低予算ながら前評判が良かったスリラー映画
「ドント・ブリーズ(原題:Don't Breathe)を視聴しました。
所要時間は85分くらい。
日本で12月6日公開予定です。
原題のドント・ブリーズ(Don't breathe)は、文字通り「息をするな」「息を殺せ」という意味です。
以下、予告編以上のネタバレはしてません。
「ドント・ブリーズ」のあらすじ
あらすじはいたってシンプルです。
3人の若者が空き巣強盗しに入ったところ、家の住人が盲目だけど耳が良くておまけに強いという凄腕の退役軍人のおじいちゃんだったという展開で、逆に自分たちの命が危なくなるという話です。
緊張するわ!
シンプルだけどおもしろい設定ですね。
詳しいあらすじはというと…
ロッキー(女)、アレックス(男)、マニー(男)の三人は、「現金には手を付けない」というルールでデトロイトで空き巣を繰り返していた。(現金を盗むと刑が重くなるため)
ロッキーは、父親が小さい頃に家を出て行き、幼い妹とネグレクトの母親とそのボーイフレンドと一緒に貧しい暮らし。金を手に入れて妹と一緒にカリフォルニアに行こうと夢見ています。
盗んだ物を転売してもあまり金にならないので、ある日マニーが現金30万ドルをもっているという身寄りのない退役軍人の情報を入手します。退役軍人の娘が金持ちの女性に轢かれて死んだことによる示談金のようです。
アレックスは現金はダメだと反対しますが、二人に押され、空き巣強盗を決行することになります。
退役軍人の家の下見をしているときに、彼が盲目であることを知る三人。「仕事」は簡単なモノになると思った三人でしたが…
左からロッキー、アレックス、マニー Photo by Gordon Timpen - © 2016 CTMG, Inc
「ドント・ブリーズ」登場人物
ロッキー
Photo by Gordon Timpen - © 2016 CTMG, Inc
ネグレクトの母親とその彼氏、幼い妹と貧しい暮らしをしている。お金を手に入れて、幼い妹を連れてデトロイトを出てカリフォルニアに行こうと計画している。
マニー
Photo by Gordon Timpen - © 2016 CTMG, Inc
ロッキーのボーイフレンド。窃盗で少額をこさえるのに嫌気がさして、大金狙ったろと一念発起。
アレックス(左)
Photo by Gordon Timpen - © 2016 CTMG, Inc
警備会社に勤める父を持つアレックス。左で隠れてる青年ね。
右は退役軍人の盲目のおっさん。
「ドント・ブリーズ」感想
なにこれ面白い。
退役軍人の家に強盗に入る前に、ロッキーの身の上話があります。荒廃したデトロイトのトレーラーパークで、働かずに遊んでいるネグレクトの母親とその彼氏と住んでいます。ロッキーのまだ幼い妹ディディがそこでご飯を食べています。
このシーンはアメリカの白人貧困層そのもので、少しのシーンですがとても現実的に描写されています。
デトロイトの荒廃した雰囲気もよく出ています。こんなところに住んでいたら夢も希望も見れないわな…撮影はデトロイトの2488 Buena Vista St.です。憂鬱なドヨーンとした雰囲気がよく出ていました。ただし、家の中はハンガリーのStern Film Studioというスタジオで撮影されています。
退役軍人のおじいちゃんもゴーストタウンに住んでいるという設定なので、家の中でのアクションもいっぱいです。個人的には、なんの映画でも真っ暗なシーンが好きじゃないので、真っ暗なシーンをのぞけば概ね楽しめました。
犬ロットワイラーもでてきて大活躍です。
こんなの。よく悪者扱いされちゃう犬ね。こんなにカワイイのに。
ちょっとクジョーみたいになってたよ!
三人が侵入する際に出す音とか、いちいち撮り方がうまい。築1920年代の家だから、フローリングもきしむし、かといってどこがきしむか分からないし。これは映画で見たほうがいいかもしれないなあ…音響とか大事だし。
映画館だと、めっさ緊張しそうですね。私はパソコンで観ましたが、映画でなかったら、少なくとも夜中シーンとしているときにこっそり一人で見たほうがいいです。
退役軍人のお爺ちゃんは、耳がいいだけじゃなくて目が見えなくても凄腕で、おまけに鼻までいい。とはいっても超人的な力を出すわけじゃありません。自分の家の中だから地の利があるだけ。
そしておじいちゃん絡みでツイストもあって、けっこう見ごたえありました。ただ、あのツイストはあんまり好きではないな。なんか、白い気持ち悪いシーンもありましたよね。あれはちょっと悪趣味…
でもお爺ちゃんに少しダークな面を出しておいたのは、視聴者のためでしょう。なんの罪もない退役軍人のお爺ちゃんが家宅侵入され、数千万も盗られてヒドイ目に遭ったら、視聴者がいたたまれなくなるから。ここらへんが逆に私は嫌いな点でした。
まあ、最初の方に伏線があったので、だいたい予想はついきましたけどね。
低予算でここまで取れる、いい例のひとつです。死霊のはらわたのサム・ライミの名前が監督の一人に加わってるじゃないですか。やっぱうまいと思った。
ポップコーン食べながら友人とまったりホラー見たいねって時におススメの一作です。
評価:70点