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Netflixドラマ『マインドハンター』シーズン2観終わった感想評価ネタバレ

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Netflixオリジナルドラマ「マインドハンター」シーズン2が放映されました。

シーズン1がなかなかのクオリティだったので、シーズン2を心待ちにしていました。

クオリティが高いのも納得です。なんたってあのデビッド・フィンチャーが製作しているのですから。

 

『マインドハンター』シーズン2

「マインドハンター」の舞台は1970年代後半。まだ犯罪心理学というジャンルが確立していなかった時です。

FBIの特別捜査官は連続殺人犯との対話を通して、猟奇連続殺人犯の心理を学び、捜査で犯人像をプロファイルするという新しい捜査方法を始めます。

言わば、大ヒットドラマ「クリミナル・マインド」のBAUがやっている捜査方法の生みの親ですね。

FBIプロファイラーがどのようなプロセスを経て誕生したのかが丁寧に描かれているので、クリミナル・マインドを長らく楽しんできたファンとして感慨深いものがあります。

本作のFBIプロファイラーであるビル・テンチは、プロファイリングの第一人者として有名なFBI特別捜査官ロバート・K・レスラーがモデルと言われています。

また、直観的に連続殺人犯の手口と心理を理解する能力に長けているホールデン・フォードはジョン・E・ダグラス(serial killer whispererという異名をとる)がモデルとなっています。

ロバート・K・レスラーの著書「FBI心理分析官」は発売当時、世間に大きな衝撃を与えました。

エド・ケンパーなど、全米犯罪史上最悪の猟奇連続殺人犯を扱っています。

シーズン1のネタバレなし解説・感想を読む

連続殺人犯との面会はいつでも緊張感と狂気に溢れています。

シーズン2では獄中でチャールズ・マンソンとの面会を果たしますが、マンソンとの対話で有益な情報は得られませんでした。

マンソンは自分で手を下すのではなく、殺人を信者に教唆させるという手口です。

したがって、自らの性的衝動を満たすために空想を繰り返して連続殺人を犯す他の猟奇殺人犯とは異なります。有益な情報が得られなかったのはそのためかもしれません。


『マインドハンター』シーズン2に登場する連続殺人犯

シーズン2に登場する連続殺人犯
  • ウィリアム・(ジュニア)・ピアース
  • エルマー・ウェイン・ヘンレイ
  • ウェイン・ウィリアムズ
  • チャールズ・マンソン
  • デビッド・バーコウイッツ(サムの息子)
  • デニス・レイダー(BTK絞殺魔)

シーズン2のメインとなる事件は、アメリカ犯罪史上最も悪名高い殺人事件のひとつ、ジョージア州のアトランタ連続児童殺人事件(Atlanta Child Murders)です。

犯人は2件の大人の殺人で有罪になりましたが、少なくとも23件の少年の殺害に責任があるとされています(証拠不十分のために起訴されず)。

 

『マインドハンター』シーズン2あらすじ

エド・ケンパーとの恐怖の面会を過ごしてパニック発作を起こして入院したホールデン。

復帰後、上司のシェパードは退職(のちにホールデンが連続殺人犯と面会したときの暴言問題の件で責任をとって辞めざるを得なかったことが判明)し、テッド・ガンが新しい上司となっていた。

テッド・ガンは行動科学科を高く評価しているようで、出世コースを自ら捨ててシェパードの後釜に座った。

テッド・ガンはホールデンの直観力を高く買っているものの、衝動的で予想できない言動を示すことから、ビルとウェンディの2人にホールデンのお目付け役を頼む。

ビルとウェンディはそれぞれ私生活で問題を抱える一方、ホールデンは仕事に邁進する。

BTK絞殺魔を捜査する傍ら、アトランタで連続児童殺人事件が発生し、ビルとホールデンは地元警察とともに捜査に当たる。

 

『マインドハンター』シーズン2感想

22か月ぶりに帰ってきた「マインドハンター」。

正直にいうとシーズン1の重要な内容を殆ど忘れてしまっていました。たまに突如挿入されるBTK絞殺魔のこともすっかり忘れてました。

だって22か月はさすがに長い!頼むから1年スパンにしてくれ!

そういえばネットフリックスの看板ドラマである「ストレンジャー・シングス」も2年ぶりだった…お願いだから、大しておもしろくないドラマを量産するのではなく、「ストレンジャー・シングス」や本作「マインドハンター」などの数少ない良質ドラマに予算と時間を割いて下さい!

忘却脳でさっそくシーズン2を観始めましたが、やっぱり観始めるとどっぷり「マインドハンター」の世界に浸かりますね。

ド派手なアクションや見せ場を売りにしたようなドラマではないので、むしろ長い映画を観ている感覚です。

私はもともと連続殺人犯系に興味があって、十代の頃からそれ系の本を読み漁ったりしていたくらいですので、「マインドハンター」の世界観はドストライクでした。犯罪心理に興味がないと見方は分かれるかもしれません。

ホールデン

シーズン2のメインとなる事件はジョージア州アトランタで、黒人の少年が数十人も次々と行方不明になって遺体になって戻ってくることから、警察はKKK(クー・クラックス・クラン)の犯行という見方を強めていました。

一方でホールデンは被害者が黒人少年ばかりであることから犯人は黒人男性であると確信しています(通常、猟奇殺人犯は自分と同じ人種を狙う。異人種を狙ったケースもあるが、非常に稀である)。

この辺りの警察とFBI行動科学科の捜査ポイントのズレも、犯人の逮捕が遅れた要因の一つだったんじゃないかなと思いました。

もちろん当時は「クリミナルマインド」なんかないからねー、犯罪心理に懐疑的なのも分かるし、黒人少年が多数消えれば人種が動機ではないかと早計してしまうよね。

それでも「犯人は20代黒人」と確信するホールデンの自信もすごいよ。プロファイリングが知れ渡った今だからこそ「そうだよね」と納得できるけど、当時はプロファイリングの概念が生まれていない時代なんだから。

同時に「犯人は黒人」という言葉を聞きたくない黒人ママンたちや黒人政治家たちのポリコレ態度も歯がゆいものを感じたよね。理解はできるけれども。人種が絡んでくると真理が見えにくくなることを学ばないといけないやね。その犠牲になったのは、他でもない自分たちの子どもたちなんだから。

お気に入りシーン

一番のお気に入りシーンは、ビルがBTK絞殺魔から一命を取り留めて生き残った少年に車中でインタビューをするシーンです。少年は後部座席に乗り込み、ビルは前方の座席から前を向いたままインタビューをします。

少年は顔を何発も撃たれているということで、カメラは少年の顔に近寄らず、髪の毛や少年の輪郭しか見えないのだけれど、これがフィンチャーらしくて凄く好き。このほうが恐怖心が増すことを心得ているんだなー、ジャンプスケアばっかりするスリラー/ホラー監督は見習って下さい。

シェパードが退職、テッド・ガンが新しい上司に

シェパードが退職かー。私はFBIらしくないシェパードがけっこう好きだったので、これはちょっと残念でした。

狡猾そうなテッド・ガンが後釜に入りましたが、行動科学科のことを高く買っているのは事実なようですし、シーズン2ではかなりのバックアップもしてくれましたね。

行動科学科が今大手を振って活躍できるのも、課の責任者であるテッド・ガンの犯罪心理という前例のない不確かなジャンルが実を結ぶであろうという盤石の意思と、将来性に懸けるリスクテイカーの一面があったからこそでしょう。

とはいえ、テッド・ガンは巧みにホールデンもビルもウェンディも操っているので、油断できません。しっかし、やり手ですね~スムーズすぎて怖いくらいでした。

シーズン2はビルが主役

シーズン1は連続殺人犯に直観的な視野を持っていて猪突猛進型のホールデンが主役でしたが、シーズン2はビルが主役といっていいでしょう。

私はホールデンよりビルのほうが好きなので(俳優が)、たぶんシーズン1よりシーズン2の方が好きです。

犯罪捜査に加えて上司のお相手、ホールデンの面倒、そして家庭の問題など、ビルに厳しい状況が続いて可哀想…

それでもいつもクールさを失わないビルに胸キュンです。

犯罪心理の捜査を進めているなか、養子のブライアンの問題が浮上してしまい、連続殺人犯の心理や戯言とブライアンの言動が重なったりして、精神的にもかなりツラい状況。

さらにブライアンの問題と仕事が多忙なせいで、愛妻ナンシーが離れていくというね…でもナンシーの心情も理解できるんだよなぁ。息子がそんな状況で、いちばん側にいて力になって欲しいときに旦那がしょっちゅう出張だったり家にいないのも辛いですよ。

久しぶりに家族団らんだと思えば、呼び出されてまたいなくなるし…

公務についている人やご家族には、そういう困難もあるんですよね。私たち夫婦も長らく会えない時期などがありました。そのせいで結婚式を延期したり。命令なのでどうにもならないんですよ。

だからビルにも同情、ナンシーにも同情しました。シーズン3で戻ってくるかなぁ…ビル可哀想だよ…

ビルの息子ブライアンは殺人鬼の卵か

不穏な空気を纏うビルの息子ブライアン。ブライアンが少年たちが2歳の子どもを殺してしまったのを目撃したというのですから、親としては気が気じゃありません。

自閉症のせいなのか一言も話さないブライアン。夜尿を繰り返すようになってしまいます。

ただやっぱり母ナンシーが心配でたまらない中、皮肉にもプロファイラーのビルは父としていまいち危機感が薄いような気がするのだけれど、きっとそれは不穏なものをブライアンに感じてしまっているからなのでしょう。

ブライアンに直接事件のことを聞こうとせず、「お前が心配だ。大丈夫だよな?大丈夫だと言ってくれ」としか言わないのは、連続殺人犯の心理を理解するようになってきたビルがブライアンの答えを知るのが怖いから。

正直、ケンパーやマンソンや窒息プレー男より、ブライアンを見てる方が一番怖かったんだけど…

連続殺人犯が作られるのはDNAだ環境だという議論が専門家や素人の間でも度々なされますが、やはり育った環境が作り出すと思って間違いないと思う。精神病は遺伝性があることは分かっているので、DNAの影響も少なからず影響していると思う。

細かくいえばカッとしやすい性格、短気、衝動性など、のちに連続殺人犯を誕生させるに足る性質がDNAによるものなのか、環境によって形成されるものなのか、明確に区別できないものの、もともともっていた社会的に害悪とされる性質が環境によって悪化するとか、相互に関係し合っているのではないだろうか。

「脳が殺す」では、支配的でヒステリックな母、父親像の不在、虐待、性的虐待、前頭葉へのダメージが連続殺人犯を誕生させると論じています。一読の価値あり。

チャールズ・マンソン

もうすぐクエンティン・タランティーノ監督、ブラピとレオ様主演の「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」が8月30日に公開されますね。同作はチャールズ・マンソンを扱っている映画ですので、あちらも併せて鑑賞したいところです。

チャールズ・マンソン(没2017年)は1960年代末~1970年代に「ファミリー」というコミューンを築いてカルト集団を作り上げ、5名の殺人を信者に教唆しました。

ドラマでも描かれているように、自分で手を下さず、信者たちに刺殺させたのです。

犠牲者のなかには「戦場のピアニスト」「ローズマリーの赤ちゃん」などを手掛けるロマン・ポランスキー監督の妊娠中の妻シャロン・テートもいたことから、ハリウッドにも衝撃が走りました。

当時シャロン・テートは26歳、妊娠8か月、出産を2週間後に控えていました。シャロン・テートは「お腹の赤ちゃんだけは助けて」と懇願しましたが、16回も刺され、母子ともに亡くなりました。

私のアメリカ人旦那は米軍の警官をしていたのですが、やはり子ども絡みの殺人事件が一番残虐で堪えると言っておりました。ある米兵が妻と子どもをめった刺しにしたという事件の第一報で呼び刺されたこともあり、現場は血の海でさすがに酷かったと言ってました。そんなの見たら一生トラウマだわ私…

エド・ケンパーが劇中で言っているように、マンソンは外見も中身も小さな男です。言っていることも支離滅裂…演じた俳優さんは、ちょっと肩に力が入っていた気もするがマンソンの傲慢さをよく表現できていたように思います。小さい男ゆえに常に高所から見下ろす姿勢など、細かい描写も丁寧に描かれています。

ビルの家族が定期的に面会していたソーシャルワーカーやFBIの要人たちが「マンソン」という言葉を聞いて身を乗り出して興味を示していたことから、マンソンがいかに当時国民の注目を集めていたのかが伺えます。

(でもビルは、女性ソーシャルワーカーに「連続殺人犯の心理を分析して捜査している」とか言うのは得策じゃないと思ったけど…)

恐ろしい大量殺人を教唆、実行させた人物であり、小者であるというのに、その注目度の高さはまるでスター並みであることに違和感を覚えました。

暴力はいけないというのは常識ですが、人間のなかに暴力を求める本能が存在していることは否定できないですね。私たちだって暴力的なコンテンツの映画やドラマを観てるし。

マンソンとの面会は大したメリットもなく、ビルが自分の家庭状況にたまたま合致していることを指摘されて早々に切り上げてしまう。エド・ケンパーのように犯罪心理学の構築に被験者の立場で大いに貢献したエド・ケンパーのような連続殺人犯もいれば、マンソンのように役に立たない被験者もいるのでしょうね。

ウェンディ

前半は活躍していたウェンディですが、後半はなんとテッド・ガンから連続殺人犯のインタビューを外されるという憂き目に…

同時に私生活でもガールフレンドから大切な相手と想われていないと思い込んでしまったウェンディは、後半はめっきり姿を消してしまいました。

要するに公私ともに自分の存在意義を否定されてしまったわけです。バリバリのキャリアウーマンのウェンディにとってこれ以上の仕打ちはないでしょうね。この先、ホールデンみたいに闇のトンネルを進むのでしょうか。

ちなみにシーズン1でエキセントリックなデビーと交際していたホールデンは、私生活はないも同然のシーズン2でした。

ビルは妻子に去られ、ウェンディは仕事も私生活も存在意義を否定され、私生活なしで捜査に懸けているホールデンは、アトランタ児童連続殺人事件の犯人の逮捕はできたものの、長期にわたる懸命な捜査努力が報われず、子どもたちの殺害の責任を負わせることができずーといった何とも苦い結果になってしまいました。

うん、暗い。

まぁ私は好きですけどね。暗いのが。

BTK絞殺魔

ちょくちょく挿入されるカンザス州で変態プレーに興じている男いますよね。あれがBTK絞殺魔というのは皆もう分かっていると思いますが。

BTK絞殺魔の名はデニス・レイダー。1974年から1991年の間に10人を殺害した男で、30年も捕まらなかった男です。

ということはマインドハンターでも向こう30年近くは捕まらないということだから、かなり後のシーズンにならないとBTK絞殺魔は逮捕されないということになりますね。

ホールデンはまだ若いけどビルはそれまでに退職しちゃうんじゃ…

 

ああ面白かった。

あと次シーズンは1年以内にリリースして欲しいです…