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中国から米国に謎の種子が送付される事件はブラッシング詐欺?

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Courtesy of State of Minnesota

アメリカの不特定多数の人々に中国から謎の「種子」が送られてくる事件が続発している。

ミネソタ州だけでも150人以上、その他12以上の州でも同様の「種子」が送られてきており、各州はこれらの種子を決して植えたりせず、万一送られてきた際は捨てずに農務省に報告するように国民に呼びかけている。

配送ラベルは英語と漢字で記載されており、配送ラベルの内容物の欄には「アクセサリー」と記載されている。受取人が開けてみると、種子が入っていたということだ。もちろん受取人は注文した覚えはない。(発送元は中国、キルギス、シンガポールなど)

これは一体何なのか?

 

中国企業によるブラッシング詐欺か

米国メディアは、これはブラッシング詐欺の一種ではないかと推測している。

ブラッシング詐欺とは、外国企業が売上を爆上げするために、アマゾンで不正に入手したアカウント先に勝手に商品を送り付ける詐欺の手法である。

アマゾンではかねてから中国製の粗悪品が大量に販売されており、購入者から多数のクレームがアマゾンに届いて問題になっているが、以前からブラッシング詐欺も指摘されていた。

ある日突然、頼んでいない商品がアマゾンから届く。購入した覚えはないし、返品用の住所はアマゾンの住所以外は記載されていない。

商品は加湿器、懐中電灯、手袋など多岐にわたる。

その外国企業は貴方のアマゾンのアカウントの住所と名前と電話番号を使って商品を勝手に送り付け、その後、レビューで偽の高得点を付ける。レビューには「認証済みアカウント」である貴方のレビューが載せられる。

これを大量に行うことによって、レビューの得点を不正に吊り上げ、売上をあげるのが目的である。

商品が売れれば売れるほど(偽注文ではあるものの)、Eコマースサイトの検索結果で上位に表示されるので、売上が伸びるというわけだ。

偽の注文で売上を偽装して検索結果上位に表示させ「売れてます」アピールをすることで、消費者が実際にその商品を購入するようになる。

つまり消費者は、レビューを読んで比較検討して購入したつもりでも、偽注文数と偽レビューによって釣られ粗悪品を掴まされることになるというわけだ。

Amazonで中華製の粗悪品の流通問題が表面化してきたのは、こうしたブラッシング詐欺が横行していることの証であろう。

注文していない商品が送られてきたということは・・・

この詐欺企業が勝手にあなたに商品を送付してきたということは、彼らはあなたの住所、名前、電話番号を入手していることになる。

ということは、あなたの個人情報が他の詐欺企業や悪徳企業にも利用される恐れがあるということだ。

注文していない商品が届いたら、すぐにアマゾンに報告し、パスワードを変更する。また、クレジットカードに見の覚えのない課金がないか注意しよう。

万一、種子が送られてきたら(アメリカ居住の方)

  • 梱包の外装中身ともに、捨てないこと。
  • 種子を植えないこと。
  • 当局に報告すること(米国:1-888-545-6684に電話するか、arrest.the.pest@state.mn.us までメール)

米中の対立が激化する現状から、中国が悪意をもって外来種を送り込む可能性もある。

日本でも、もし不審な荷物が中国近辺から届いたら注意してほしい。種子が届いたら、すぐに農林水産省など関係省庁に届け出てほしい。