ホームインベージョンホラー「サイレンス(原題:Hush)」を視聴した感想です。
2016年の作品です。
「サイレンス」あらすじ
森の中の家で独り暮らしをする聾唖の作家女性マディ。ある夜、マスクをかぶり、ナイフとクロスボウを持った男が家の外に現れ、マディを襲おうとする。
「サイレンス」感想
シンプルでクラシックなホームインベージョンものです。女性作家、人里離れた場所で独り暮らしまではありがちですが、この映画が他と違うのは、主人公の女性が聾唖であること。
聾唖というハンディを背負わせてしまうなんて酷くない?と思いましたが、それはきっとマディが聾唖ゆえに唇読術を披露したり、振動を感じ取ったりと、逆に犯人をギャフントと言わせる設定なんだろうなーと予想がつくので、ワクワクしました。
期待しすぎたのがいけなかったのか、率直な感想としては、イマイチというところ。いや、面白くなくはないんですよ。でもインパクトに欠けました。
その最たる原因は、敵にあり。犯人の男がなんといっても弱いんです。
まずですね、犯人の男は早々にマスクを取ってしまいます。なんで取るのよ。人間は得体の知れないものが相手だと恐怖が増すのに、取っちゃったら意味ないでしょ?
13日の金曜日のジェイソンだって、アイスホッケーマスク取ったらドロドロネチョネチョしてて気持ち悪ぃーけど、「あ、俺が怖がってたのはこのドロドロモンスターか」とわかると恐怖心が減るでしょ?
レザーフェイスが怖いのは、なによりあの人皮マスクのおかげでしょ?というわけで、早々にマスクを取らせたのは間違いです。だって顔も全然怖くないんだもの。
そして犯人の男は、身体が小柄なので威圧感がありません。途中でマディの家にやってきた男性がガタイのいい人なので、ちょっとドついたらすぐ勝てそうなタイプです。ボクシングでいうとミドル級に及ばないスーパーウェルター級くらいの。
ちなみに犯人の男は、10クローバーフィールドレーンに出演してた男性ね。
で、この犯人の男がね、さらにドジッ子なの。けっこうドジなのよ。油断もしすぎだし。まあ、遊んでいるつもりもあったのかもしれないけどね。
映画がイマイチだったもう一つの理由は、主人公マディが聾唖であるという点が活かせ切れなかったこと。いや、それなりに聾唖であるが故に他の四感が鋭いことを活かしたシーンはいくつかあるのよ。でもボクシングでいうならジャブ打ちレベルで、私としてはストレート打ちレベルの大逆転を見たかったのよね。もう少し、工夫できたんじゃないかしらと思ったわ。
良かった点は、マディの脳内でのシミュレーションや、マディの笑顔、それからちょこっとあったグロがけっこうリアルだったことだわね。
評価:40点