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【ターミネーター:ニューフェイト】あらすじ感想ネタバレ:キャスト、エドワード、敵

ターミネーター:ニューフェイトあらすじ感想ねたばれ

ターミネーター:ニューフェイト

遅ればせながら「ターミネーター:ニューフェイト」を観てきました。

観た人、どう思いましたか。

ターミネーターの創始者ジェイムズ・キャメロンがやっと手をつけることができたターミネーターの新作は、ターミネーター3・4・5をすっ飛ばして「ターミネーター2」の正当な続編という鳴り物入りで登場しました。

果たして映画はどんな感じに仕上がっていたのでしょうか。

 

【ターミネーター:ニューフェイト】作品情報

原題:Terminator: Dark Fate

公開年:2019年

監督:ティム・ミラー

出演:リンダ・ハミルトン、アーノルド・シュワルツェネッガー、マッケンジー・デイヴィス、ガブリエル・ルナ、ナタリア・レジェス

上映時間:128分

ついにターミネーター6作目となります。

邦題がニュー・フェイトだから原題もNew Fateだと勝手に思ったら、原題はなんとDark Fateなんだってみんな知ってた?なんで変えたんだろう。ダーク・フェイトだと暗そうだから、少しでもポジティブムードにしようと思ってニュー・フェイトにしたんだろうな、そうに違いない。真実を隠そうとするような小賢しい真似はしないでください!

創始者ジェイムズ・キャメロンは「ターミネーター2」までしか監督をしていないので、「ターミネーター2」以来の正統な続編ということになります。但し、キャメロンは本作では監督ではなく製作総指揮で、監督は「デッドプール」やアニメを主に手掛けてきたティム・ミラーが担当しました。

ここでターミネーターの内容を思い出せるだけ思い出してみようかな。

ターミネーター(1984年):ジョン・コナー胎内期。人類VSマシン戦争が勃発した近未来で、人民のリーダー「ジョン・コナー」をのちに出産することになるサラ・コナーを暗殺するため、ターミネーターT-800型のシュワちゃんが未来から送られてくる。未来のジョン・コナーはサラを守るために後に実父となるカイル・リース(マイケル・ビーン)を送る。

製作費わずか640万ドルで、最初はB級アクション扱いだった「ターミネーター」は大ヒットを記録し、シュワちゃんを一躍スターダムに押し上げた。ジェイムズ・キャメロン監督はこの前の監督デビュー作「殺人魚フライングキラー」が酷評されたために(私好きだけど…)発熱するほど怒ってから3年後のこの巻き返し。

ジェイムズ・キャメロンはマイケル・ベイ並みに強硬な完璧主義者らしいので俳優にも容赦がない。シュワちゃんはターミネーターの体からの煙を出すために酸まで掛けられ、「ほかに方法があったのでは…」とこぼした。ちなみにマイケル・ベイは度々俳優からクレームを受ける(が一向に介さない)。「トランスフォーマー」のミーガン・フォックスからは「ヒトラーみたい」と揶揄された。

若き日のサラ・コナー(リンダ・ハミルトン)。アンニュイな表情が特別可愛かった。

逃がしませんよ

サラ・コナーの守護神カイル・リース(マイケル・ビーン)も健闘

ターミネーター2(1991年):ジョン・コナー少年期。ジョン・コナー暗殺のため今度は新型ターミネーターT-1000型(ロバート・パトリック)が送られてくる。人類はジョン・コナーを守るために今度はT-800シュワちゃん型を送ってくる。サラ、ジョン、T-100シュワちゃんはサイバーダイン社をテロ破壊して人工知能スカイネットの痕跡をすべて消す。それには勿論T-800のシュワちゃんも含まれるので、シュワちゃんサムズアップして溶鉱炉に入ってく。

「リンダ・ハミルトンとマイケル・ビーンに似ているから」という理由で1000人以上の応募者の中からキャメロンにジョン・コナー役に抜擢された当時無名の少年エドワード・ファーロング(左)

普通にしてたらエルフ系イケメンのロバート・パトリック、悪役ばかりやらされる

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ムキムキに肉体改造した母ちゃんサラ・コナーが最高にクール

ターミネーター3(2003年):ジョン・コナー青年期。社会の底辺のクズ男になっていたジョンを暗殺するために女のターミネーターT-X(クリスタナ・ローケン)が送られてくる。クレア・デーンズを巻き込みながらT-800シュワちゃんが二人を助けるが、最後は審判の日、人類VSマシンの戦いが始まる。激しくズッコケる。

ターミネーター4(2009年):ジョン・コナー中年期。人類とマシンがずっと戦っている時期。サム・ワーシントンが主演。最後の方にCGのT-800シュワちゃんが出てきて気分がアガる。面白かったけど内容はほとんど覚えていない。

ターミネーター新起動/ジェネシス(2009年):ゲースロのデナーリス(エミリア・クラーク)がなんとなく微笑んでいるやつ。観てないけど、邦題が最低過ぎて内容がお察しできる感じ。案の定酷評の嵐で、当初トリロジーとして企画されていたが続編2作をパラマウントが没案にしたらしいので、よっぽど酷かったのだと推測。

 

【ターミネーター:ニューフェイト】あらすじ

ある日、未来から来たターミネーター“REV-9”(ガブリエル・ルナ)が、メキシコシティの自動車工場で働いている21歳の女性ダニー(ナタリア・レイエス)と弟のミゲルに襲い掛かる。ダニーとミゲルは強化型兵士のグレース(マッケンジー・デイヴィス)に救われ、 何とか工場から脱出した。そして彼らをしつこく追跡するREV-9の前に、サラ・コナー(リンダ・ハミルトン)が現れる。

シネマトゥデイ

 

【ターミネーター:ニューフェイト】感想(ネタバレあり)

ジェイムズ・キャメロンは脚本や編集には携わったものの、撮影現場には殆ど足を運ばず、ミラー監督の指導を邪魔しないようにしたらしい。しかし二人は創作上の不一致でかなり激しい衝突を繰り返したようだ。

そこで思い出されるのが、キャメロン脚本、ロバート・ロドリゲス監督による「アリータ:バトル・エンジェル」である。目が異様にデカいCGの女の子が暴れまくるだけの映画と高を括って観たらアリータが可愛くて夢中になる人間が大量発生した映画(でもまだ観てない)だが、ロドリゲスはどんなことでもキャメロンを信頼して指示を仰ぎ、キャメロン色を出したいと考えていた。一方キャメロンもロドリゲス監督を信頼し、彼に思うように監督してほしいと考えていたので相思相愛。映画も大ヒットし、万事オーライという好結果を残した。

ところが本作のティム・ミラー監督とは創作上の不一致で血みどろ沙汰になったとも証言している。キャメロン監督はミラー監督のことをリスペクトしながらも「彼がやりたいことはわかるが、わしだって伊達にこの業界に長くいるわけじゃあないんですよ」と言っておられたので、ロドリゲス監督と過ごした時間と同じようにはいかなかったのかもしれない。そんな二人の関係を想像しながら鑑賞してみるのも良いかと思います。

前述の通り、キャメロンは「ターミネーター3」以降には関与していないので、あらすじは「ターミネーター2」のその後に直結している。予告を観ればわかるように、ターミネーター以外には女性の姿しか見えずジョン・コナーが居ない。そこから導き出される筋書きは2つ、ジョン・コナー以外の未来のリーダーを紹介しているか、ジョン・コナーが死んだかである。

悲しいかな、その2つの筋書は両方とも正解。少年ジョン・コナーは隠れていたT-800型に殺されてしまうので、本作は少年ジョン・コナーが死んだ後のターミネーター3・4とは別のパラレルワールドになっている。

ちなみに「ターミネーター2」でサイバーダイン社がターミネーターを製造できるような部品はすべて破壊したはずなので物騒な人工知能「スカイネット」は消滅したはずだが、未来はスカイネットではなくリージョンという新たな人口知能と戦っているらしい。これ何しても人民VSマシンの戦争は避けられないってことじゃん。

ジョンが死んだので、別の未来のリーダーとなる女性がリージョンに狙われることになります。狙われる女性はメキシコに住むダニーことモブキャラ。2019年の私たちが生きる現在って、たとえば米軍内ではいまだに本心では同性愛者でさえ受け入れていない兵士が多いのに、155cmの有色人種女性が荒廃したアポカリプス世界でリーダーてのは非現実的だよなー。今の現実社会でならわかるけど。夢はあるが空想の絵空事に甘んじてる感が否めない。

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未来の人類抵抗軍のリーダー

これを守るのが強化人間のグレース、178cm。

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強化人間グレイス

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ファッションセンスとかカラーコーデとかアイラインとか色々とおかしい

未来の戦いで負傷した人間は志願して強化人間になることができる。体の一部をマシンにした感じなのでサイボーグみたいなものだろうか。ターミネーター新型まではいかないが、瞬発的に超人的なパワーを出せる。

しかし短期的な戦いにパワーを集中させるので身体を酷使する。よってスタミナがなく、パワーを使い尽くすと気絶する。けっこう簡単に気絶するので、レイスがいつ気絶してしまうのか割と気を遣います。

ダニーを殺すために送られてきたのは新型ターミネーターのルナ君です。のび太君みたいにコピーロボットを1体作れます。ルナ君は黒い液体金属です。タンタルででも出来てるのか?

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ルナ君(左)と右はルナ君のクローン

もともとジェイムズ・キャメロンはターミネーター役に「ひ弱でか細くて殺人マシンに見えないような人間」を起用しようと思っていたものの、シュワちゃんと話して気が変わったわけですが、2作目では細見のロバート・エルフ・パトリックを起用しているし、今回もやせ型のルナ君だったので基本的にはミニマム系をイメージしているのでしょう。

そんなキャメロン監督の思惑に反して、蓋を開けてみたら一番人気があったターミネーターはシュワちゃんという巨体だったけど、シュワちゃんの下手くそでぎこちない英語(シュワちゃんは元々オーストリア人)がロボット役にピッタリだったり、シュワちゃんの存在感・カリスマ性だったりのおかげというのもある。

さて強敵ルナ君とそのクローンに挟まれ四面楚歌のときに登場するのがサラ・コナー、168㎝である。サラはジョンを殺された後、何者かが送信してくるメッセージをもとにターミネーターを成敗していた。

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サラ・コナー/リンダ・ハミルトン63歳

リンダ・ハミルトンは63歳にしてはシワが多く老けて見える。でもターミネーター2で戦う女戦士と化したリンダは当時35歳。今回の守護神グレイスは33歳なので、ほとんど年齢は変わらないのに、今の世代の方がお子様に見えてしまうのは何故なのか。

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リンダ・ハミルトン35歳、色気と強さが滲み出る

だいたい昨今の映画に出てくる「強い女性」て、肉体を鍛えて「こなくそー」て言っているキャラばかり。表面的な強さばかりフォーカスされていて、内から出てくる強さというものがまったく伝わってこない。

サラ・コナーにターミネーターの位置を知らせている謎の人物の居場所と、グレイスが「困ったときはここへ」と未来の人民軍から腹に入れ墨で入れられた場所が一致する。ルナ君の攻撃をひとまずかわしたあと、一行がその場所へ行ってみると・・・いたいた。

カールおじさんが。

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ヤー!

カールおじさんはこう見えてもターミネーターです。

・・・

ていうか・・・

なにちゃっかり年とってんだよ、このロボット!

カールなんて名前つけちゃってるし。

しかも、

人間の女性と結婚してた。

時代に合わせて、何でもありになってきたみたいです。

あぁそうだよね。陸橋に突然どでかい穴ができてそこから全裸の178cmの女性が落ちてきたら普通はびっくりするわけだけど、睦事中のメキシカンのアベックは「助けなきゃ」なんつって普通に助けてるもんなー。度胸が違うな。それとも現代の若者はもはや何を目撃しても驚かないとでもいうのか。

人間ライフを満喫しているカールおじさんことターミネーターは、わざわざ「あっ、夜の方の営みはもちろんないよー。僕マシンだからね!そこまではできないねー」と要らんことまで説明する。

まさかここでターミネーターのセックス事情について語られるなんて...そもそも聞きたくないから。

ジョン・コナーを殺したことに対する罪悪感だとか、結婚した女性とその息子を守ってあげなくちゃ、といった感情も芽生えたらしい。

「ターミネーター2」ではジョン・コナーとターミネーターの関係が父子のような絆にも見えてきたし、ジョン・コナーの涙を拭って「人間が涙を流す理由がわかった」と理解は示しているので、ロボットに感情を持たせるというオプションを排除せよとはいわないけど…こんな急速アップグレード…ターミネーターからロボット感を奪って一体何をしようとしているのだろうか。

ロボット感のないターミネーターなんて見たい人いる?サラ・コナーたちと一緒に庭でビア飲みながらくつろぐターミネーターとか見たい?こんなの「テキサスチェーンソー」のレザーフェイスが続編で獲物の女性に恋しちゃったのと同じじゃんか!(「レザーフェイスが恋してどうすんだ」「レザーフェイスの恋愛なんか誰が見たいかボケ」とホラーファンがお怒りになったのも無理はない。)

「ターミネーター」がヒットしたのは、タイムトラベルで未来のリーダーを殺しにロボットがやってくるという斬新なあらすじだけでなく、感情を一切持たないターミネーターが見せるロボット特有の冷たさ、冷酷さ、非情さ、死ぬまで任務を遂行するマシン感に恐怖を感じたからであって、ロボット感を失ったターミネーターに魅力などない。勝手にロボット温めてんじゃねえー。(ロボット感が感じられないという意味で「ターミネーター2」の液体金属も実はあまり好みではありません。)

半分マシンになったグレイスや感情を覚えたターミネーターといったようにロボットと人間の境界を曖昧にした多様性と不法入国したメキシコ人女性を未来のリーダーの座にして戦う女性を主人公にして男性はサポートに回ったりするフェミニズムという、新時代を象徴するイマドキの二大ポリコレ映画になってはいるけれど、皮肉なことにポリコレを提唱すればするほど映画が凡庸になっていく現象を芸能界は一体どう考えているのですか。ターミネーターからロボット感を奪ってもポリコレを押し通したいのだろうか。

ダニーという特別じゃないごく普通の凡人のモブキャラがリーダーになって偉業を成し遂げるというのも、凡人でも偉業を成し遂げられる!あなたにもできるはず!エブリボディ・イズ・スペシャル!メッセージです。平凡な私たちがこれにどう感化されるというのか。平凡な私には平凡な私なりの生き方っていうものがある。誰もかれもがリーダーになりたい願望を持っているわけではないし、偉業を成し遂げたいと思っているわけではない。ガーデニングに精を出して美しい花を咲かせることや、家庭を守ること、子供を産んで育てるといった事はスペシャルじゃないですか?人々を鼓舞して逃げずに戦わないとダメですか。多様性を推進しているわりに女は(男より)強いという1つのロールモデルに固執し、異なる意見は認めようとしないという矛盾と排他性。

生まれたときから母に訓練を受け、ストリートスマートさを身に着け、審判の日に備えていた少年ジョン・コナーを、いつの間にやら私たちの知らないところで他にも送り込んでいたターミネーターにあっさり殺させた代わりに、「特技は言葉による和解とモチベーションを起こさせるスピーチです!」という21歳の極小女が人類の希望を背負って立つと言われても…TPOが合っていないどころじゃない程の大きなズレ。結局ターミネーターの映画を製作したいというより女性のエンパワーメント映画を作りたいだけやないか。

ターミネーターのシュワちゃんに「男は女をサポートする役割に徹するべきですね!体の関係がなくていいんですよ!これからはそういう時代!」とか広告塔までやらせる始末。体の関係はなく男が女のサポートに回る。人類史上、そんな世界があっただろうか。

昨今の映画のトレンドってヒットした大作映画の続編に多様性かフェミニズムというポリコレを入れる一辺倒な映画ばかり。MIBの新作続編では2ブロの1人を女性に変えたり、ゴーストバスターズをオールウーマンにしたり、ディズニーのアリエルを黒人黒髪女性に変えたり、ジェームズ・ボンドを女性にしたり…ポリコレありきの映画になっている。

本当はあまり言いたくないけれど、もっと細かいこと言ってやろうか?一行がアメリカメキシコ国境で捕まって拘留されたとき、強化人間グレイスが「囚人(prisoners)はどこ?」とICE(国境警備隊)に尋ねると、ICEが「囚人じゃなくて、拘留者な」とポリティカリーコレクトする。

さらにそこへルナ君がやって来てICE人員を100人斬りする。ぼーっと見てれば普通の殺斬シーンであろうが、いまこれだけ国境に不法移民が押し寄せてICEを「殺人者」と呼んだりICEの不祥事を吊るし上げたり難癖つけて糾弾しているこのタイミングでICE斬りとなると、アメリカ人ではなくともどうしても政治的な意図を感じてしまう。

クリント・イーストウッドの言葉を読み返して噛みしめてみよう。

"I'm never cautious about what I say because, you know, I've been around a long time, what can they do? The political correctness era that we're in is really not doing anyone any good. It's taking everyone and weakening society. It doesn't seem that people have to take themselves so serious. It seems like, I'm just lucky that I grew up in an era where we all lived in an area where everybody joked about everything. Nothing was politically incorrect because everything was always a joke with a sense of humour. People sometimes are losing that and taking themselves and everyone else seriously. I think they're missing a lot and not enjoying the differences that we all have."

クリント・イーストウッド

心なしか、スクリーン上のシュワちゃん、リンダ・ハミルトン共に情熱ゼロ。金のためにやっているんだろうなーという大人の事情を疑ってしまう。

T1、T2の正統な続編ていうかむしろT3、T5ジェネシスの正統な続編ていったほうが近いよな。

終盤、お決まりの工場での戦いでは、軍から手に入れた電磁パルスが壊れてしまい、打つ手なしかと思われたところで、グレイスが「自分の体内にある動力源のパワーパックをルナ君に突き刺してショートさせればオケ」とか宣うので、突き刺したらルナ君あっさりターミネートする。

よく見ると…よく見なくてもこのパワーパック、突き刺すのに最適な形状してる…というかもはや突き刺してくれと言わんばかりの突き刺しシェイプ。…最初からこのパワーパックを何本も持ってきてればいい話じゃない…?

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ジョン・コナー近影。美形なので痩せればカムバック可能