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【ヴァイキング~海の覇者たち】シーズン6第5話&6話あらすじと感想:さよなら

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Courtesy: History

海外ドラマ「ヴァイキング~海の覇者たち~」シーズン6の第5話のあらすじと感想です。

第5話はラゲルサの戦いから目が離せない。

女戦士ラゲルサの戦いぶりに心打たれた回でした。

 

【ヴァイキング~海の覇者たち~】シーズン6第5話 あらすじ&感想

ラゲルサたちの戦い

ラゲルサの村が強襲されている夢をみたグンヒルド(ビヨルン嫁)がカテガットに到着します。

ラゲルサはビヨルンの末っ子ハリが賊に殺されたと云います。

グンヒルドはラゲルサたちと共に賊の再来に備えます。

ラゲルサは細木で迷路のような空間を作り上げます。

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迷路作りに精を出す女戦士ラゲルサ

この村の男たちは殆ど戦死してしまい、女、子供、老男しか残っていません。

女は身体能力的に男に劣るので、男たちを邀撃するにはこうした戦術が欠かせません。

さすがヴァイキングの男たちと数々の野戦、海戦を戦い生き延びてきた女戦士ラゲルサ。

対騎兵戦をみれば明らかなように、身体能力・物理的に不利な場合はアウトレンジから攻めるのが原則ですわよ。

また相手の隊列を乱し、突撃を分断するためにも、この迷路が功を奏しました。

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こんな感じで門を入ると迷路になっている。日本でも80年代後半に巨大迷路が人気を博してあちこちに建築された。

迷路を作ったあと、女たちは最後になるかもしれない宴会をする。

ビーチで楽しそう。皆いい笑顔だね!

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翌日、賊が再襲来してきます。

キターーーーー!

やっぱいいな、こういう彼我の戦いは。

シーズン5のように兄弟同士の戦いにウェセックスとパリスとジョナサン・リース・マイヤーズも加わって、昨日の敵は今日の友・今日の友は明日の敵みたいな気まぐれな展開は、スピード感はあっても、キャラクターの深みやストーリーの重みが感じられなくなってしまうのよね。

シーズン6はシーズン1~4の前半の趣が戻ってきたので今のところ満足です。

さて、賊たちがやってきて迷路の中にまんまと入っていきます。

まんまと入ってくれたからいいけど、入ってくれなかったらアウトだな。

アイヴァーやゲースロのラムジーだったら絶対入らないよ。私でも入らないよ。

でも盾の乙女たちが「カーカー」とカラスの真似をして呼んでるので賊の男たちは入っていく。なお、ずっと「カーカー」言っている女が一名いて大変鬱陶しいのだが、この女は「カーカー」と最後の一言を放った直後に首を刎ねられる。

盾の乙女が死ぬのは悲しいが「カーカー言っててうるさいなぁ・・・」と思った女が死んだのでちょっと嬉しかったです。御免なさい。

この迷路、忍者が「忍忍」言いながら扉の向こうに消えていくように、ところどころ細木の壁を移動できるようになっている。

盾の乙女たちは男を誘い込んでおいて目前で扉を閉めて動きを封じたところで壁の向こうから剣で刺したり矢で射るという戦法で次々と男を成敗していく。

あるいは閉じ込めた上から油をかけ、火矢を射る。

首を傾げざるを得なかった点その一は、かつて戦死だったヴァイキングの老男が無防備にも門に立ち「ようこそお前たち」と言いながら賊に弓矢を一斉射撃されて犬死にしていったこと。

爺さんだって立派な戦力なのに、何故敵にノーダメージのままフィニッシュするのか。

首傾げ事項二点目は、崖の上のキッズである。

初戦は崖の上から射手キッズが活躍したが、二度も同じ手を食らうと思ったか。射手キッズたちの背後に賊がぴったりとマークしていて、崖の上のキッズたちは全員殺されてしまう。嗚呼、貴重な人的資源が。

そのうち迷路から賊たちが一人また一人と脱出するが、ある者は外で盾の乙女たちにトドメを刺され、残りは四散潰走する。

リーダー格のホワイトヘア(ビヨルンに顔に焼き印されてムカついていたアイヴァー残党)が迷路の外に出たのを確認したラゲルサ、ホワイトヘアを追撃する。

ホワイトヘアとラゲルサの一騎打ちが開始。

この一騎打ちはヴァイキング史上でも首位に入る戦いだった。ヴァイキングはほぼ白兵戦だが、一騎打ちにフォーカスしたものは少ない。シーズン1のラグナルとガブリエル・バーンの一騎打ちを思い出さずにはいられない。

ラゲルサが女でホワイトヘアが膂力ある大男であることを考えるとラグナルとガブリエル・バーンの戦いよりも不利な戦いなので非常に見応えがあるシーンだった。

賊がほとんど居なくなり、ホワイトヘアとラゲルサを村人たちが取り囲んだ状態なのだけど、不利になっているのにラゲルサはグンヒルドたちの加勢を止める。

ラゲルサはホワイトヘアにこう言う。

「ビヨルンがお前を追放したのはアイヴァーの側についたからじゃない。ラグナルを裏切ったからよ。ラグナルが守ってきたものをお前は裏切った。ラグナルと私が信じたもののために死ぬのなら本望だわ」

シーズン1のラゲルサとラグナルの姿が浮かんできてしまって泣きそう。

ホワイトヘアとラゲルサは相互に深手を負わせながら息も絶え絶えの死闘を繰り広げる。

ホワイトヘアが剣を容赦なく振り下ろす度にラゲルサの盾がカチ割られていく。やがてラゲルサの手から剣が吹っ飛ばされ、盾がほとんど形を成さなくなると、ラゲルサは膝を付いて両手を広げ、ホワイトヘアの最後の一撃を待つ素振りをする。

ついにラゲルサの最後の瞬間がやってきたかと覚悟した。同時に「ラグナルの息子に殺される」という預言は嘘だったのだろうかと考えた。

ホワイトヘアが剣を振り下ろす瞬間、ラゲルサは手に残された盾の欠片をホワイトヘアの首に突き立て、いつのまにか手にしていた剣をホワイトヘアの懐深くに突き刺す。

イェイ。ラゲルサ生き延びた。

私がラゲルサの戦いぶりに感動していると、グンヒルドが近づいてきて

「幾度となく男たちと共に戦ってきた。でもこんな戦いぶりは見たことがない。あなたを尊敬するわ」

と私の代弁をしてくれました。このときグンヒルドは尊敬よりも強い「worship(崇める)」という言葉を使っていたことから、ラゲルサへのより強い敬意が芽生えたことが分かります。

 

カテガットに戻るラゲルサ

ラゲルサはホワイトヘアとの一騎打ちで脇腹から背中にかけて大きな切り傷を負っていて重症なんだけど、何を思ったかカテガットに戻るとか言います。

グンヒルドは止めるんだけど。グンヒルドも妊娠中であり、怪我も負ったので、ラゲルサが行くしかないという設定なのかもしれないけど、どう考えてもおかしくない?

ハリが死んでからもう数日経過しているんだし、怪我が癒えるまであと数日待ってから行ってもいいわけだし、なんならメッセンジャーを送ればいい。大事な事なので自分で伝えたいのだろうけど、ラゲルサ頑固過ぎだよ!

しかも何故か一人で戻るという・・・護衛連れてかないの?

キャラクターが目的や理由なくアホな行動をとることがドラマで一番嫌いです。

 

ラゲルサの前に現れた預言者

王の広間にウベ、トービら大勢が集まり、女性が「ラゲルサ」の歌を歌っている夜。

ラゲルサが雨の中カテガットに戻ってきます。

でもラゲルサは重症で、馬上から転げ落ちます。

ラゲルサは下半身を引きずりながら王の間まで這って行きます。

するとラゲルサの前に預言者が現れます。

他方、アイヴァーの幻影にとり憑かれ、アルコールとマッシュルームでトリップしているヴィットゼルクは、アイヴァーがやってきたという幻覚を見ていました。

ヴィットゼルクは付き添いの女性を殴り倒し、外に出ます。

ヴィットゼルクの前にずるずると地面を這う巨大な蛇の姿がありました。ヴィットゼルクは蛇はアイヴァーの化身だと思い、アイヴァーの胸に剣を何度も突き立てます。

ふと我に返ると、目の前にいたのはアイヴァーではなくラゲルサでした。

ヴィットゼルクは慌ててラゲルサを胸に抱き、取り返しのつかないことをしたことに気付く。

ラゲルサは「私がラグナルの息子に殺されるという預言から逃れられないように、貴方も私を殺す運命からは逃れられなかったのよ。可哀想なヴィットゼルク、泣かないで。今宵、私は愛するラグナルと神々の殿堂にいる。思い残すことはない。死を恐れないわ」と言って絶命する。

ヴィットゼルクはラゲルサの体を地面に置いてふらふらとどこかに行く。

ついに。

ついにラゲルサの最期を迎えてしまいました。

ラグナル亡きあと、フロキも居なくなり(今シーズンでカムバックするか?)、ロロは死んだも同然(少なくともヴァイキングとしては死んだも同然)で、S1から唯一のオリジナルキャラだったラゲルサ。

そんなラゲルサがついに召されても不思議とスッキリした気持ちなのは、ラゲルサの信念ある生き方に心打たれたからに他ならない。

ラゲルサは太く生きました。

ヴィットゼルクも、母を殺した相手とはいえラゲルサを恨む気持ちはなかったからね。アスラウグはアイヴァーに付っきりでヴィットゼルクは母アスラウグに親しみさえ湧かなかったと言っていたし。

ラゲルサに会えないのは悲しいけれど、「ヴァイキング」は今シーズンがラストシーズンだし、前シーズンからラゲルサの最期に向けて少しずつ少しずつ用意周到に道が敷設されてきたと思うので不満はなし。悔いなし。

ラゲルサのように逝けたら幸せだね。信念のために死ねる機会はごく僅かな人のためにしか用意されていないからなー。

 

ノルウェー統一王は誰に?

オラフ王はノルウェー統一王にビヨルンを推薦していたのだけれど、首領の誰かが「ノルウェー統一王は誰にでもなるチャンスがあるよね?」と言い出し、ここで初めてノルウェー初の選挙という一応民主制度に近いものを取り入れることになります。

当然ノルウェー統一王を長らく夢見てきたハーラルも候補者になるのですが、ハーラルはフラットノーズ(ビヨルンの仲間)を巻き込んで計略を図り、ビヨルンより多く票を獲得してノルウェー統一王に即位してしまいます。

なおオラフはビヨルンに投票していますが、ハーラルもビヨルンに投票しています。ここがハーラルの嫌らしいところ。

ハーラルがどうやって首領たちの票を得たのか詳説はされていませんが、オラフとの会話で首領たちが聞きたいことを聞かせてやったと言っていたので、口から出任せで色々と便宜を図ってやるように言ったのでしょう。

まぁ正々堂々な戦いとは言えませんが、根回しも実力のうちだからね。

ビヨルンはポリティクスと裏をかく戦術には弱いので、仕方ないかもしれない。

まさか救出しにきた相手に仇を返されるとはな。

史実でも最初のノルウェー統一王は美髪王ハーラル(ハーラル1世)になっているので、一応史実に即した内容になっています。

伝えられているところではこのハーラルがかなり強権で、それを嫌ったヴァイキングたちがアイスランドに移住したとか。フロキを追ってウベとトービがアイスランドに向かう予定なので、ビヨルンたちは最終的にアイスランドに向かうのかなぁ。

Netflix製作予定のヴァイキング続編は100年後の設定らしいね。もっとも、本作ヴァイキングを観て「ラスト・キングダム」を観てみようかなと思って2話ぐらい見たところでキャストの選定や大根役者ぶりと稚拙さに落胆しているので、あまり期待していないけれど。

さてハーラルの計略はそれだけに終わりません。

ハーラルはビヨルンの暗殺に及びますが、フラットノーズが気付いてビヨルンに警告して助けます。ビヨルンはフラットノーズがハーラルと組んだことに気付いていましたが、ギリギリのところで自分を助けたので切り付けられたフラットノーズも助けます。

エリックという男がビヨルン達を助けて船に乗せてくれます。

あれ?ビヨルンの軍どこ行った?

ハーラル救出のためにカテガットから大勢来たよね?

ドラマロジック*ていうやつだ。*ドラマロジック…ドラマの展開に合わせて脚本を変えるご都合主義的な設定。物語の設定上やむを得ず使用される場合もあるがあまり多用すると視聴率と視聴者を失う。

ビヨルンはカテガットに帰る船の中で母ラゲルサがこの世を去ったことを感じ取ります。

ビヨルン、死ぬ前にラゲルサに会うことはできなかったね。これは悲しい。

ラゲルサとしてはビヨルンの妻がしっかりしていること、そして子供を宿していることが救いだったかな。

 

オレグとアイヴァー

オレグはカーチャという女性と再婚します。

そしたらカーチャはアイヴァーが殺した元妻と同じ顔してました。

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オレグの再婚相手カーチャ(アイヴァーの元妻と同じ顔)

元妻にそっくりのカーチャにウットリしてしまうアイヴァーですが、カーチャとオレグ王は不具のアイヴァーの目の前で愛し合い、アイヴァーに「僕、ここに居たくありません」とまで言わせる始末。

視聴者にアイヴァーに同情させようという狙いなのかな。

オレグ王がスカンジナビア半島を征服しようとしてアイヴァーが最終的にヴァイキングを助ける役割を担うのかしらね。