はーい皆さん、お元気してる?
10年も苦しんでいる後鼻漏という不快な症状を治すため、先週からGBスポット治療なんていうのを耳鼻科で始めましたよー。1週間に2回行っています。
後鼻漏とは、鼻水が鼻から出ずに喉の方に落ちてしまう症状のことで、成人の3人の1人はこの症状があるらしいんですよ。
後鼻漏の原因として、上咽頭炎という病名がちゃんと付いていまして、喉と鼻の奥のつながる咽頭が炎症を起こしているというわけです。
今日で4回目…塩化亜鉛を直接塗る治療なんですが、このエリアはリンパにも近く、どうやら免疫機能にも大きな影響を及ぼす箇所らしいんですね。
そのせいなのか、私の場合は治療後はどっと疲れが出るというか、風邪のようなボーッとした感じになります。塗薬で喉がヒリヒリするので、そのせいかもしれません。
詳しい経緯はサブブログの方に書いたので、「え、俺もこれじゃね?」と思ったらちょっと読んで見て下さいまし。
後鼻漏の原因は慢性上咽頭炎!Bスポット治療を開始 - ミセスGのブログ
その後鼻漏が始まった頃の2009年頃から、私の時間は「失われた時間」に突入した。つまり育児が始まって映画を見なくなったころですねー。失われた時間は、その後6~7年続くことになる。
失われた時間の間に唯一劇場に観にいった映画は、「テキサス・チェーンソー」のリメイク。若手イチオシの美女アレクサンドラ・ダダリオちゃんが出てたやつだ。これはトゥルー・ディテクティブのシーズン1のダダリオちゃん。このあと見事な豊満ボディがボロリンする。
そんな頃にリリースされていた【イングロリアス・バスターズ】なんてアイ・ドン・ノー。
知っていることといえば、CMに流れていたのでタラちゃんが絡んでるらしいことと、ブラピが「キル・ナチース!」と格好良く息巻いていることだけ。
毎度お世話になっておりますNetflixにあったので見てみることにしました。
タラちゃんといえば、やはり私の中ではレザボアドッグズ。その2年後のパルプ・フィクションでハリウッドに風穴を開けた時代の寵児として一気に大ブレイクしたけれど、最初に観たのががレザボアドッグズだったんで、やはりレザボアドッグズの印象が私の中では大きいわけです。10代の頃にはレザボアの特大ポスターまで貼ってましたよ。
犯罪といえば万引きしかしたことないタラちゃんの映画は、犯罪者や良くも悪くもイカれた人物が主人公であることが多く、そんな主人公が自分より外道と暴力的に戦うという話が多い。
タラちゃんの映画は「暴力」と「ドラッグ」という二大タブーがセットになっていて、その暴力性がしばしば槍玉に上がるのだけど、映画をよく見てみると大体の暴力シーンはオフスクリーン(画面の外)で発生していることがお分かりになると思います。だからそんなに暴力的暴力的言うなや。という話でございます。
逆に言えば、スクリーンに映していないのに「タランティーノ映画=暴力的」とレッテルを貼られているわけで、それはつまり暴力性がしっかり伝わっているということ、つまりタラちゃんの力量に他ならないわけです。
ただーし、本作はちょーっとグロい画もありましたことを警告しときます。とはいってもすこぶるライトタッチな描き方なのでトラウマになることもないかと思いますが、グロ耐性の割と強い私が申し上げていることにご留意頂きましたら、先に進めて下さい。
【イングロリアス・バスターズ】作品情報
原題:Inglourious Basterds(スペルは本来ならInglorious Bastardsだが、タラちゃん式スペルが原題となっている。タラちゃんはノーコメントを貫いて意味ありげにしているが、実は単なるスペルミスだと踏んでいる。)
公開年:2009年
監督:クエンティン・タランティーノ
出演:ブラッド・ピット、クリストフ・ヴァルツ、イーライ・ロス、ダイアン・クルーガー
上映時間:153分
言語:英語、ドイツ語、イタリア語、フランス語
ビッグすぎないビッグな名前が目白押しの153分でございました。
てか153分もあったんか?
確かに長かったので1日では観きれずに2日にわたってイングロデーを敢行しましたが、長さをちっとも感じない満足の153分でした。
タラちゃん自身も本作の脚本が長すぎることを認めており、キル・ビルのように2部作を検討したりもしたらしい。
普段なら140分くらいで「なげーよ!」と愚痴をこぼすところでしたが、これはむしろもっと観ていたかった。タランティーノ映画を観たのは久方ぶりだったため、タラ味に飢えていたのかもしれないなぁ。
本作も「ヘイトフル8(タランティーノ監督)」も、ちょっと前に話題だったワインスタイン・プロダクションとタッグを組んでるし、エグゼクティブプロデューサーにワインスタインの名があるのでそこだけは残念ですけどね。
【イングロリアス・バスターズ】あらすじ
ナチスドイツ占領下のフランスで、ナチスを殺すためだけにわずか8名で編成された連合軍チーム「イングロリアス・バスターズ」は、アメリカ人陸軍中尉(ブラピ)の指揮の下、次々とナチスを殺していく。
ある時、家族を皆殺しにされたユダヤ人女性が所有する映画館でドイツのプロパガンダ映画が上映されることに。上映会にはナチス高官だけでなくヒットラー総統まで来場する。
イングロリアス・バスターズはナチス高官が一堂に会するこの場所でナチスを皆殺しにしようと計画する。
【イングロリアス・バスターズ】感想
久しぶりに鑑賞したタランティーノ映画。「第1章」「第2章」…という感じでチャプター分けされているのを見ると「ああタラちゃんだー紛れもなくタラちゃんだ」と感慨深いものがある。
ナチスドイツに復讐を企てるグループが2ついる。1つは10歳の時に家族を皆殺しにされたユダヤ人女性ショシャナ。もう1つはユダヤ系メンバーで構成されるイングロリアス・バスターズ。
第1章はショシャナについて、第2章はイングロリアス・バスターズについて語られる。
ショーシャナはフランス人として生きていて、映画館を経営していた。彼女の映画館でナチスのプロパガンダ映画が上映されることになり、ショーシャナは復讐を企てることにする。これが第3章。
第4章は、映画上映の情報を聞きつけたイングロリアス・バスターズがイギリスのスパイのドイツ人女性(ダイアン・クルーガー)と計画を練るべく、落ちあった先でトラブルになる話。
そして第5章がナチスを一網打尽するべく、復讐の実行である。
タランティーノ監督が言うように、いずれの章も少しずつ異なるタッチが味わえるので得した気分になる。
気に入った点は多々あるけど、脚本に関していえば、ショシャナとバスターズたちが最後まで互いの存在を知らずに消えていく点がユニークだった。ふつうなら共通の目的を持った同士が落ちあって手を組むことを予想するのだが、ショシャナとバスターズたちはそれぞれの思惑で動いているだけで会話を交わすことはおろか、互いの存在も知らない。
ショシャナはナチスもろとも映画館を焼き尽くすつもりだし、バスターズはダイナマイトを持ち込んで爆破させるつもりだった。
本来ならバラバラで纏まりがなくなっていまう恐れがある脚本なのに、しっかりとまとまっているところが憎らしい。
タランティーノの作品は、復讐など何らかの計画を実行するものの上手くいかない話が多い。例にもれず、本作でも、人好きする悲劇のユダヤ人女性ショシャナは最後の最後にうっかり命を落とすし、バスターズの殆どは命を落とし、ブラピともう1人のバスターズだけが生還する。しかも茶目っ気たっぷりに。
そう、もう1つの好きな点は、茶目っ気たっぷりなこと。ナチスドイツを題材にした映画をコミカルに撮るというだけでも大それた試みだが、一歩間違えれば世界中から袋叩きになりそうな案件である。それをしっかり抑えて視聴者をクスリと笑わせてしまうタランティーノ監督の豪放磊落さにはやっぱり脱帽。
まぁ、アメリカで酷評の袋叩きにあってはいるけれども。「第二次世界大戦への冒涜!」みたいな意見があったり、「世界大戦を勉強してきた者として、あり得ない」とか現実とアート(映画)をごっちゃにした意見も多いんですよね。これじゃあ監督らもおちおち視聴者のperceptionの寛容さを信頼できないよなぁ。じゃあ「シンドラーのリスト」とか「ピアニスト」みたいな映画だけ作ってればいいの?それでいいの?と言ってやりたいです。
地下バーでダイアン・クルーガーに会いに行った末にドイツ語要員を失ってしまって、ドイツ語を話せないバスターズしか残ってないというのに計画を強行するバスターズたち。
リーダーのブラピに至っては「イタリア人てことにすりゃいい」とか言っときながら、他のバスターズ二人はイタリア語もさっぱりで、言いだしっぺのブラピでさえイタリア語は少ししか分からない。
ナチスの高官たちを皆殺しするためにナチスの巣窟に忍び込むというのに言語が全く分からない計画・・・最低。
しかし怖いもの知らずのバスターズたちは、まるで上司主催のパーティに行くかのように敵地に乗り込む。するとドイツの親衛隊大佐でありショシャナの仇であるハンスがペラペラとイタリア語を話し出す。
もちろんブラピ達はイタリア人のフリしてるけど、ハンスが何言ってるかさっぱり分からねえ。
それで出たのがこのポーズ。
なんだこの雰囲気。
ばりばりのアメリカ英語訛りの「グラッツィエ」だけで押し通すブラピ、最低。
もちろんアリヴェデルチも試してみる。ちょー最低。
そんなブラピが好きです。
綺麗どころしかできないと勘違いしていたダイアン・クルーガーは女は二度決断するでグッドジョブぶりを見せてくれたし、本作でも彼女のまた違った一面が見れました。今後も注目していきたい方です。
バスターズは全部で8人いるので全員は紹介できないけど、撲殺が得意な「ユダヤの熊」ドニーを演じたイーライ・ロス、ドイツ軍兵士ながらゲシュタポ将校13人を殺して投獄されていたヒューゴ・スティーグリッツを演じたティル・シュヴァイガー、家族を皆殺しにされたショシャナ役メラニー・ロラン(カワイイ!)、ショシャナの敵でイタリア語もペラペラなドイツ親衛隊大佐ハンス役クリストファ・ヴァルツ、とにかくキャストが全員文句なし。
このシーン超お気に入り。
今回はブラピ中尉の祖先アパッチ(ネイティブアメリカンの部族)にならってナチスの頭の皮を剥いだり、ウォーキング・デッドのヴィランで人気のニーガンによるバットでの撲殺という惨たらしいシーンもオンスクリーンに登場するのだが、目をそらさずに観れたのも、タランティーノが狙ったコミカルな仕立てによるものかもしれない。
なお、タラちゃんは言わずと知れた足フェチなので、今回もダイアン・クルーガー様のおみ足を臨むシーンがある。
それからブラピがいつにもましてエラ張りが酷く感じられるのは、本来主役をやろうかな~と考えていたタランティーノのことを考えてブラピがしゃくれを意識していたらしい。そのしゃくれはブラピのあたたかい心遣い。さすがAリスター。
それからタランティーノは本当はレザボアドッグズのヴィック(マイケル・マドセン)とパルプフィクションのヴィンセント(ジョン・トラボルタ)の兄弟二人を撮ってヴェガ兄弟を映画化しようと考えていたのだが、マドセンとトラボルタの年を考えて断念し、その代わりにイングロリアス・バスターズを作ったという。
次は「ヘイトフル・エイト」も観るよ!
あっ、そんなこと言ってる間に「パニッシャー」シーズン2が始まる!でょおさん、いよいよパニッシャー始まりましたね!