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【ダウンレンジ】北村龍平のヒューマンターゲット系ホラー映画は9月15日公開

ダウンレンジの感想

ダウンレンジ

暑いけど、皆さんお元気?

こちとら家族の入院やら手術やら学校やらで大忙しの毎日でクタクタアルヨ。落ち着いて映画も見てられやしない。そんなわけでちょっとフラストレーションとストレスが溜まっている毎日です。今は私のヒューマンターゲット(旦那)もいないしさぁ!その代わりにふかづめさんに絡んで精神の安定を保っているのは内緒な。

北村龍平監督によるヒューマンターゲット系ホラー映画【ダウンレンジ】を見た感想です。

ダウンレンジはこの9月15日に日本公開予定です。

日米合作、R指定です。

 

【ダウンレンジ】作品情報

原題:Downrange

公開年:2018年

監督:北村龍平

出演:無名の方たち5名と警官4名、狙撃者1名、家族3名

上映時間:90分

言語:英語

ミッドナイト・ミート・トレインの北村龍平監督によるスリラー/ホラー作品です。

ミッドナイト~のように顔見知りの俳優は誰もいませんでした。無名の俳優たちが血反吐を吐きながらスクリーンいっぱいに自己アピール頑張ってる映画です。

 

【ダウンレンジ】あらすじ

6人の大学生が相乗りした車が人気のない道でパンクしてしまいます。

タイヤ交換をしていたら、タイヤはパンクしたのではなく誰かがが撃った跡がありました。

6人は何者かの狙撃ターゲットになっていたのです。

 

【ダウンレンジ】感想

今日のホラーは皆大好きヒューマンターゲット・コンテンツです。

その昔、東を見ればアメリカではネイティブアメリカンがリアルでヒューマンターゲットになってたし、南を見ればオーストラリアでアボリジニがヒューマンターゲットになっていた。これはもうグローバルコンテンツなので、北村龍平監督が「グローバル化!」と言いながら製作したかは定かではないが、とにかく渾身の一作です。

もう全身全霊B級映画なんだけど、頑張った感が半端ない。無名の俳優の大根演技からグロシーンまでとにかく頑張ってる感が伝わってきた。出来栄えは普通だけどそこに並々ならぬ努力の痕跡が見られる「努力賞」は間違いなしの作品です。

物語はやけにテンポがよく、唐突に始まる。

開始後5分も立たないうちに車がパンクするのである。早い!こんなB級映画は見たことない!とかくB級映画というのは(とりわけホラージャンル)、肝心の話に入るまでの前置きが長いのが当たり前なのだ。

早くても20分は取り留めのないシーンが続くのが常であって、開始後1~2分ですでに勃発!という急ピッチな展開に、自分の脳内が早送りされたのかと勘違いしたほどだった。

80分ほどのB級ホラーであっても、最初の3分の1のグダグダがないと間が持たない一方で、本作は90分あっても最後までテンポよく進んで行くので、だれることがない。

しかもオープンエリアでありながら、荒野で狙撃手に狙われてほとんど動けないというソリッドシチュエーションホラー仕立てで90分飽きさせることなく見せた手腕はなかなかのもの。万歳北村龍平監督。

グロシーンはけっこう多いけれど、特殊メイクの腕が悪いのか予算がないのか、まったくリアリティがない。そのせいか、思う存分グチャグチャにしました!という茶目っ気が伺えた。

次、登場人物。

襲われる6人は大学生で、お互い知らない同士。たまたま方向がいっしょの人たちをつのってカーシェアリングをしていたという設定である。大体こういうホラーは仲良しグループ男女が時にときにやんややんや言いながら、イチャコラしながらのロードトリップというのが定説なので、本作のようにたまたま相乗りしていたヤングという設定は珍しい。

この設定の利点は、互いの性格を知らないため、ピンチの時に隣の人間がどういう考え方をするのか、どういう行動に出るのかが未知数なので、スリリングだということ。

デメリットはキャラがどういう人たちなのか全然分からないので感情移入も共感もしにくいということ。

そんな感じで偶然乗り合わせただけの6人だが、キャラの見当はけっこう早い段階で把握できるようになっている。

イケメンに近い男、最後まで生き残りそうな主人公に最も近い女、パニック症候群で役に立たないのに最後までしぶとく残る女、ビジュアルのために存在するので最初の方に殺される華やかな女、地味だけど意外にツカえる男、まじめでいい奴っぽい殺され要員…などなど、ここらへんはホラー設定の王道を踏襲している。

「最後まで生き残りそうな主人公に最も近い女」役のキーレンは無駄に雑学があって、狙撃手のプロファイリングまでしたり、皆にアドバイスをしたり、勇気づけたりするので、映画「サプライズ」のように最後は狙撃者を返り討ちにでもするのかと期待したものの、結局は「地味だけど意外にツカえる男」テッドの数多くの提案をことごとく却下してドリーム・デストロイヤーを演じただけで、最後は意外な終わり方をする。

誰が生き残るか分からないという視点で見たらこれはこれで悪くないけれど、キーレンを主人公にしてきっちり狙撃手に落とし前をつけさせる方が勢いはあったかもしれないね。

一言で言うなら、暴力は何も生まない…ということでしょうかね、監督。たとえそれが正当化され得る暴力だとしても、巡り巡って因果応報になるよーということですよね、監督。

評価:40点