「ウェントワー女子刑務所」シーズン8を観終わった感想とあらすじです。
「ウェントワース女子刑務所」シーズン8第1話のあらすじと感想を読む
【ウェントワース女子刑務所】シーズン8あらすじと感想
「ウェントワース女子刑務所」はシーズン8で終わるのかと思っていたらシーズン9まで続くことになっていた。へぇ。
まぁこのドラマは好きなので続いてくれて嬉しいですし、シーズン9で終わってしまうのは残念。
さてシーズン9では新生アリーがトップドッグとして君臨していました。
やっぱり美人はナチュラルメイクのほうが綺麗に見えるな。
アリーはシーズン7の最後にマリー・ウィンターの脱獄に手を貸して囚人を人質にした看守のショーンを撃ち殺したことでトップドッグに昇格したと思われます。
そこに新しく入所してきたのがルーとレブのカップル。
レブは体は女性ですが心は男性で、男性になるためにホルモンを摂取しています。性転換手術を希望していて、シーズン8ではバストの切除手術を受けるために恋人のルーと金策に走ります。
ルーはそんなレブを心から愛しています。
ルーは昔ウェントワース女子刑務所のトップドッグだった大物で(ジャクソンよりも前)、顔を出したことはありませんがシーズン2でファーガソンとドーリーンの会話のなかで名前が出ました。
当時のトップドッグはフランキーでしたが、ルーがフランキーがトップドッグとしての仕事をしていないと批判していたとかなんとか。(その後ルーは他の刑務所に移送されていったそうです。)
フランキー。ドーリーン。いずれも懐かしい名前だわ。
ブーマーはルーがまたトップドッグになるつもりだとアリーに警告します。
レブとルーが入所早々、ブーマーがレブに悪意なき侮辱をしてしまったためにルーが激オコ。シャワー室でブーマーを襲います。
ブーマーがレブとルーに抱いた疑問はストレート民がのほほんと抱く疑問なのよね。つまり、レブは身体が女性で心は男性なので、体を男性にしたがっています。レブを愛するルーはビアンと思われますが、レブが乳房を切除して男性の器になっていくとしたら…
ブーマーは「でも、おっぱい好きでしょ?レブがおっぱいなくなってもいいの?」とルーに聞いたのはそういうわけです。
私もトランスジェンダーの意識までは理解がまだ浅いので不思議に思うんですけど、まぁ要は心に惚れているということなんじゃないのかなあ!レブのことが好きすぎてオッパイがあろうがなかろうがどうでもいいーという感じかな。
私は一応ストレートではありますが同性に惹かれる気持ちは経験したことあるし、アメリカ人の逞しい女性に「心配すな、私が守るから」とか恰好いいこと言われた時はドキッとするし頼りたくなっちゃうわけ。だからそんな彼女が乳房を取っても好きは好きというわけだ。そう考えると理解できるね。
さて、キャズ以降、暴力はご法度のウェントワース。
アリーは罰としてルーの小指を切断します。なんでもルーはトップドッグのときに他の囚人たちの小指を切断することで悪名高かったらしい。あだ名は「フィンガーズ」。
私はキャズが提唱し始めた「拳をあげて暴力反対」という矛盾したイデオロギーには賛同していないのですが、まぁもともと暴力を振るわれたら暴力で仕返しする刑務所内の規範をシステム化しただけに過ぎないので、根本的にはあまり変わっていない。暴力で制裁する者の「権利」が、やられた本人からトップドッグに移行したというだけであって。その分、トップドッグの責任とプレッシャーは増しました。
最初から衝突したアリーとルーですが、基本的にルーは恋人のレブにしか興味がなく、トップドッグの座にもあまり興味がない様子でした。ルーはトップドッグになるよりもレブの乳房切除手術の金を集めることに忙しいのです。
さて、ビーなきあと長らくドラマの求心力を失っていたウェントワースですが、ルーの登場に私はウェントワースの再燃を見出しました。ルーには強さとカリスマ性と凄みがあります。
新しくウェントワースのジェネラル・マネージャー(GM)としてやってきたアン・レイノルズの調略もあって、ルーは知らぬ間にアリーのトップドッグとしての地位を脅かしていきます。
ルーが元トップドッグとして囚人たちから一目置かれていることをGMアンは見抜き、嫌われ者たちをルーと同じ房に入れ、レブのホルモン剤を渡す代わりにルーに彼らを保護するように頼みます。
嫌われ者のマリーとファーガソン(愛称:フリーク(変態))もルーの房に入れられます。
嫌われ者たちを保護しながらいつの間にかトップドッグを脅かす存在になっていったのは、やはりルーにトップドッグの資質があるからなのでしょう。
ルーのキャラ設定はここまでは良かったのですが、このあと同時期入所のハッカーであるジュディの策略に見事にハマってしまいます。
後半になってもルーのカッとなりやすい単細胞な性格しか見えず、一面的で、ビーやフランキーのようにファン好みのキャラではなかったのは残念でした。
ただ、あと1シーズン残っていますし、アリーが生きていれば誤解を解いてアリーとの和解と協力も将来的には可能ではないでしょうか。
そのときにはルーはファンを獲得しているかもしれませんが、なにぶんあと1シーズンですのでね。
シーラという元カルト集団の女性が入ってきて、ルーは初めて動揺していましたが、そのときのルーは魅力的でした。
シーラはまだ未知数ですが、ルーが自信をなくした表情を見せたのはシーラが初めてなので、次シーズンでシーラが果たす役割も気になるね。
マリーについてはあの脱獄事件以来、もう出てこないかと思いました。マリーは最初からインパクトが弱いし力も弱いのでウェントワースでは能力を発揮できないと思っていた。
マリーは組織犯罪グループ(売春)の元締めであり護衛や部下がいてこそですからね。自分が手を汚すタイプではないので、ウェントワースで発揮できる影響は限られているんですよね。
でも今シーズンは贖罪するかのようにアリーのサンドバッグになったり、少しずつレブの信頼を得たりと、まぁまぁいい仕事をしていました。
親身になるフリをして弱っている者に近づき信頼を得て情報収集するというマリーなりの戦術がシーズン9に生きてくるかもしれませんね。
ルビーを狙うのもあきらめてくれたようだし。そうそう、ルビーが行方をくらましたことにマリーが絡んでいると誤解したアリーがマリーを痛めつけるシーンは感傷的になりました。
トップドッグでいることの重圧とトップドッグであったビーやキャズなど大事な友人たちを失くしてきたことに耐えかねてアリーがメンタルブレイクダウンしていました。
あとファーガソンね。
前シーズンで生きていることが分かったファーガソン。今シーズンはキャスという女性を殺して身分を盗み、ヴェラの赤ちゃんを誘拐して国外逃亡を図ろうとしていました。
しかし、途中でキャスを知る男に頭を殴られて意識不明に陥り、起きたら記憶喪失になっていました。
ファーガソンを生き埋めしたヴェラ、ジェイク、ウィルの3人は戦々恐々。
どうやら地中に埋められたファーガソンはあの人に助け出されたようです。
あの人、誰だっけ。あの、ほら…刑務所で働いてたけどクビになった女の看守でしたっけ。
その女がシーズン6の最後の方でヴェラを脅迫し始めたところで(ファーガソンの生存確認のために掘り起こしたところを写真で撮ってたんだっけ)、あの刑務所の上層部の渋めのおっさんに銃で撃たれて死んじゃった人。
名前が全然思い出せない。
で、意識を取り戻したファーガソンですが、自分の名は「キャス」だと固執します。
本当に記憶を失っているのか、フリをしているのか、分かりません。
ファーガソンはウェントワースでミラーの精神鑑定を受けることに。ウェントワース・ミラーじゃないよ、ウェントワースのミラーだよ。
もちろんヴェラやジェイクはファーガソンが記憶を失ったとは信じていないので、娘のグレースに近づくなーとか何とか警告したりします。
で、最後の最後にファーガソンが記憶を取り戻します。…記憶を失っていたのは本当だったんかーい。ヴェラやジェイクが「…もしかして本当に覚えてない?」と少し思った時でさえ、視聴者の私は「ナイナイナーイ、そんなわけナーイ」と突っ込んでたからね。
キャスになっていたファーガソンは可愛くてすごく好きだったなぁ。ルーに脅されてミラーに毒を盛るように言われたけどやらなかったり。
この女優さんも「フリーク」と言われて虐めらたり大変よねぇ。私生活でもとばっちり受けてるんじゃないかと心配になるレベル。
そしてファーガソン以外にもサイコパスが登場。
それがハッカーのジュディ・ブライアント。
ジュディは反政府活動(政府に不当にハッキングして情報を盗んだ)で入所してきました。
こんな可愛いくて美人で人畜無害な様子でTシャツもインしてしまう子なんだけど、実はとんでもないサイコパスでした。
私が最初にジュディのサイコパスぶりに気付いたのは、皆が大変な時であってもいつも利己的な言動が目立っていたことですかねぇ。
ルビーの姉リタの居所をハッキングしたときに嫌がらせでプレゼンのスライドに卑猥な画像を入れ、GMアンが嫌がらせの犯人捜しに躍起になり、騒ぎが大きくなってきて心配するブーマーとルビーにも「大丈夫だって」と軽くあしらっていたし。
GMアンを襲ったのはルーだとアリーに嘘を言ってルーを独房に入れさせるし(のちにアリーに自分が襲ったことを認める)。
マリーを痛めつけるために水攻め拷問までしよるし。ちょっと引いた。
そしてジュディは密かにルーのスマホを盗んでルーとレブが貯めていたお金を盗み、防衛大臣の暗殺にそのお金を使用します。(防衛大臣がジュディをアメリカに引き渡そうとしていたから?)
ジュディが引っ掻き回したおかげで、ルーはアリーがお金を盗み自分を独房に入れたと信じ込み、アリーを殺しに行きます。
ところが、一足先にジュディがシャワー室に潜んでおり、アリーを後ろから滅多刺しにしていたのでした。
シャワー室のカーテンに潜んでいる画面から、これはルーじゃないなと思ったのよねー。ルーは正面から行くタイプじゃない?だから、もしかしてジュディかなと思ったらやっぱりジュディだった…
とんでもないサイコパスですね。
というわけでアリーの生死が不明なままクリフハンガーで終わってしまって欲求不満なのですけれど、シーズン9へのお膳立てというか、舞台に役者が揃った感はあるね。
アリーはきっと生き延びるでしょう。でないと刺されて横たわったあとにルーの顔を見たシーンが無駄になる。
アリーはルーに刺されたと思っているはず。
一方、ルーはアリーが自分を独房に入れ(GMアンを襲った冤罪で)、大切なレブの性転換手術の金を盗んだと思っている。
このどちらにもジュディが絡んでいる。
アリーとルーがシーズン9でいかに誤解を解いていくか…そしてジュディが諸悪の根源であることに気付くか…そのあたりが見どころですね。
そして記憶を取り戻したファーガソンがどういう行動に出るのか。
まぁ最近は「ファーガソンは何をしたいの?」という感じでもあるけれど…
ファーガソンがしてきた悪行を忘れかけてたけど、アリーが「ビーを殺して、私に麻薬を打ってオーバードーズで殺そうとした」と説明してくれたり、ヴェラが「あんたのせいでB型肝炎になった」と説明してくれてちょっと思い出したw
看守ではリンダ・マイルズさんが大活躍だったなー。このキャラ好きだなぁー。今回暴走してたけど、明らかに前シーズンのマリー脱獄事件のPTSDが影響していますわよね。
ヴェラはすっかりウェントワースのアイドルになり、強い母にもなって頼もしい。一番最初は嫌いだったんだけど、もうすっかりヴェラの虜です。こういうお姉さん欲しいな。
というわけで「ウェントワース女子刑務所」シーズン8の感想でした。
シーズン9早く観たいね。