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映画「ローン・サバイバー」の感想です。
主演はマーク・ウォールバーグ。
2013年の作品です。
カテゴリとしては戦争アクションスリラーとでもいいましょうか。
「ローン・サバイバー」のあらすじ
2005年、アフガニスタンの山岳地帯で特殊任務にあたっていたネイビーシールズの4人。200人以上のタリバン兵に囲まれ、想像を超える総攻撃を受ける。4人のうち1人が奇跡的に生還を果たす。
という、シンプルな話です。
「ローン・サバイバー」の感想(ネタバレ注意)
気のせいでしょうか。
アメリカではあまり話題にならなかった気がします?
主演がマーク・ウォールバーグという人気俳優にも関わらず。
もしかしたらアメリカ人でさえ、タリバン兵との戦争映画に食傷気味だったのかも。
こういう映画はどうしても片方の側から描くことになるので、プロパガンダ臭さが抜けませんが、それを除いてエンターテイメントとしてみれば良いと思います。
敵地で多勢に無勢という状況は、ブラックホークダウンを思い出しました。
最近では【13 Hours】マイケル・ベイのベンガジ米国領事館襲撃の映画やNetflix映画「The Seige of Jadotville ~ジャドヴィル包囲戦ー6日間の戦いー」などがあります。
追いつめられてハラハラドキドキ恐怖いっぱいの映画が好きです。ゾンビとか。
とにかく怖かった。
ブラックホークダウン同様、多勢に無勢の中、周りから容赦ない総攻撃を食らうという設定は見ているだけで息が出来なくなりそうでした。
旦那がネイビーなので分かるのですが、ネイビーシールズはさすがに普通の人では無理な任務を遂行します。危険な職業なので、独身の人も多いようです。
ちなみにネイビーシールズはネイビー所属ですが、どこにいるかなどは戦略上、全く明らかにされていません(当たり前ですけど)。旦那や友人の話では、各海軍基地を行ったり来たりしているとのことです。
自衛隊にもあるでしょうが、米軍には厳しいルールがあって、髪の毛は短髪、あごヒゲは禁止、入れ墨は見える位置は禁止などけっこう細かいドレスコードがあります。あごヒゲはNGだけど、口の上のヒゲはOKってのは何故なんでしょうね。
ただしネイビーシールズだけは特別で、腕に入れ墨が入ってても、あごヒゲをいくら伸ばしてもお咎めはないようです。任務で何か月もどこかに配置されてたらヒゲとか剃ってる場合じゃありませんもんね。
マリーン(海兵隊)もネイビーの一部ですが、ネイビーの人から嫌われてます。少なくとも旦那や旦那の友人などはマリーンは嫌いなようです。いろいろあるんでしょうね。
脱線しましたが、ローン・サバイバーのリアルな銃撃戦は、圧巻です。
崖から転げ落ちるシーンが見ていて一番痛かった。
銃弾より崖の方が怖くなりました。
4人ともその時点までに何発も撃たれているし、それで崖を転げ落ちたら瀕死だと思うんですが、4人ともまだ生きてるあたり、さすがシールズ、強靱な肉体の持ち主です?死ぬだろ、普通。
崖から転げ落ちるシーンで60分くらいが経過(半分)。あと半分、この恐怖感に耐えられるかなと思うほど、怖いです。そしてその後もまた崖から落ちることになります。もうヤメテーと思ったのは私だけではないでしょう。
険しい山岳地帯のアフガンに潜伏したタリバンの理由が分かります。タリバンを一掃できない理由もわかります。日本の国土が攻撃しにくいのと同じです。
ローン・サバイバーのシールズの4人は、頂上から下へ下へと追い詰められていくので、ハイグラウンドから責め立てるタリバン側が圧倒的に有利な戦況。
フラフラになりながら、「RPG…!(ロケットランチャー)」と仲間に警告する立派な兵士の姿は、味方だろうが敵だろうが敬意を表したくなります。
戦略的に、最初から下の方へ行っていた方が良かったのでしょうか。それにしてもあの無線?衛星電話?使えなすぎる。もう少し早く連絡が取れていたら、助かったかもしれないのに。
ダニーとマイキーがほぼ同時に殺されてしまうシーンはさすがにグッとこみ上げるものがありましたが、立場を180度変えて考えてみると、平時に村人3人を殺すか殺すまいかを普通に議論していたアメリカ兵達と、銃撃戦でアメリカ兵を殺すタリバン兵達とを比較すると、どちらが良い悪いの話ではなく、やはり人を殺めるということの罪深さを感じる作品でした。
あと、ブラックホーク・ダウンで強い印象を残したエリック・バナも出演してます。
「ローン・サバイバー」のここは良かった
銃撃戦
崖の銃撃戦でここまで撮影できたのは見事です。
アフガニスタンの良心的民族
アフガニスタンに素晴らしい掟を持つ民族がいることを知ることができました。
アメリカ兵を助けるためにタリバンに真っ向から立ち向かった村人たちが素晴らしい。敵に塩を送る日本人を思い起こさせます。アフガニスタンから2000万円の東大震災義援金を頂いたことを思い出しました。
タリバンと闘い続けている現地の人たちがいることも知らなかったことが恥ずかしい。 鴨?を持ってきたアフガンの男の子、可愛いですね。
助かったマーカスと、マーカスの命を救ったモハメドさんの友愛が美しいです。
「ローン・サバイバー」の気に食わなかった点
舞台がどう見てもアフガンに見えない
どこからどうみてもアフガンには見えず。これ絶対アメリカで撮影したでしょ?と思って調べたらニューメキシコでの撮影でした。
アフガニスタンに行くわけにもいかないけど、一見してアメリカでの撮影と分かってしまったのでリアリティが少し薄れてしまいました。
主要4人がネイビーシールズに見えない
なんかイマイチ、シールズらしさが出ていませんでした。マーク・ウォールバーグでさえ。この人はあんまり兵士役が似合わないかも。
4人のシールズの中で印象に残ったのは、赤毛の細面の顔をした人(最初に遭遇した村人3人を殺した方がいいと言った人)です。
プロパガンダ的要素は抜けない
アメリカ映画なのでアメリカが正義で相手は悪という描き方はどうしようもありませんが、タリバン側にすれば、土足で自分の裏庭に武装した憎きアメリカ人が入ってきてるわけで、彼らにとってはまさに自衛の戦いです。彼らにも家族がいます。
冒頭で、アメリカ人を助けたという名目で村人の首をはねる描写がありますが、一体どこまでが真実なのか、私たちには知る手立てがありません。
なお、我が夫は軍人ですが、マーク・ウォールバーグが好きにも関わらず、こういう映画は見ません。たいてい「真実と違うから」なんて言ってます。
評価:60点
ローン・サバイバーはHuluで視聴できます。2週間無料体験できます。