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「エンパイア」俳優ジャシー・スモレット、ヘイトクライム自作自演で逮捕

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ここ数日間、米国メディアを騒がしているスキャンダルがある。

先日、当ブログでも紹介しましたが、ドラマ「エンパイア」に出演しているジャシー・スモレット氏が二人組の男性に襲われた事件で、スモレット氏は襲撃を自作自演したという疑いで公式に起訴された

 

スモレット氏、ヘイトクライムを自演で被害者から容疑者へ

事件のあらまし

事件の経緯はこうだ。2019年1月19日、スモレット氏は午前2時にサブウェイにサンドイッチを買いに行った帰り、二人組の男に襲われた。二人組は黒人でゲイであるスモレット氏に、ゲイへの差別言葉と人種差別的な言葉、それから「MAGA」という言葉を放った。

※MAGA(マーガと発音)はMake America Great Againの略語で、トランプ大統領の言葉であり、一般にはトランプ大統領の支持層を示す標語である。

しかしMAGAはリベラルメディアによって歪められ、白人至上主義者による「ホワイトアメリカ」と同類のプロパガンダに仕立て上げられた。つまり白人極右による「アメリカを白人国家に戻す」という排外主義の弁明に利用されている。

MAGAは本来はトランプ大統領の支持層のことであり、元来は「アメリカを再び偉大な国に」という愛国的な言葉だった。エスタブリッシュメント側のメディア(や多くのセレブリティ)はもちろんリベラル派なので、基本は反トランプという姿勢。メディアにとってはMAGA=トランプ大統領を支持するレイシストというレッテル貼りをするのに好都合だった。

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トランプ大統領支持層が身に着ける赤いハット。トランプ大統領の言葉「Make America Great Again 」と書かれている。

スモレット氏は数日後、警察に報告した。

警察はヘイトクライムとして捜査を開始した。

監視カメラの映像に現場付近を歩いていた二人組の男が映っており(襲撃の映像はどのカメラにも確認されなかった)、スモレット氏を襲ったとされる二人組の男がまもなく逮捕された。

その後の詳しい展開はこちらに詳述したが、このヘイトクライムがスモレット氏の自作自演である疑いが濃厚となり、検察はスモレット氏を正式に起訴した。

 

シカゴ検察がスモレット氏を起訴

スモレット氏へのヘイトクライムが自作自演かもしれない疑いがあるということでFBIと警察が捜査を進めていたが、20日に検察が「警察への虚偽通報」と「治安紊乱(びんらん)罪」という重罪で公式にスモレット氏の起訴に踏み切った

刑事たちはクック郡大陪審に証拠を提出しているという。

スモレット氏は現地時間の木曜日に裁判所に出廷することになっており、有罪が決まれば最大禁固3年の刑が言い渡される。

水曜日には、逮捕されたのちに釈放された兄弟が「証人」として大陪審の前に出廷し、ほぼ同時にスモレット氏の電話記録や銀行記録を押収するための令状が関係各所に送られた。

兄弟がスモレット氏の指示を受けて赤い帽子とスキーマスクを購入する姿が監視カメラに映っている。兄弟は警察で48時間拘留され、尋問を受けたあと、釈放された。

兄弟によると、襲撃の前にスモレット氏に送られたヘイトレター(脅迫状)もスモレット氏に依頼されて送ったものだということだ。ヘイトレターがあまり話題にならなかったので、襲撃事件を自作自演することにしたという。

スモレット氏による自作自演であるという評決が出た場合、刑事責任だけでなく、捜査にかかった費用の弁済という民事の責任も出てくるだろう。

脅迫レターを送ったことも無視できない。米国郵便局を通じて脅迫レターを送ると最大禁固5年の刑である(18 USC 876条)。

また、レターのなかには白い粉が入っていた。これはアスピリンをくだいたものであることが分かっているが、偽装バイオテロということで18 US Code 1038 - False Information and Hoaxes にも違反している。これが適用されれば、さらに5年が課される。

 

シカゴ警察がスモレット氏の身柄を拘束

警察はスモレット氏の弁護士を通じて速やかな出頭を交渉していたが、アメリカ現地時間の木曜日、シカゴ警察はスモレット氏の身柄を拘束した。

スモレット氏は第4級の重罪(重罪の中では最軽犯罪)に問われ、有罪判決を受ければ1~3年の禁固刑と2万5000ドル(276万円)の罰金刑となる見込み。

 

【エンパイア】俳優ジャシー・スモレットのヘイトクライム自演の真相が明らかに