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【マッド・ダディ】映画の感想:ニコラスケイジ渾身のホラー!皆でニコラスを最期まで見届けよう

ニコラスケイジ主演マッド・ダディ映画の感想

マッド・ダディ

ニコラス・ケイジ主演ホラー映画【マッド・ダディ】を見た感想です。

ナニコレおもしろい。

ニコラス史上最高のホラー映画です。あ、ウソついた。8mmの次くらい。

 

【マッド・ダディ】作品情報

原題:Mom and Dad

監督:ブライアン・テイラー

出演:ニコラス・ケイジ、セルマ・ブレア(ヘル・ボーイ)、アン・ウィンターズ(13の理由シーズン2)

上映時間:86分

言語:英語

imdbスコアが5.5と低かったため、ニコラス・ケイジのまた残念なスリラー映画かと思っていたら、意外に面白くてかなり楽しめた。

おそらく親が子どもを殺すという忌み嫌われるタブー領域の話なので、低い評価をつけざるを得ないのかもしれない。

予告で見た感じではコメディホラーのように思われたが、実際は本格的に怖いホラーだった。と思ったが、途中からやっぱりコメディチックな雰囲気もあるので、正直ホラーなのかコメディホラーなのかは判別つかない。

娘役アン・ウィンターズは先日紹介したNetflixオリジナルドラマ「13の理由」のシーズン2のキーパーソンとして登場する柴犬顔のクロエちゃんです。アナ・ウィンター(ファッション界の重鎮、vogueの編集長で「プラダを着た悪魔」のモデル)と名前が似てる。

 

【マッド・ダディ】あらすじ

閑静な郊外の一軒家に住むブレント(ニコラス・ケイジ)とケンドール(セルマ・ブレア)、高校1年生の娘カーリー(アン・ウィンターズ)と息子のジョシュ。

両親はカーリーの反抗期とジョシュのイタズラに頭を抱えていた。

カーリーが高校で授業を受けていると、何やら外が騒がしい。警察や先生たちがゲートに集まり、ゲートの外には親たちが集まっている。しかし警察は親たちを入れようとせず、生徒たちも学校敷地内から出そうとしない。

そのうち親たちはフェンスを乗り越え始め、子どもを殺し始める。

カーリーは友人のライリーと逃げだすが…

親は子どもなら何でも仕留めるわけではなく、なぜか自分の子だけ狙おうとする。トリガーはどうもテレビのザーザー画面のようだ。

 

【マッド・ダディ】感想

子どもが大人を殺す映画はけっこうあるけど、大人が子どもを殺す映画ってあまりない。考えるだけでもおぞましいのがその理由なのだろう。そんな中、タブーに挑んだブライアン・テイラー監督だが、アドレナリンやゲーマーの監督だと知ってなんとなく納得。

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ブライアン・テイラー監督

ハゲだけに、ハゲ仲間にキレ芸をさせるのが好きなようだ。ニコラスはセミハゲかもしれないが。写真を見ると、やっぱり変人なんだろうなと思うわ。

親に子どもを殺させるという前代未聞の内容への批判は誰かに任せるとして、主役のニコラス・ケイジを見ているだけでもおもしろい映画なので、ホラー好きな人にはおススメしたい。

子を殺そうとするのは決して笑えないことだが、自分の人生を投げ打って育ててきた子どもが口を開けば悪態ばかりつき、親への思いやりもリスペクトもなく、さらには子どもに「jesus! get a life」とか言われる始末で、両親の鬱憤にはなかなか理解できるものがある。

アン・ウィンターズがいい感じに生意気な高校生を演じていたけど、さすがに高校生には老けすぎているような…13の理由でも思ったけど…

ニコラス・ケイジが子殺しに目覚めてからがほんっとに面白くてケラケラ笑ってしまったのは私だけ?いやいやいや、こんなニコラスケイジ見たら誰だって笑うよ。

ニコラス・ケイジ演じるブレントさんは、かつては1400万くらい稼いでいたやり手のパパだったんだけど、今は450万くらいの収入になってしまったことで、男のプライドを傷つけられている。

加えて高校1年生の娘カーリーは反抗期真っ只中で生意気な態度を取り、1年上の黒人青年と密会している様子で、さらに息子はまだ小さいのでオモチャで家をぐちゃぐちゃにする。

そんなニコラスは中年危機も迎えており、自宅の地下室にビリヤード台を作ろうとする。ところがビリヤード台を組み立てて水準器も使って完成させた瞬間に、愛する妻セルマ・ブレアに「いくらだったの?今そんなもの買ってる場合?」みたいにチクリとやられてしまう。

ニコラスはハンマーを使って完成したばかりのビリヤード台を今度は破壊する。この辺りのニコラスの爆発ぶりが、ニコラスの元妻アリスさんとの離婚や、浪費癖で破産ギリギリになってしまったニコラスの自伝のようで哀愁を誘う。このシーンは、ニコラス自身の鬱憤を吐き捨てていたとしか思えなかった。

その後、ニコラスは地下室に籠城した子どもたちにドアを開けろと怒鳴りつけるのだが、とにかくもう大笑いするしかない。なんで、あんた、そんなにおもしろいんだ。こんなニコラスを見て笑えない方がおかしい。ふかづめさんも笑うほうに100ニコラス。

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ドアをバンバン殴りながらマザーファッカーを連発するニコラス

ママがネコナデ声で「大丈夫?このドアを開けて。地下室から出てきて」と言うと(もちろん子どもたちを引きずり出して殺すため)、娘が「ママとパパは家から出て行って、お願いよ」と言う。するとニコラスが

「お前のマザーファッキン・マザーがこのドアを開けろと言ってるだろ!And マザーファッカーズ⤴?このマザーファッキン・ドアを開けろ!」

という。

このシーンはおもしろくて何度も見返してしまった。ニコラスの最後上がり調子の「マザーファッカーズ⤴?」のイントネーション(矢印の部分)がとにかく可笑しくて何度聞いても笑えるので、少しでも多くの人に見てもらいたい。

正直、こんなクレイジーニコラスを見たのはフェイスオフ以来かも?

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娘がドアを開けてくれないので今度は泣き出す二コラス

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黒焦げのニコラス、顔にシリアルついとる

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電ノコ「SAWZALL(saw all)」知ってる?と子どもに迫るニコラス

そしえ終盤、いざ子どもがピンチなときに、なんと助け船がやってくる。

助け船はもちろん、ニコラスの両親!親が子どもを殺す設定なので、ニコラスの両親がニコラスを殺そうとするわけだ。

そんなニコラスの父ちゃんを演じたのは、ファンの心をくすぐるランス・ヘンリクセン!

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車のルーフトップの上を飛ぶランス・ヘンリクセン

ランス・ヘンリクセンをぶっこんで来たところが、「ファンの期待を分かっているな」と妙に納得してしまった。

残念な点は2つ。前半の強烈なインパクトから、後半はニコラスケイジたちの一家族に収束してしまうこと。テレビでもニュースになっているようにアメリカ中で起きているアポカリプスなのに小さくまとまってしまった。

もう一つはエンディング。後半に「この映画は最後どうやって終わるつもりなんだろうか」とちらちら心配し始めたのだが、結局、なんの結論も出ないまま終わってしまった。ここはどちらか死ぬか、あるいはふと正気に戻るかなど、何らかの結論が欲しかったように思う。

評価:60点