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【ナルコス:メキシコ編】シーズン2第5話あらすじ感想:麻薬王達のパワーゲームがゲースロ並み

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今日は一日中あちこち道路を走っていたので疲れました。アクセル踏んでブレーキ踏んでの繰り返しに疲れました。しかもけっこう混んでたなぁ。「ナイトライダー」のキッドのような車の開発はまだなのかしら。

「マイケル、次はどこへ」みたいに「G、次はどこへ」て聞いてほしいな。

【ナルコス:メキシコ編】シーズン2第5話のあらすじと感想です。

今回は特に凄かった。

麻薬王たちの裏切りパワーゲームが壮絶すぎて、ついていけないや。

登場人物についてはこちらをどうぞ

 

【ナルコス:メキシコ編】シーズン2第5話あらすじ感想

シーズン2も盛り上がって参りましたー。

本当に面白いから観てみなさいね。

さてさて前回のエピソードでは、ミゲル・フェリックスがCIAまで利用して起死回生、ピンチを転機に変えるという大胆不敵な技を披露しました。ずる賢いというかなんというか。

マッタというコロンビアとメキシコのパイプ役の友人まで裏切ってましたね。たとえ身内でもビジネスのために踏み台にするのがミゲル・フェリックスという人物です。この辺がコロンビアの麻薬王パブロ・エスコバールと正反対。

そしてシナロア・カルテルのホアキン・グズマン(のちのエル・チャポ)が国境の下を通る地下トンネルを掘り始めたところでした。

 

DEAとカルデローニ

前回、DEA捜査官ウォルトに接触して協力を申し出たメキシコ連邦司法警察の元司令官カルデローニはDEAチームとご対面。

「カルデローニは信用できない」とチームメンバーは言います。顔を見られているけれどそれはお互い様なので、カルデローニ自身もカルテルを裏切っていると垂れ込まれたら危険な状況ですから、とりあえず信頼はしないけれども情報源として利用し、検証する価値はあるとウォルトは説得します。

 

イザベラとエネディナの新しい密輸ルート

イザベラとエネディナは、イザベラが買ったコカインを米国に運ぶための新しい密輸ルートを思いつきます。エネディナは米国の派遣会社を買い、メキシコから米国への日雇い労働者の女性を運び屋にするという案です。

というのもメキシコ人の日雇い労働者は700ドル分働いてもピンハネされて20ドルしか貰えないという搾取を受けていました。それでもメキシコで働くよりは高いので、やむを得ず搾取されながら働くしかなかったのですね。

ところが運び屋をすれば給料もたっぷり貰えるし、カルテルも密輸ができるし(見つかってもトカゲの尻尾切りができる)ウィンウィンというわけです。

つくづく現世は不公平・不平等だよなぁ。麻薬組織という悪が不平等を正しているというこの皮肉。やるせない。

本家ナルコスのほうでも麻薬王パブロ・エスコバールが腐敗政治によって貧困が改善しないコロンビアの地元にサッカースタジアムや教会を作ってあげたり、地域民に還元したりとかしてたけれど、皮肉過ぎるよなぁ…善悪はそう簡単なものじゃないですね。

だってさぁ、自分がもしも第三世界の国に生まれてて貧困に苦しんでいたとして、運び屋の話を持ちかけられたら、断るという自信ある?私は自信ないですよ。

「そして、一粒のひかり」のマリアのように、チャンスの中に希望を見出そうとすると思うんですよ。

 

カリ・カルテルとの会合でフェリックスを待ち受けていたもの

CIAと手を組んだことでキキ・カマレナ捜査官の件は棚上げできると思い、気を良くしたミゲル・フェリックスは、パブロとアマドの滑走路の工事現場を訪れます。

パブロはいませんでしたが、フェリックスは説明もなくアマドをパナマに連れていきます。機上で、フェリックスはこれからコロンビアの麻薬王たちと会合だと言います。

フェリックスはコロンビア人たちに金ではなくコカインでの支払いを要求するといい、これからはメキシコのカルテルも密輸だけでなく売買を始めるといいます。そこでアマドに責任者として他のカルテルを管理し、滑走路をどんどん建設していくんだと言います。

この人の野望、底なしじゃん。どこまで登りたいんだろう。もう金とかが目的じゃなくなってて、とにかく全権を握って支配したいという欲、それが全てになっている。強迫神経症にでもかかっているかのようです。

また、会合には同盟を結ぶことを約束してくれたメキシコ最古参のガルフ・カルテルのフアン・ゲラも参加すると言います。

ミゲル・フェリックスの突然の方針転換と事業戦略に戸惑いを隠せない常識人アマド。アマドは元々パイロットとして活躍していたし、これまでのエピソードでもパブロの手助けをしてあげたり。アマドだけ見てると普通の人みたい。

意気衝天して会合場所に乗り込むフェリックス。

さてここであの人が登場しますよ!

本家「ナルコス」シーズン3で技術担当をしていたエンジニアリングマンのホルヘさんが!

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ホルヘさん、技術担当(本家ナルコスのS3に出演)

ホルヘさんは本家「ナルコス」S3の真の立役者でしたから、さすがに皆さんも覚えていると思います。ホルヘさんの安否を願ってめっちゃハラハラしましたね。

ホルヘさんは会合のホテルの部屋に盗聴器がないか調べたりしてたみたいです。ミゲル・フェリックスと少し言葉を交わすのだけれど、あのときホルヘさんはすでにDEAと組んだ後かな?前かなとドキドキしていました。

さて、「コロンビア人に泡を食わせてやるぜ」といった面持ちのフェリックスでしたが、なんとここで想定外の事態が待っていました。

頼みの綱であり新パートナーであるはずのガルフ・カルテルの麻薬王フアン・ゲラが現れません…こ、これは、もしかして、まさか…

フェリックスとアマド、そしてパチョ達というメンバーで、ぎこちなく会合が始まりました。アマドなんか下向いちゃってるよ!

アマドはただならぬ気配を感じてフェリックスに「早くここから出よう」と囁きます。

何故ゲラが姿を見せないのかというと、なんとパチョは先手を打ってゲラと手を結んでいたのでした。パチョはフェリックスを差し置いてコカインをガルフ・カルテルに売る契約を結んでいたのです。

おもむろに勝ち誇った顔で

「で、大事な話って何だい?いろいろ調整してここに来たんだけど~」

と聞くパチョが憎たらしいけど愛らしいというこのアンビバレンス。

パチョ「あっ、そうだ。忘れるところだった。あんたの同胞と協定を結んだんや。俺たちのブツを運ばせるから。彼は密売を知り尽くした老練の男です!」

と鋭い嫌味を切り込んでくる。

フェリックスの顔がワナワナし、アマドはもう下しか見てない。

パチョ「名前はねぇ~・・・フアン・ゲロと言うんだけど、お前たち、知ってる?あ、それでそっちの用件て何?」

フェリックス、苦し紛れに「・・・取引量増やして。その件で来ました。

横でアマドが心配そうにフェリックスを見ていると、フェリックスは「70トン下さい」とか無茶ぶりを言うのでアマドは「あんた何言うてるのん」という顔してさらにフェリックスを三度見しちゃう。

さらにパチョは、「マッタは?」とフェリックスがCIAと手を結ぶために収監させたマッタのことまで聞く嫌らしさぶり。

「家族じゃないから関係ないけどぉー、マッタはいい奴だったから好きだったけどねーベテランの密輸人がなんで捕まったかねー」と続ける。

パチョはコロンビアンカルテルがファミリーや仲間を大事にしていることを強調し、フェリックスに当てつけます。

パチョの嫌らしさが最高。パチョ役のアルベルト・アンマンが格好いいんですよねぇ。

でもフェリックス自業自得だからなー。ドン・ネト、ラファ、そして今度はマッタか…仲間への裏切りはどこまで続くのか。並外れた野望はやはり身を滅ぼすね。さすがに最古参のフアン・ゲラは誰と手を組むべきか組まないべきかを心得ていたというわけだ。

確かに疑問だったよね、本音を出したからって仲間を裏切るフェリックスと組むか?と不思議に思っていたので、これで納得。コロンビア人とガルフ・カルテルの双方に弄ばれてしまいました。これほど因果応報が似合う人もいないな。

それにしてもこのパワーゲームがすごい。この静かな会合シーンだけで鳥肌立ちそうだったよ。「ゲーム・オブ・スローン」のパワーゲームを見ているみたい。

ちなみにフェリックスはメキシコに戻ってきて車で移動中に何者かに襲撃されます。生きてるけど運転手が死亡しました。襲撃したのは誰だろう。

 

エル・チャポの地下トンネル

エル・チャポたちは地下トンネルを掘っています。途中でボスのパルマ・サラザールに見つかるけど、パルマ・サラザールは「GJ」とチャポを誉めます。

シナロア・カルテルはティワナ・カルテルの倉庫にあるコカインを取りに戻り、トンネルを掘っている倉庫まで搬送します。

DEAチームは後をつけ、倉庫を調べるうちに、地下トンネルの存在を発見します。

この情報を元にどう動くかでチームの意見が割れます。あるものはすぐに強制捜査に踏み込もうといいますが、カルデローニは「奴らを捕まえたところで何もならない。違う奴らが取ってかわるだけだ」と言います。

カルデローニはティワナ・カルテルに地下トンネルの存在を故意に知らせて反目し合うように仕向けろと助言します。う~ん、さすがに経験豊富な現場捜査官らしいな。「シカゴ・PD」のボイトみたいな感じや。毒を以て毒を制す。

その後は・・・カルデローニのたくらみ通りにコトが運び、地下トンネルの倉庫でティワナ・カルテルのラモンによる殺戮が起きます。それを向かいの屋上から眺めるDEAたちの顔に勝利の表情は浮かんでいませんでした。

「毒を以て毒を制す」は理論的には理解できるけれど、実際にアクションに移すとなると更なる悲劇は避けられないわけで…やっぱりキツイわぁ…こういうシーンは…

善悪の境界が曖昧になり、善悪が分からなくなる。DEA捜査官のストレスと終わりのない戦いへの絶望感は物凄いだろうなぁ…

あとDEAチーム側にさすがに華がなさすぎるのがちょっと気になる。ナルコスチームは魅力的なキャラが多いのだけれど、DEAがウォルトだけっていうのは寂しい。それにウォルト役のスクート・マクネイリーも若干役不足だし…ペドロ・パスカルが恋しい!

ここはさ、もうシカリオ入れるしかないんじゃないかと思うの。

いでよ、デルトロ!

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