ミセスGのブログ

海外ドラマ&映画の感想をパンピー視点で書いてる。

【ボディガード 守るべきもの】シーズン1感想:後半しくじり、つまらなすぎ

ボディガード守るべきシーズン1あらすじ感想

ボディガード守るべきもの

Netflixオリジナルドラマ【ボディガード 守るべきもの】シーズン1を見た感想です。

第1話と第2話を見た感想を先日書いてあるので、未見の方はそちらを読んで頂いたほうがいいかもしれません。こちらはネタバレしてるので、もしよかったら見終わってから戻ってきなさい、ね。

結論からいうと1話と2話をみたら、「ああめでたし」と思って観るのを辞めてもいっこうに構わない。そんな代物だ。

ところで本作はもともとはイギリスBBCの作品だけど、Netflixオリジナルドラマになっているね。

 

【ボディガード 守るべきもの】あらすじ

テロ攻撃を阻止した功績を評価され、女性閣僚の警護を任命された退役軍人の警察官。だが、守るべきその要人は、彼が抱いている葛藤を生み出す政策の推進者だった。

Netflix

現代のミラクルボーイこと主人公デビッドが守る要人は、イギリスのジュリア・モンタギュー内務大臣で、彼女はRIPA18と呼ばれる新しい対テロ対策法を議会に推している「タカ派」である。

デビッドも含めて彼女のこのテロ対策法には反対派が多く、第2話でモンタギュー内務大臣が銃撃される。デビッドのおかげでモンタギュー内務大臣は命拾いするが、その後もモンタギュー内務大臣はテロリストに狙われる、といった具合のお話なんですが。が!

 

【ボディガード 守るべきもの】シーズン1の感想

デビッドを演じるリチャード・マッデンは、デビッドの多面的な部分をうまく表現できていたように思う。有能で冷静さを失わず、決して表情を変えることはない職務上の顔を持つ一方、PTSDを抱え、アルコールに溺れ、メンタル不安定な顔と、誰もが大なり小なり抱えている二面性にも説得力がある。

PTSDを抱えた元軍人というと、必ずイラクやアフガンの過去回想シーンが挿入されるものだが、本作ではデビッドの過去については一切描かれない。アフガンで何かが起きてデビッドたち軍人が身体にひどい火傷を負うという描写に留まっているが、これが想像力を掻き立てる。PTSDの原因となった出来事が本筋に関わってくるわけではないので、無駄を排除したのは正解だった。

ちなみに派兵された軍人にPTSDが多いのは本当で、私の夫もPTSDがあり、VA(退役軍人省)で定期的にカウンセリングを受けるよう言われている。旦那はほぼ無視しているが。

ふだん彼のPTSDが表出することはないのだが、ひとつだけ注意しなければならないことがある。このドラマでもデビ坊がジュリア・モンタギュー内務大臣と悶着していたシーンがあったが、元軍人が寝ている時には絶対に頭の近くに立ってはならない。

私の旦那にもそれは言われていて、寝ている時に暗闇で頭の方に立つと、彼らはものすごい反応を見せる。私はついうっかりやってしまったが(無事)、そういうわけで、起こすときには足の方を蹴るように、と言われた。

ちなみに私も別のPTSDがあって、逆に足元に立たれたり、足元のほうから忍び寄られると物凄い勢いで飛びあがるので、旦那にはそうしないように伝えている。

第1話と第2話は、デビッドの沈黙やセリフの交わし方、間の取り方、視線や視線の先などの細かい描写が、私情はともかく職務に忠実にターゲットを守るというデビッドの信念も確認できるし、デビッドというキャラに深みを与える。さらに、背後になにか大きな陰謀が渦巻いていてこれから何かが起こるに違いないという胸騒ぎさえ堪能できるのだ。

デビッドの「マーン」連発にも笑かしてもらった。

視聴者はきっと何故このデビッド・ボーイはことあるごとにマーンマーン言っているのかと不思議に思っていただろう。

マーンを聞きなれない方に説明しておくと、マーン(マーム)は女性を呼びかける時の丁寧語であり、madam(マダム)のdが消失したものだ。男性だとsir(サー)になる。警官や政府などauthorityにあたる組織では、上官の女性をマーン、あるいはマンと呼ぶ。一般人でも、失礼のないようにマーンやサーと呼んだりする。

1話、2話、3話の途中までのデビッドは寡黙でデキる男なので、セリフも少なく、イエスの代わりにこのマーンを愛用する。これほどマーンを連発したキャラはドラマ史上他に類を見ない。

女上司:電車の自爆テロをよく止めたわね、ありがとう。

デビ坊:マーン

女上司:内務大臣の護衛お願いね。

デビ坊:マーン!

女上司:内務大臣について何か情報掴んだら教えてね。

デビ坊:マーン・・・

女上司:あなたは利害関係者だから、しばらく停職処分よ。

デビ坊:マーン???

といった具合だ。

日本語の「すみません」より便利な言葉、それがマーン。

デビ坊は、イエスを言わずにマーンを言うので、私もPCスクリーンの前で一緒になってデビ坊と一緒に「マーン」を言おうとすると無言になったりするので頭にきたこともある。

しかし後から考えるとデビッド・ボーイの「マーン」の頻度が多ければ多いほどこのドラマは面白く、マーン頻度がぐんぐん下がり始める3話以降はとたんに面白くなくなってきた。つまりデビッド・ボーイのマーン頻度が、ドラマの面白さ指標であったといっても過言ではない。

f:id:oclife:20181027153833j:plain

マーン全盛期

マーン全盛期は髪型も元気だ

f:id:oclife:20181027153953j:plain

マーン衰勢期

f:id:oclife:20181027154052j:plain

マーン衰亡期

デビ坊がマーンを言うのに疲れ始めた第3話からは、knoriさんが「疲れてき」たと仰ったように、途端にドラマのプロットに穴が散見し始め、説明に頼りがちになり、最初の方の魅力が失われてしまう。

3話以降は恥ずかしいセリフも多く、時折見ているのが苦痛になった。とりわけ最終話の自爆ベストシーンは長ったらしく、おかしなセリフばかりで見るに堪えない。

3話以降は誰がモンタギュー内務大臣を狙ったのか、陰謀を画策したのは誰か、次から次へと疑わしい人物を仕立て上げて空振り、というシーケンスを何度か繰り返す。さながらABCのプリティ・リトル・ライアーズのように。私はこの手の「さあ誰でしょう」系サスペンスが嫌いである。何故なら後知恵がいくらでも利くズルい方法だからだ。

残念ながらこのドラマもまんまとその方法にハマッてしまい、整合性をとるために警官たちにアホなセリフを言わせたり、アホな言動をとらせたりする。

そもそもデビ坊とモンタギュー内務大臣との情事も必要なかったのに、コスナーとホイットニーを意識してなのか無理やりロマンスに仕立てていて、第3話はフィフティ・シェイズ・グレイとかなんとかみたいにラブシーンが多かった。

f:id:oclife:20181027152300j:plain

エレベーターの中でもやり出すんじゃないかと気が気がじゃない

残念だがこの二人にはまったくケミストリーが感じられず、デビ坊がモンタギューを大事に思っていた描写もないのに「ジュリアを殺した奴を見つけるんだ!」なんて力説されても、まったく説得力がない。

3話~6話で出演回数が増える女刑事は、尋問でも熟練した話法を見せたり、デビ坊を信じて協力したり、心配したりするキャラであり、PTSDがあってちょっとメンタル危うく視聴者も疑うデビ坊というキャラを唯一信じようとする人物として生かせるべきなのに、内務大臣を射撃したスナイパーがデビ坊のかつての軍人仲間であることを知った途端に頭に血がのぼって「あいつが犯人やー!内務大臣を殺したのはあいつやー!」と部下を総動員する。魔女狩りのノリだ。

女刑事が当てにならないと思った私たちは、女刑事の相棒で、それまでデビ坊を目の仇にしていた正義感溢れる男刑事が不可思議な表情を浮かべるので、そいつにデビ坊の生死を託すのだが、この男刑事も自爆ベストを着たデビ坊を前に「うーん…どうする?信用できる?ベスト外す?外さない?」「どうしよっかぁ?」「わかんないなぁ」と同僚とコソコソ内輪話をしていてお話にならない。

おまけに自爆ベストを着たデビ坊を置きざりにしたまま「実はさぁ、俺、上司のあの人が実は黒幕なんじゃないかと思っとるんよね」とか女刑事にいっておきながら何もしない呑気ぶりである。

デビッドが血だらけになっていることにも誰も気づかず、聞こうともしない。

さらに忘れた頃に出てきた陰のキーマン、ナディアのプロットもおかしい。ふつうに考えても、自爆ベストの作り手は本人自ら自爆テロなぞしない。テロリストにとっては爆弾の作り手は、爆弾をその後もいくつも作れる大事なリソースであり、死なすには貴重過ぎる存在だ。なぜ自爆テロをさせる必要があろうか。つまりこれも後知恵できるバカげたツイストだ。

更に言うなら電車で自爆ベストという設定もおかしい。電車は人間と荷物がありふれた乗り物であり、自爆ベストにしなくても荷物に仕込めばそれで済む話だ。

学校のテロもわざわざトラックで突っ込んで自爆テロをしなくとも、学校の前にトラックを置いておけば済んだ話である。

また解雇されたシャネルをおおっぴらに迎えに来たのが犯罪組織の親分ルークというのもおかしな話である。内務大臣のアシスタントであるシャネルの身上調査はどうした?

デビ坊のキャラの掘り下げ方も控えめでわざとらしくなく好感が持てたし、「ホームランド」を思い起こさせるようなアクションシーンも手に汗握るシーンもいくつかあっただけに残念だ。

シューター要素、ボディガードのラブロマンス、自爆テロにライン・オブ・デューティの内偵を絡めてきてしまってゴチャゴチャになってしまった感じが半端ない。

最後の方には、ナディアも含めて黒幕どもが一斉にゲロり始めるのもおかしなまとめ方だった。

そして毎回文句言っていることだが、ポリコレ要素の乱用も気になった。第1話のSWATチームのリーダーが女(メイクばっちり)、爆弾解除担当が女、スナイパーが女。SWATにそんなに女がいるか!さらに内務大臣が女、警視庁のトップが女、デビ坊の直属上司が女。欧米のauthorityは確かに日本より女性が多いけれど、こんなに多いとさすがにリアリティを失う。ポリコレにはウンザリだ、とはクリントイーストウッドのお言葉。