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【オザークへようこそ】シーズン3後半戦を観終わったので感想とあらすじ概要

オザークへようこそシーズン3感想あらすじネタバレ

Photo courtesy: Ozark@Netflix

【オザークへようこそ】シーズン3を見終わりました。

えーまずはimdbのレビュワー達に一つ恨み節を贈ります。

コノヤロー、嘘吐きやがって!

何がシーズン3は秀逸だ!

以上。

 

【オザークへようこそ】シーズン3を観た感想

早速、感想です。

最初に言っておくが、「オザークへようこそ」は決して「超つまらない」ドラマというわけではない。imdbでも7割くらいの人が高得点を付けているので、大衆にはウケるドラマなのかもしれない。

でもわたくしは「おもしろい」とおススメしたり称賛できるドラマではないと断言しちゃう。そうさねー「まぁまぁつまらない」レベルかねー。

 

盛り上がらないドラマ

シーズン3の前半戦の感想記事でも記したのだけれど、全然盛り上がりを見せないのね、このドラマ。

とりわけこのシーズン3は、ウェンディとマーティの夫婦ドラマか、ファミリードラマか、ルースとジュニア(フランク・コスグローブ・ジュニア)の喧嘩ドラマが延々と続いて冗長化。バード家の4名、カウンセラーのおばちゃん、カルテルの弁護士ヘレン、ルースとジュニアが延々と弱小ドラマを織り成す充実の内容となっている。

シーズン3後半戦にむけて加速していくのかと思い我慢していたが、後半戦も前半戦の反芻。特に何も起きず、登場人物があっちこっちで口論するに終始した。

前半はほぼウェンディとマーティの夫婦の不和に終始していたけれど、後半は別居したためにややトーンダウンする。

その代わりといっちゃなんだけど、結婚カウンセラーのオバチャンの前で二人の口論がオーバーヒートしてしまい、気が付くとカルテルのことまで喋ってしまう。口軽すぎ、緩すぎ。

すると結婚カウンセラーのオバチャンが、マーティから貰っていた金で(マーティがカウンセラーを抱き込んでいた)、ド派手なスポーツカーを購入して乗り回し始め、それがカルテルの弁護士ヘレンの目に触れて、オバチャンは始末される。まぁ、この辺りは悪くない。

ルースとフランク・ジュニアの痴話げんかも延々と続き、ルースが高いIQを使ってなんとかジュニアを懲らしめるのかと思いきゃ、ジュニアに不意打ちで襲われ、ろっ骨を負う大怪我を負う。ルースがルースである意味がない。

さらにルースがマーティ&ウェンディを呼び出して、ジュニアを始末するように言うが、ウェンディ&ボトルコーヒーは「うぅ~ん…残念だけど何もできない。我慢して。」とか言う。なんだこのドラマ的にアウトなロング・アンサー(wrong answer)。

一応、マーティはルース襲撃事件をもって、フランク・コスグローブ(ジュニアのパパ)に最後通牒を突き付けて、もう取引はなしだと一方的に言い放って契約を解除するが、プランBがあるわけでもないし、フランク・コスグローブに報復されでもしたらどうするつもりだったのか。

さらにキャラとしてはおもしろい現地のスネール家の女帝ダーリーンもまったく生かし切れていなくて勿体ない。ダーリーンは警察署長に命令しにいったりしてるけど、署長を動かせるほどの恐怖や威嚇といった技を持っていないのもネック。

ルースのためにジュニアの復讐を果たすシーンは格好いいけど、そのあとジュニアのパパ、フランクに話しを付けにいく(ジュニアの局部を撃ってしまったので、ヘロインの流通事業で契約を結んだ)のもストレート過ぎて面白味がない。

行きあったりばったり過ぎて、この手のダーク系ドラマ上で大切な「根回し」「策略」「騙し」という要素がすっぽり欠如しているわけだ。

そういうわけで「第二のブレイキングバッド」という喧伝はちゃんちゃら可笑しい(かくいう私もシーズン1でブレイキングバッドになぞらえたけれども)し、比べてはいけないレベル。

画面にブルーグリーンのフィルターをかけて、それらしくダークな雰囲気を出しているだけだから。

魅力的なドラマ展開を考えられないせいか、最後はブレンディマーティ&ウエンディが殺されるかもしれないーという安易な惑わしを匂わせつつ、二人の前で弁護士のヘレンが撃ち殺されるという、分かりやすい展開で幕を閉じた。

衝撃度を上げて最終話を終わらすには、他に殺す人誰もいないものね。

ヘレンの脳みそを浴びながら麻薬王ナバロに祝福されるウェンディとマーティご夫妻

ヘレンが何故殺されたのかは明らかにされていない。上述のように、ただドラマを盛り上げるためなのはミエミエだが、ナバロはヘレンとバード夫妻のどちらかを選ばなければならずバード夫妻を選んだのだろう。(バード夫妻がアメリカ当局の目をライバルギャングに向けた功績もあって)

ただ、ヘレンの殺害についても、ベンの殺害のように不用だったのではないかと突っ込みたくもなる。ヘレンは別にFBIに垂れこもうとしていたわけでもなければ、失態をおかしたわけでもない。

そもそもヘレンは弁護士であり、バード夫妻はマネロンなのだから、互いのポジションがカルテルにとって干渉することはないはずなのだが。ヘレンが弁護士の境界を越えてバード夫妻の事業を自分が引き継ごうとしたのが気に食わなかったのか、ヘレンがバード夫妻がカルテルを裏切ったように見せかけようと小賢しい真似をしたことがバレてナバロの逆鱗に触れたのか、そこらへんが釈然としない。

まぁヘレンはウェンディに「友達だと思ってたのに!」とかワケのわからないことも言い始めていたし鬱陶しかったので退場してちょうど良かったと思います。

ナバロのライバルカルテルがわざわざアメリカにやってきてコスグローブのメンバー(ナバロの現金の運搬をしていた地元のゴロツキの皆さん)を殺すというシーンがあったが、これもドラマを盛り上げるためだけに挿入されているのがミエミエ。現実に考えてメキシコのカルテルがリスクを冒してわざわざ米国に越境してライバルギャングの現金輸送車を1台襲うというのは無理がある。

 

不用な死

ベン(ウェンディの弟)

シーズン3の新参者であるウェンディの弟ベンは、シーズン3で唯一好感の持てるキャラであった。ベンは双極性障害を抱えているので薬を飲んでいたが、ローカルのじゃじゃ馬娘のルースと恋に落ちたため、薬の服用を止めていた。薬の副作用でベンのベンが立たなくなってしまうからだ。

薬の服用を止めたことでルースと結ばれることはできたものの、その代償は大きかった。姉ウェンディたちやルースがカルテルの資金洗浄をしていることを知るに至ったベンは、猪突猛進で無鉄砲な言動で回りを不安にさせ、カルテルを危険に晒しかねない厄介者として始末されてしまう。

ベンを逃がそうとしていたウェンディ&マーティ夫妻だが、ベンが何度失態を重ねてもコトの重大さを理解してくれないため(双極性障害というより認知症)、ウェンディは弟をカルテルに売ることとなったわけだ。

カウンセラーのおばちゃんにも言えることだけど、オザークの現地キーパーソンたちがほぼカルテルの存在とカルテルとの繋がりを知っていて、さらにFBIまでナバロ・カルテルのマネロンをしていると踏んでカジノで毎日捜査中というなかで、「カルテルのこと知られたから」実弟を殺す、という不条理な展開にイマイチ納得がいかない。

そもそも薬をなんとか飲ませてたらベンがあそこまで暴走することはなかったんじゃ。

 

愛着キャラが不在

シーズン3に出てきたカルテル中間管理職のデル・リオ、FBI捜査官ペティ、ケイド・ラングモアといった個性的なキャラは消え去った上に、主役のマーティが空気と化している。

ウェンディ役がローラ・リニーなので、彼女の登場シーンを増やして重要度を上げようと思ったのだろうが、マーティはほぼバックシートに身を潜め、ボソボソと後ろで何かを言っていてまるで腹話術師のよう。

バード家は4人とも糞だし(シャーロットは話のわかる大人に成長していて頼もしい)、唯一血の通った存在であるベンはあっさり殺されちゃうし。

弁護士のヘレンはいつもパンツ姿だし。(アメリカの弁護士会計士ワールドは保守的なのでパンツがご法度と聞いたが今はヘレンのようにもっと進歩的なのだろうか。)

こうなってくると、唯一愛着が持てるキャラはカルテルのヒットマンのネルソンくらいだな。

カルテルのヒットマン「ネルソン」さん