろうなと思ったけど。でもあの洞窟からどうやって脱出したの?
トービが無事で、幸せを手に入れてくれて良かった。アサが海に投げ出されてしまって悲しいけれど…
結局、ロスブローク家のなかでウベだけがラグナルの遺志を継いだ形になりましたね。
何はともあれ、「ヴァイキング」もこれでおしまいです。
私としてはこの後のヴァイキングが気になるんだけど…魔女の手に渡ったカテガットとか心配だし、Netflixのスピンオフでは100年後というし。スピンオフはどういう内容なのか気になる~。