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煽り運転のニュース報道で流すべきは加害者の情けない姿

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テレビで執拗に流される煽り運転の暴力映像

全日本を騒乱に陥れた「煽り運転」事件から数日が経過した。

事件はSNSで拡散されたあと、テレビで取り上げられるようになり、被害者のドライブレコーダーに撮られた動画が朝昼晩と連日のように流された。

その動画は、煽り運転をした男が高速道路で傍若無人に蛇行運転をしたあと、中央レーンで斜めに車を停めて被害者の車を通せんぼする様子から始まり、被害者の車を路肩に止めたあと、大声をだしながら勢いよく車から飛び出してきて押し問答の末に被害者を激しく殴打する姿が映っていた。

この動画は何度も何度もテレビで流された。

数日後に男への逮捕状が出て男は指名手配、無事に御用となった。

テレビでは男が逮捕されたニュースも紹介したが、その際にも煽り運転の様子から恫喝する様子、そして暴行の映像がセットになって茶の間に流された。

連日執拗に流されるこの動画に「もう観たくない」という気分になった人々も多いのではないだろうか。少なくとも私は過度の繰り返し再生にウンザリしていたし、執拗だと感じていた。

煽り運転の映像を見るたびにイヤな気持ちになり、「車を運転するのが怖くなった」と感じる人もいる。あおり運転のニュースを見るたびに車を運転する気が失せていくとブログで訴える方もいる。ただでさえ萎縮しがちな日本人はさらに萎縮してしまうだろう。

高速道路上で煽られ、進路を阻まれた挙句に恫喝され、激しく殴打されるという暴力的な映像を見せられているのだから、そう思うのは血が通う人間として当然のことである。

時計じかけのオレンジ」さながらに暴力的な映像を連日繰り返し見せられてなんとも思わないのは、煽り運転をした男のような下劣な卑劣漢か、同情心や共感といった感情を欠いたサイコパスだけだ。

暴力なコンテンツは売れる(視聴率が取れる)ので、テレビ局が衝撃的で暴力的な画を好んで流すのは私たちには止められない流れだが、抑止という意味で今回の煽り運転に関するメディアの報道の仕方は根本的に間違っている

 

抑止のためにメディアが流すべき映像は

メディアは煽り運転と暴行映像を垂れ流しながらも、煽り運転をするような人物はどういった人物像かというプロファイリングや、煽り運転をした者に課せられる罰則、煽り運転に遭ったときの対応策を紹介はした。

しかしインパクトのある暴力映像を見せられたあとでは、こうした情報による抑止効果はお飾りでしかない。

テレビが繰り返し執拗に煽り運転の映像、怒号をあげて車から降りてくる怖そうな男、男が恫喝する姿、被害者が殴られて血が噴き出る姿を流してくれたおかげで、私たちの脳にはすでにその恐ろしい映像イメージが植え付けられたので、そのあとに罰則や対策、「煽り運転をする人間はクズ」と言ったところで、脳の恐怖イメージが払しょくされることはない。

したがって、メディアが繰り返し流すべき映像は、煽り運転の加害者のみじめな逮捕の映像である。それも単なる逮捕映像ではなく、加害者が後ろ手に手錠を嵌められ、地面に伏せている姿や、手錠を嵌められて座り込み、首を垂れる姿といったものが有効だ。

警察官が加害者の背中に足を乗せていたら尚更良いし、加害者が押さえつけられて呻いている様子でもいい。要するに徹底的に情けない姿を流すのだ。

まちがっても加害者が暴れて大きな声を発していたり、威風堂々としている姿であってはならない。警察官がてんてこまいの映像であってもならない。

たまに煽り運転の後日にメディアのインタビュアーが加害者に押しかけてインタビューをしている映像もあるが、加害者が反省してうなだれ、謝罪していたり、しどろもどろになっている姿であれば何度もテレビで流すべきだし、逆の態度であれば流すべきではない。

煽り運転をして他人に危害を加えようとする人間というのは、それがどんなことであれ、注目を浴びることを良しとする。したがって、常識的には考えられないことだが、煽り運転をしかねない人物は、煽り運転をしてイキがっている男の姿をみて感化されるということがあり得るのだ。

人生に満足しておらず、人や社会から十分な注意や承認を得ていない、評価されていないと感じる者にとっては、人々の注目を浴びることができるのであれば、社会的に害悪なことであってもやる価値があると正当化できてしまう一面がある。後にたとえ罰則が待っていようとも。

(暴走族を珍走団という名前に変えようとした試みは間違っていない。)

したがって、加害者の惨めで情けない姿を繰り返し映すことで、煽り運転をするとこんな惨めで情けない結果が待っている、と印象づけることが抑止のひとつになる。