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【ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス】Netflixドラマ感想ネタバレ:前半最高、後半最悪

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ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス

Netflixオリジナルドラマ【ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス】を見た感想とあらすじです。

最近のNetflixの作品は、予告はそそられるのに見たら詰め込み過ぎて破たんしている内容だったり、掴みはOKなのに途中で凋落してしまうコンテンツが多い。

ストレンジャー・シングスとかゴッドレスとかナルコスとかめっちゃ面白いのも多いのに、オザークへようこそもシーズン2は失速しているし、2018年は調子悪いね。

本作もその1つで、前半は最高だけど後半は最高に退屈なドラマです。5話まで観たら、観るのをやめた方がいいい。巷の評判はすごい高いので、自分の目で確かめてみて下さい。

 

【ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス】あらすじ

数々の怪奇現象を経験した家から引っ越してもなお、決して消えることのない凄惨な記憶が、過去と現在の狭間に揺れる家族の心と体をむしばんでいく…。 

 

【ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス】登場人物

幽霊屋敷に越してきたのが7人家族のクレイン家でございます。なんでもこの幽霊屋敷をリフォームして売りに出し、その金で自宅を他に買う予定だったようです。
 

父ヒュー(ティモシー・ハットン、若い時はヘンリー・トーマス)
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シニアのヒュー(ティモシー)とヤングのヒュー(ヘンリー)

幽霊屋敷に嫁のオリビアを置いて出てきたあとは、なぜか叔母に子どもたちを預けて叔母さんに育てさせた父ヒュー。最期まで観ても叔母に育てさせた理由は不明。ずっと何かを隠していて、子どもたちに何の説明もしないが、最後に長男に明かすネタも大したネタではないし、別に他の子たちにも言ってもよくね?

ヤングの頃のヒューはとにかく「修理する」が口癖で、嫁の頭がかち割られていても「修理する」と呟く。しかし家はおろか家族も修復できなかった。

オリビア(カーラ・グギノ)

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美しく殺されることにかけては他の追随を許さない美魔女、カーラ・グギノ。ヒューの美しい嫁オリビアを演じる。

オリビアは、子どもが毎度毎度毎度、悪夢か幻覚か幽霊を見て物凄い大声で泣き叫ぼうとも、決して自分のベッドで子どもを寝かせない「アメリカでは子どもはベッドで一人で寝るの」信奉者でもある。

末っ子のネルが「首折れ女」を何度も見て自室で寝るのに耐えられないのでソファーで寝ようとするが、意地でも自分のベッドでは寝かせないハードコアな母。そのくせ「一人で死んでるのは寂しいので皆も来て」とワガママを言いまくって家族を困らせる。

以下、クレイン家の5人の子どもたち、年齢順に紹介する。ちなみに年齢が下がるにつれて鈍感力も下がる。つまり長男スティーブンが一番鈍感力が高く、末っ子が一番鈍感力が低い。

 

超鈍感:長男スティーブン(マイケル・ユイスマン)

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幽霊屋敷で妹や弟が幽霊を見たり悪夢にうなされているのに、長男スティーブンだけはほぼ何も見えない、聞こえない。

自分は見てないくせして幽霊屋敷ヒルハウスの本を出版して作家として成功したため、とりわけ長女のシャーリーから非難ゴーゴーの嵐に見舞われる。

演じるはゲーム・オブ・スローンズで嵐の申し子・ドラゴンの母デナーリスの情夫だったダリオ2代目を演じているマイケル・ユイスマン。色気のあるダリオとはうってかわって、髪型のせいでひどく地味な出で立ちで、内外ともに冴えない長男を演じている。

 

鈍感:長女シャーリー(エリザベス・リーサー)

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他人の意見に耳を傾けないしっかり者のシャーリー。幽霊の存在も最後まで信じようとしないので鈍感力はスティーブンに次いで二位だが、浮気相手の幻覚だけはちょくちょく見る。妻思いの夫と結婚、子ども二人に恵まれ、旦那と葬儀屋を経営している。

スティーブンが幽霊屋敷ヒルハウスの本を出版することに激怒し、「血の金よ!」といって印税の一部受け取りをひとり頑なに拒否する頭の固い長女。

 

エスパー:次女テオ(ケイト・シーゲル)

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テオは神様から授けられたギフトがあって、手で人や物に触れるとその内面や過去を透視することができる。手袋をして直に触れなければ感じない。

レズビアンで、特定の恋人はおらず、バーで適当に相手を引っかけてワンナイトスタンドを楽しむ独身貴族エスパー。

 

敏感:双子ルーク(オリヴァー・ジャクソン・コーエン)

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ネルの双子で、ネルと痛覚共有がある。

ジャンキーとなってしまい、兄姉妹からは煙たがられるも、双子のネルだけはルークに優しい。
 

超敏感:双子ネル(ヴィクトリア・ペドレッティ)

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皆から愛された末っ子のネルだが、小さい頃から「首折れ女」を見続け、不眠症と金縛りに悩まされる。最愛の人と結婚するも悲劇が訪れ、ネルの精神状態は限界に。

注目はテオ役のケイト・シーゲルと、若きテオを演じたマッケナ・グレイスちゃん、それから末っ子のネルを演じたヴィクトリア・ペドレッティです。

マッケナ・グレイスちゃんはギフテッド(2017年)で認知度がグンと上がり、いまハリウッドが大注目している子役でしょう。ふかづめさんもほっこりしてたマッケナちゃん、可愛いんねー。

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垂れ目が可愛いマッケナちゃん

大人になったテオを演じたのはケイト・シーゲル。ホーム・インベージョン系のスリラー「サイレンス(感想)」で聾唖の女性を演じています。サイレンスの映画はイマイチだったけど、ケイト・シーゲルは美人で存在感があって伸びしろ満点、この先売れると思われる。

 

【ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス】感想

物語は過去と現在の二軸を交互に行ったり来たりするが、繋げ方が上手いので苦手な人でも混乱することなく楽しめる。映画「ウインド・リバー」が「ある視点賞」を受賞したのと同じような手法が使われているのが印象的だった。

前半5話までは幽霊屋敷という謎解きホラー要素と並行して各キャラ一人一人にフォーカスして人物像を掘り下げていく。キャラの描き方は丁寧で飽きさせることがなく、一面的な乾いた人物像ではなく、多面性もきちんと描かれていて、ふつうの人間らしさをしっかり感じる。

たとえばルークがスティーブンのアパートからカメラを持ち出して玄関先で会ったシーンは、スティーブンから見ればジャンキーの弟が薬欲しさに自分の貴重品を盗んだ場面であるが、ルークから見れば90日間シラフで大切な友人を守るために緊急の金が要ったという場面であり、それぞれの立場の視点から同じ場面を見れる。とても丁寧なつくりだ。

また、赤い部屋の向こう側にいる存在も、ネルとテオの両方の視点から描かれていたのが印象的。残念ながら赤い部屋の謎については引力不足だったが。

5話まで一気に観ることができたし、第1話から登場した「首折れ女」の正体が5話で判明したときの衝撃と悲しさといったら鳥肌モノである。

同時に一番繊細で家族思いなネルの心の悲しみと痛みが伝わってきて涙が出そうだった。伏線の回収がとてもうまく、これはただのホラーではないと喜び勇んで後半戦に突入した。

ところが6話の超長回しからは視聴するのが苦痛になるほど、キャラクターのメロドラマ的な独白や独り芝居が延々と続き、最後は~This Is Us 36歳これから~を見ているかのような既視感で終わってしまった。

前半はドラマの構想がしっかりしていて、家族のダイナミクスに幽霊屋敷と屋敷に宿る幽霊を絡めた素晴らしいコンテンツだと思ったのだが、後半はすっかり気が抜けた炭酸のように緊張感や張り詰めた空気が失われ、メロドラマと独り芝居に取って代わられてしまった形だ。

6話あたりからは10分毎に時間をチェックするようになり、ときたま耐えられずに停止したりして、なんとか拷問に耐えたあと最終話できっと驚かせてくれるかもしれないと期待したけれど、最終話で~This Is Us 36歳これから~のcheesyな終わり方をしてしまった。構想はきれいにまとめられたけれど、あまりにも弱い終わり方に落胆してしまった。

前半で存在感を示していた壁のノック音、地下室の死体、長身の帽子男、病床の女は影を潜め、前半の存在感に見合った説明は得られず、家族のスピリットを生かし続ける屋敷での単なる怪奇現象で終わってしまうのはあまりにも勿体なかった。

オリビアが死んだのは幽霊屋敷の邪悪な霊によって精神をきたしたためだと思ったのだが、後半は死んでもそこにいけば家族に会えるみたいな、人間と幽霊の交流の場みたいになっとるやん。

メロドラマにするならするで、ネルと首折れ女のあたりが一番おもしろい要素だったんで、そこを突き詰めていってほしかったな。自分の事で精一杯の兄姉たちのなか、一番苦しんでいたネルの痛みに気づかず、ネルを助けられなかった兄姉たちっていう視点な。でも結局そのあともギャーギャーすったもんだしているだけで、ネルの痛みが伝わってないし、「なんだこいつら、勝手にやってろ」と思いましたよ。

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話聞けやコラー!!!

性欲旺盛なレズビアンキャラと異人種間の夫婦(白人女性と黒人男性、白人男性と黒人女性)というステレオタイプ手法でポリティカル・コレクトネスに配慮しているアピール、レイシストではないアピールがウザすぎる。白人と黒人の夫婦がそんなにいるか!ゲイになぜいつもワンナイトスタンドばかりさせる!

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