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ポストコロナの新世界:アメリカは中国排除へ。日本は脱中国なるか?

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この一週間、日本国内での感染者数が著しく減少してきた。やっとトンネルの出口の光が見えてきそうだと安堵しているところに、こんなニュースが飛び込んできた。

政府は新型コロナウイルス感染症の収束をにらみ、抗体検査やPCR検査いよって非感染が確認されたビジネス渡航者に「陰性証明書」を発行し、中国などへの渡航を容認する方向で検討に入った。

その数日前には、中国人の来日を中国政府が打診してきたというニュースもあった。

さっそく中国との人との往来を解禁しようとしているのだろうか。

 

コロナ禍にいちはやく動いた台湾、アメリカ

コロナウイルスの脅威が世界に知られ始めたのは1月半ば。いちはやく動いたのは台湾とアメリカである。台湾は12月31日に武漢市から原因不明の肺炎の集団発生が報じられるやいなや、ただちに防疫へと動いた。1月24日には中国との人の往来を止め始め、2月6日に中国本土からの入国を全面禁止にした。

また、台湾はマスクの輸出禁止や国外への持ち出し禁止、高値転売の禁止を1月24日に打ち出し、中国人による買い占めにも早々に手を打った。2003年のSARSで初動に遅れた教訓を生かした台湾は、5月16日現在、感染者数440名、死亡者7名と最低水準を保っている。

今回のコロナウイルスに対する台湾の初動の早さは、2019年に香港で起きた「逃亡犯条例改正案」に反対する長期大規模デモが台湾の念頭にあることも影響しているのだろう。中国共産党と戦う香港を目撃し、台湾は中国共産党に怒りを覚えたはずだ。台湾では2020年1月に民主主義を掲げる蔡英文が再選されている。

アメリカは1月30日に中国全土への渡航禁止、31日に中国にいるアメリカ人7万人を退避させた。現在アメリカは世界最大のコロナウイルス感染者数となってしまったが、初動対応は早かったのである。

日本はというと、一般人の中でもコロナ肺炎への危惧が高まっていたなか、1月24日春節前に安倍首相が中国へ歓迎メッセージを送るなど頓珍漢な対応が目立った時期だった。日本の感染者数・死亡者数が低いのが幸いだが、検査数を抑えていることや日本人が対コロナウイルスへの免疫が高いという希望的な可能性を除くとすると、それは日本人の活動自粛や高い衛生知識、高度な医療体制など、政府の対応以外に帰するところが大きいはずだ。

 

米中貿易戦争はアメリカの中国排除の一環

アメリカは2018年頃から中国と貿易戦争を激化させているが、アメリカの中国への一連の対応は単なる貿易戦争ではなく国防に関わる動きである。

中国の「千人計画」(一説には1000人どころか世界で6000人とも言われている)や、「統一戦線」といった中国のスパイ工作や世論工作についてのレポートがアメリカ議会に提出され、中国の世界覇権への企みがアメリカにもよく知られることとなった。アメリカは中国を脅威とみなし、明確に中国排除へと舵を切ったのである。

ノーベル賞候補者であるハーバード大の教授らが中国との関係を隠していたり研究費を受けていながら報告していなかったことなどが明らかになり、100人もの研究者や教授が刑事訴追されている。また、米大学に在籍する中国国籍の研究者や教授らも捜査対象になっており、米大学や研究機関から中国人研究者や教授らが今後排除されていくことも考えられる。

トランプ大統領はアマゾンが自国の小売業を破壊しているとかねてから厳しく批判しているように、中国との関与が深いGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazonの巨大グローバル企業4社)などのグローバル企業は、今後アメリカ政府から厳しく監視されていくことが予想される。グローバル企業は、巨大市場を内包しグローバル化とともに巨大化してきた中国との関係が深い。アメリカ議会は、香港や台湾だけでなく、最近はウイグルにまで視点を延ばしたことで、自治や人権の侵害といった点からも、GAFAに代表される巨大グローバル企業の監視をより一層強めていくだろう。

アメリカが中国企業ファーウェイに捜査の手を伸ばしたことは大ニュースになったので、覚えている方もいるだろう。アメリカにはEL(エンティティ・リスト)と呼ばれるリストがある。このリストに掲載されると、アメリカ企業との取引は禁止される。つまり、実質的な禁輸措置リストである。

リストにはファーウェイ、センスタイム、ハイクビジョン、ダーファ(天網という中国の社会監視ネットワークを担う会社)など中国企業100社以上、ウイグル自治区の公安機関、警察学校などが含まれている。(なお、センスタイムはアリババやソフトバンクグループが出資していて、ソフトバンクは法人を日本につくって妨害しており、代表の孫正義氏が中国の手先であると批判されている。)

日本人が大好きなTikTokも米軍が使用を禁止していることはこのブログでも紹介した。

エンティティ・リストは、アメリカ原産技術が25%以上含有されている製品の利用を禁止するものだ(人的な技術供与も含む)。これは第三者にも適用される。つまり日本企業であっても、アメリカ原産技術を25%以上含有している製品を制裁対象企業に輸出することはできない。

万一、日本企業がこれに反すれば、日本企業も制裁対象になる。アメリカは国益を守るため、国防に関わる技術や極秘情報、知的財産を中国にこれ以上盗まれないよう完全武装し始めたということだ。(アメリカの一部議員の間では25%を10%まで引き下げるという動きも出ている。)

 

韓国を見限り、台湾に接近する米国

2019年7月、日本が韓国への3品目(フッ化水素、レジスト、フッ化ポリイミド)の輸出規制を行い、8月に韓国をホワイト国から除外したのも、 安全保障にかかわる技術の流出を防ぐためにアメリカと連動した動きだ。

日本がホワイト国除外へ踏み切った韓国側の「不適切な事案」には、このようなものが含まれる。

  • 中国向けにフッ化水素を再輸出(前提許可と異なる)
  • 不良品として返品されたフッ化水素が行方不明(日本側の輸入統計に計上されていない)
  • 大量の機微品目の不正輸出(2015年以降、156品目以上の不正輸出事案)
  • そのほか(中国への炭素繊維の不正輸出、北への石油精製品持ち込みなど)

つまり、中国や北朝鮮への不正輸出が問い正されているということだ。

日本政府は3年にわたって韓国の文大統領に輸出管理体制の改善を依頼してきたが、文大統領は対応する姿勢を見せないどころか、ホワイト国除外を徴用工問題の報復措置と捉えるなど、見当違いの応答に終始するばかりである。

また、韓国がアメリカ製の弾道ミサイルを北朝鮮に横流ししたとも伝えられている。

ソウルのアメリカンスクールは2018年に閉鎖されており、ソウルにはもうアメリカ人はいない。アメリカが従北・従中・無法な韓国を見限るのは時間の問題かもしれない。

他方、アメリカは香港と台湾の民主主義と自治支援に明確な意思を表明している。2018年、米国は台湾に新庁舎を落成したが、これは事実上の在台米大使館だ。アメリカは台湾を国家と表記し、「ひとつの中国」を打ち破る姿勢を見せている。

台湾と断交した中米の国々から大使を一時召還したり、台湾旅行法を成立させたり、台湾への武器供与を再開させたり、台湾擁護はこれまでにないほど手厚いが、それだけ対中危機感が強いことの表れともいえる。

アメリカは韓米同盟を見限り、日台米の連携を強固にすることで対中の外堀を固めていると言えよう。

 

日本は脱中国を実現できるのか?

中国にどっぷり依存していたEUも、コロナショックによりアメリカと足並みを揃えていく可能性がある。

イギリスは親中だったキャメロン政権で2015年に習近平を国賓待遇したが、エリザベス女王の「習近平は無礼」発言のち、間もなく保守派のボリス・ジョンソンが選出された。ブレジグット(EU離脱)を果たした海洋国家のイギリスは、アメリカの「航行の自由(Freedom of Naviation)」作戦にも参加し、香港と南シナ海でのプレゼンスを増やしている。

中国への依存が高いEU諸国は完全に脱中国を果たすことが難しいだろうが、今回のコロナウイルスがきっかけでチャイナリスクを見直す動きが出てくるだろう。とりわけ医薬品や日用品を他国に依存しすぎることの危険性は、どの国も学んだはずであり、国内回帰の声が増えるはずだ。

日本は2020年4月に習近平国家主席を国賓として招待するはずだった。中国への忖度でコロナウイルスへの初動が遅れたのか、単に危機意識が甘くて遅れたのかは分からないが、コロナ禍が収束した暁には、習近平をふたたび国賓招待する気なのだろうか?

3月5日、安倍首相が中国への依存脱却、国内への生産回帰とASEANへの分散を国策に表明したのは注目に値する。しかし、冒頭の中国との人との往来を早速解禁しようとする動きや、習近平の国賓招待が中止ではなく延期となっていることから、日本政府内や経済界には未だに強く親中派が残存していることが伺える。

9万人近くの死亡者を出しているトランプ政権の米国は、コロナウイルスを隠蔽して世界にウイルスをばら撒いた中国の習近平を、同盟国の日本が国賓招待することを黙って見ているだろうか?

早々に中国との往来を開始しようとする日本を黙って見ているだろうか?

果たして日本は、米台と足並みを揃えて、脱中国に動くことができるのだろうか。