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ミセスGのブログ

海外ドラマ&映画の感想もガッツリ書いている国際結婚&アメリカ在住女のブログです。

【13 Hours】レビュー&感想:マイケル・ベイのベンガジ米国領事館襲撃の映画

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ブロックバスター映画でお馴染み、マイケル・ベイ監督の【13 Hours】を視聴しました。

邦題は(13時間~ベンガジの秘密の兵士)となったようです。

マイケル・ベイといえば、内容からっぽでアクション万歳の映画を生み出す天才なので、こういうデリケートな映画となると一抹の不安が…パール・ハーバーとかもあったし…史実を扱ったアクション映画は向いていないよね。

2012年9月11日にリビアで実際にあった襲撃事件です。米国の在外公館が襲撃されて大使が殺害されてしまったというのは何十年で初めてということもあって結構衝撃的だったので、私もこのときのニュースはよく覚えています。イスラム教の預言者ムハンマドを冒涜する映画がネッドで公開されたことがきっかけで、同時期にエジプトのカイロでも米大使館が襲撃されました。

あらすじ

舞台はリビアの海沿いの都市ベンガジ。アラブの春が吹き荒れ、カダフィ政権が倒れた後、極めて政情不安定で危険になったリビア。リビアのベンガジに設置された米領事館が2012年9月11日に襲撃された事件を描いた映画です。二度目の911ですね。

CIAのスタッフなどを警護するために元特殊部隊出身などを集めて生まれたグローバル・レスポンス・スタッフ(Global Response Staff)のメンバーが米領事館の米国人の救出を試みます。

ただし、領事館といっても正式なものではなく、暫定的なもので、警備も手薄で、映画の中では temporary diplomatic compound(外交上の暫定的な事務所)と定義されていました。

また数キロ先離れたCIAのアジト(GRSの居場所)と存在は極秘であり、メンバーはそこで上司から「待て」という命令を受けていました。メンバーは命令を破って領事館の大使やスタッフを助けに行きます。

(残念ながら、スティーブンス大使は命を落としました。)その後、スタッフを救出してCIAアジトに戻りますが、今度はそこで何度も襲撃され、援軍や救出隊が来るまでGRSメンバーが時間稼ぎをして激しい攻防を繰り広げます。

しかし、結局、最後までアメリカ軍の援軍は来ませんでした。最後に来たのは現地のリビアの味方の軍でした。

オバマ政権&国務長官ヒラリー・クリントンは米国民を見殺しにしたと非難されました。ネット上では本作もなかなか公開されていなかったので、今年の大統領選への影響のためではと囁かれています。

この事件を調べれば調べるほど、ヒラリー・クリントンを大統領にするのはナシやわ~と思わずにいられません。トランプもなしだけど…。

 HKennedyさんが詳しく説明されています。

hkennedy.hatenablog.com

当時のニュース。写真で当時の様子が少し分かります。

www.afpbb.com

登場人物

さて襲撃された米領事館から大使ら米国人を救出するために活躍した方々ですが、髭を伸ばしている人が多いんですね。ヘルメットかぶって装備しちゃうと顔があまり見えずにみんな髭面なのでなかなか見分けるのが大変だったので、画像付きで紹介します。

タイロン・ウッズ(通称:ローン)

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ネイビーシールズ出身。頑強。シールとして20年間務め、ソマリア、アフガニスタン、イラクの任務で青銅星章を授与される。結婚歴2回、3人の息子がいる。看護師でもあり救命士でもある。家族と過ごす時間を大切にしたいと今回を最後のミッションにすることに。

ジャック・シルヴァ

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ネイビーシールズとして10年間コソボや中東で任務にあたる。内省的で頭脳明晰。既婚、娘が二人。家族と時間を過ごすために38歳でネイビーシールズを除隊し、警備員の仕事と不動産売買の仕事の二束わらじ。良き友人のタイロン・「ローン」・ウッズと組むことが多い。

ジョン・タイジェン(通称:ティグ)

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元海兵隊軍曹。アフガニスタン、パキスタン、イラクでの軍務を経て、CIAのグローバル・リスポンス・スタッフ(GRS)に加わる。冷静沈着で穏やかな物腰。既婚、双子の赤ちゃんがいる。ベンガジではこれが3度目のGRS任務。

デイヴ・ベントン(通称:ブーン)

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元海兵隊軍曹。前哨狙撃兵として狙撃任務以外に偵察、斥候、接近戦を専門とする。イラク、アフガニスタン、ハイチの紛争地域における戦いで賞を何度も授与。既婚、3人の子供がいる。

マーク・ガイスト(通称:オズ)

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海兵隊に12年間。対テロの指導者、ペルシア語の通訳も兼ねた。故郷コロラドに戻ったあと、現地の警察署長を経て、イラクのちリビアのベンガジにGRSとして勤務。

クリス・パロント(通称:タント)

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陸軍、州兵として8年間南アメリカ、中央アメリカ、中東、北アフリカで任務にあたる。既婚、二人の子供がいる。

グレン・ドハーティ(通称:バブ)

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元ネイビーシールズ。領事館襲撃が始まった後、首都トリポリから647km離れたベンガジへ救出しに行く。42歳、離婚歴あり、子供なし。気さくな性格で、カリスマ性があり、規律を重んじた。ネイビーシールズ時代からタイロンとジャックと交流がある。トリポリでもタントと仕事をしたことがある。

 

「13時間~ベンガジの秘密の兵士~」の感想

登場人物はタイロンが格好良かった!

鍛え上げられた身体もすごい立派です。(うっとり~)

ブラピのワールド・ウォー・Zでも軍のキャプテン役やってたのね。軍人役が似合いますね~。

あとマーク・オズ・ガイストも恰好良かったな~。上からは待機命令が出て下は命令無視して救出に行っちゃった後にCIAのアジトでおろおろする上司に代わってテキパキと指示してましたが、こういう非常事態に何をすればよいか分かって指示を与えられる人というのはアメリカでも稀だったりします。実践積んでないとできないことです。

タントも途中からいい味を出してくれます。

CIA捜査官のソーニャさんという金髪女性の方がいるのですが、この人にいちいち苛立ちます。GRSのメンバーが護衛をするんですけど、仕事で会食中とかに中断させられてしまうことで毎回文句ばっかり言うんですよ。

無理やり駆り出された通訳の青年がめっちゃ気の毒…道の途中で、道路封鎖に遭い、ミカタか敵か分からず、通訳として聞いてこいみたいに言われるんです。この俳優さんいい味出してました。

そう、俳優陣は良かったと思いますよ。しいていえば、ジャック・シルヴァはもうちょっとタフなルックスの人が良かったなー。カリフォルニアの有名大学に通ってそうなルックスなのよね。軍人役はイケメンより渋めで目ヂカラある貫禄あるタイプが似合う。

いざ命令を無視して領事館に向かう途中、なんと車の中でジャックのコンタクトレンズがズレてしまうというまさかの展開。元ネイビーシールズなのに在籍中にレーシック受けとかなかったの?とか少し思いつつ、非常事態にも関わらずジャックが「見えねー!これじゃ行けねーよ!」て言ってます。

同じくコンタクトの私はジャックの気持ちが「わかる!!コンタクトずれたら痛いし見えない!」と妙に共感してたら、タイロンが「直せ。お前ならできる」みたいに冷静にジャックにアドバイス。このくだり必要?

しっかし異国でしかも反米の国で民兵が攻め込んでくるって、これほど怖いことないですね。援護もなく、だんだんと建物の奥へ追われていく恐怖…考えただけで身震いしてしまいます。

それなのに…マイケル・ベイ師匠のおかげで恐怖心が半減・・・途中で「あれ?トランスフォーマー見てんだっけ?」みたいなデジャブ感。位置関係が把握しづらくて、「あれ?今、領事館の入り口付近で敵側とすれ違ってたよね?」ていうときも。敷地内は誰が敵なのか味方なのか分からない!

で、誰か救出したあとに「門を出たら左だぞ左!!」て何回も言ってんのに右に行っちゃうのはなんで?混乱してるから?

でも、その後のカーアクションはすごかった。

接近戦での集中砲火!!

防弾仕様のSUVはベンツ?

集中砲火食らっても火炎瓶食らってもRPGちょっと食らっても走ってましたよ!

タイヤは燃えたままでも結構走るのか…それとも特注タイヤなのか…

ぼろっぼろの車を見て、無事に戻ってきたジャックが「だから左って言ったのに。」とか言っててツボッた。

命令を無視してわずか数名で救出に向かいに行っちゃう元ネイビーシールズの方々にはただ敬服。私の旦那はネイビーなので、たまにネイビーシールズの話も聞くんですが、相当すごい人たちです。

旦那やネイビーの友人の話を聞く限り、ぶっちゃけネイビーの90%はチキンらしいんです。

え?あの天下のアメリカ様のネイビーの殆どがチキン?なんて信じられないかもしれませんけど、話を聞く限り、そんな様子です。(ネイビーについては面白い話が結構あるので、今後話せる範囲で紹介していきます。)しかしネイビーシールズは別。ネイビーで自信満々の人がネイビーシールズに応募してテストに行ったものの4時間でギブアップして帰ってきたらしいですからね。

そして救出命令を出さない上層部にいら立ち…CIAのアジトが攻め込まれているのに、空からの援護もなし…おまけに救出のヘリなんかも飛ばさない。これじゃあオバマ&ヒラリー、批判されて当然だわ。

扱う題材はいいんだけど、マイケル・ベイらしく、襲撃の背景も、救出命令を出さない上層部は誰なのかという批判もなし。襲撃された原因についてはタイロンがちょこっと言及しただけだし、とにかくマックスなアクションシーンを短めにたくさん入れればいいっていう展開とマイケル・ベイのヒーロー仕立てにはどうしても冷めちゃうなぁ…。

マイケル・ベイの映画って心に残らないさない映画だよね。とにかくアメリカ人を英雄に仕立てれば満足しちゃうような。人物の性格とか感情描写とか、この監督ほどへたくそな人いないと思う。登場人物が格好いいセリフを言ったり、仲間に家族の話や胸の内を話す感動シーンで流される盛り上げBGMとかが逆に私の気持ちの高ぶりをトーンダウンさせてしまうんです。いかにもなBGMいらないって!!

事件のきっかけは、イスラム教の預言者ムハンマドを冒涜した映画がネットで公開され反米感情が高まったことに端を発しているわけですが、2015年にフランスの新聞社が襲撃された事件も、フランスの新聞社シャルリー・エブドが イスラム教を冒涜する風刺画を度々掲載していたことが原因でしたね。「表現の自由」は行使するけど責任は取らない姿勢に私は疑問を抱かずにはいられません でした。フランス人はシャルリー・エブド新聞社を支持しているようですが、興ざめです。そもそも信仰で笑いをとる姿勢自体が不愉快だし、笑いをとるなら他 にいくらでも題材はありますからね。

マイケル・ベイじゃなかったら…

他のプロデューサーに製作してもらいたかったわ~。そしたらきっとブラックホークダウンに並ぶくらいは評価されてたと思うんだよね…。プロパガンダくさくても。

「グリーンゾーン」や「ジェイソンボーン」シリーズのポール・グリーングラスとか、ポール・ハギスも悪くないかもしれない。

ブラックホークダウンのリドリー・スコットが作ってもアメリカのプロパガンダ映画になっちゃうけど、少なくともマイケル・ベイの軽いノリは払しょくできて、重厚感が出たはず。扱う題材が超ヘビー級なんだからやっぱりマイケル・ベイってのはナシだよね。

あと王道でオリバーストーンとか。

私的には「ゼロ・ダーク・サーティ」「ハート・ロッカー」「ハートブルー」のキャスリン・ビグローを推したい。アメリカ万歳的な要素はやっぱり抜けないけど、個人的にこの監督の映画の雰囲気が好きなので。

でもこういう題材、嫌いじゃないわー。どうしても片側の視点に偏ってしまいますけどね。

13時間は、dTVで視聴できます。

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