日本でもコロナの感染が拡大しているが、それでも先進国のなかで日本で判明している感染率は最低水準。メディアは盛んに煽るけど、日本は想像以上に健闘している。
長いこと単一民族で共通の言語・文化・風習・慣習・価値観・生活様式・行動様式・マナーを共有してきた日本国民は、そこから逸脱する者が社会不適合者としてアウトサイダーに追いやられてしまうことから「多様性を認めない」「息苦しい」と度々批判されることがある。
しかし、今回のコロナ禍のように国民が一丸となって協力しなければならない情況において、日本人ほど力を発揮できる国は他にない。
人口過密でありながら一人一人の衛生意識が高く、小さい頃からうがいと手洗いを徹底し、マスクの付け方から使用済みマスクの扱い方、捨て方、アルコール消毒への知識（度数が高すぎても低すぎても効果がないこと、ウイルス消毒除菌の適正濃度【厚生省は70～95％を推奨】など）、きめ細かな情報が入手可能且つそれに準拠した商品がすぐに作られる、あるいはもともと販売されている（紙状の持ち運び用石鹸など）という社会が日本なのだ。
現在は感染拡大が過去最高になっていてGO TOキャンペーンの中止や飲食店が槍玉にあがっているものの、感染率のグラフを見てみると去年の11月から急上昇していることは明らかで、同月からの外国人の入国制限緩和が一原因であることは否めない。
メディアも政府も海外からの人の流れにまったく言及しないのは不条理で異常としか言いようがないのだが、これはどうしたものか。
とはいえ、先に述べたように日本の感染率は先進国比でみればまだまだ最低レベル。
大国アメリカを見てみれば世界最悪の感染率で、いっこうに落ちつく気配がない。アメリカの国土は日本の25倍だが、人口は日本の2.6倍しかないので、ソーシャルディスタンスは物理的には十分すぎるほど保たれるはずなのに。
それなのに何故アメリカは感染がこれだけ拡大したのだろう。
遺伝子的な理由や医療上の理由は科学者や医療研究者が長い期間データを分析して調査しなければ判らない。
しかし私の米国人夫の行動様式を観察してみると「アメリカで感染が広がるのも当たり前」と思うことばかり。
科学的な要素を除けば、アメリカ人の日常の生活様式や行動様式が感染拡大の理由のひとつになっていると確信している。
感染拡大を助長しているアメリカ人の生活様式や行動様式にはこのようなものがある。
- 帰宅後すぐに手を洗わない
- うがいをしない
- 使用済みマスクの外側を手で触る
- 使用済みマスクをジャケットのポケットに入れて再利用する
- ポケットに入れておいたマスクを2日連続して使用する
- 現金を触ったあとに手を洗わない、消毒しない
- 土間に裸足（靴下）でおりる
- 家の中で土足
- 同じ服を連続して着る
- 電車のつり革、エレベーターのボタン、ハンドルを触ったあとに手を消毒しない
- 週末に集まってBBQやパーティをする
- 話好きで会話量が多い（英語は基本的に日本語の2倍の量を喋る）
私の夫は綺麗好きな方ではあるが、それでも上記の項目に幾つも当てはまる。ウイルスへの衛生観念の違いから夫婦喧嘩も頻発した。
さらにアメリカの社会情勢の観点や考え方・価値観も含めてみると、このようなものが考えられる。
- マスクをしてればかからないと思い込んでいるので、マスクを着用して3密での飲食や社会活動を続ける
- あるいはマスクは効果がないと思い込んでいるので、全くつけない
- マスク着用を巡って口論になる
- デモに参加して大声をあげる、喧嘩をする
- 「まあ大丈夫だろう」という楽観的な考え方
- 細かいことにこだわらない大らかな気質
- 自由を制限されることへの強い拒否感（中央集権的な強制力を毛嫌いする）
感染を防ぐにはウイルスへの暴露リスクをどれだけ減らせるかが肝要であり、無論「これをしたから感染はしない」というものではない。
人がいるところではマスクを着用する、手洗いうがいを徹底する、手を触れたら消毒する、手で顔を触らない、ソーシャルディスタンスをなるべく確保する、感染していないと確証を持てない人との会食・飲食はなるべく避けるといった二重、三重の対策をすることで感染リスクを減らすというのが正しいわけだが、アメリカではまずこれは期待できないと思う。元来、アメリカ人は大らかで細かいことにこだわらない気質だからだ。
また、個人の利益を最大限に追及する自由が保障されている国だと国民が信じているので、とりわけ上から押し付けられる自由の制限には異常なまでの反発心を見せるのがアメリカだ。
アメリカの感染拡大には背景に複合的な理由が存在するが、ざっとまとめると上記のようになると思う。
昨日、カリフォルニアに住む夫の三世代友人家族がコロナに感染したことを知った（私は面識がないのだが）。感染経路は明らかではないようだが、家族のひとりが親戚のパーティに参加したそうなので、そこからウイルスを背負ってきたのだろうと推測している。
パーティでマスクは付けていなかったそうだ。
残念なことに、その友人の父（56歳）は1月4日に亡くなった。
