ようやく見ました「The Infiltrator(原題)」
邦題は「潜入者」となりました。
日本公開は2017年5月13日です。
本作は実話に基づく麻薬潜入捜査官の話です。
2016年の作品。
所要時間は120分ちょっとで長めですが、全然長いと思わなかった。むしろもっと見ていたかった。
コロンビアの麻薬王パブロ・エスコバールのマネーロンダリングに潜入した捜査官の実話に基づく話。
もう聞いただけでゾクゾクする話。
おまけに主演はブレイキング・バッドの主人公ウォルターを演じたブライアン・クランストンときたら、もう見ない理由がみつからない。
そんな設定だけでもドキドキワクワクしてしまうくらい、楽しみな映画でした。
パブロ・エスコバールとは?
麻薬王といえば、コロンビアのパブロ・エスコバール。貧しい生まれながら世界で7番目の富豪に選ばれたこともあり、国会議員にまで登り詰めた犯罪者です。飛行機の爆破まで犯しているため、彼によって殺された犠牲者は何百人にも上るとと言われています。
ネットフリックスでもこのパブロ・エスコバールを描いた「Narco(ナルコ)」が現在シーズン2まで放映されています。
まだシーズン1しか見ていないのですが、なかなか面白かったです。
ナルコはパブロ・エスコバールの視点が多く描かれていますが、The Infiltrator は敵対する捜査官の話なので、両方見比べると面白いと思います。
パブロ・エスコバールは1949年生まれで、1993年に射殺されています。
パブロ・エスコバールの麻薬王としての概要はこんな感じです。
1980年代、メデジン・カルテルは販売ルートを拡大して、ペルーとボリビアから持ち込んだ良質のコカインをメキシコ、プエルトリコ、ドミニカに売り込んだ。
その後も販売ルートを拡大して、南北アメリカ大陸や一部アジアとも取引するようになりコロンビア政府やアメリカ政府と激しく対立するようになる。
最盛期のメデジン・カルテルは、世界のコカイン市場の8割を支配し年間最大250億ドルの収入を得ていたと見積もられ、エスコバル自身も世界で7番目の大富豪としてフォーブス誌に取り上げられたこともある。
エスコバルはコロンビア政府やアメリカ政府の敵であったが、貧困層の住宅建設、サッカースタジアム建設などの慈善事業に熱心で、無知で無学な貧困層を中心とした一部のメデジン市民の支持を得て彼らの英雄となった。
援助を受けたメデジン市民の中には、自ら警護役や見張役をかって出てエスコバルの身を官憲から守る者もいた。
1982年には与党・コロンビア自由党に所属する上院議員となったが、翌1983年にはカルテルとの関係が露見し職を追われた。
(出典:Wikipedia)
このパブロ・エスコバールのドラッグマネーを洗浄する役割を潜入捜査官が努めたわけですから、すごい計画です。
映画「The Infiltrator(潜入者)」の感想
いや~すごい!!
文句なし!
これはきっといい映画だろうと予想してたけど、予想を上回る最高の映画でした!
こんな骨太映画みたの久しぶりだよ!
私はめったにDVD買いませんが、この作品はDVDでたら欲しい!
実はパブロ・エスコバール役は本編の後半に一度だけちらっと顔を見せるだけです。
「あれっ?今のパブロじゃね?」ていうぐらい。本当に1~2秒しか出ません。
パブロは麻薬カルテルの頂上に君臨する人なので、主人公の捜査官ロバート(ボブ)・マズールはパブロに仕える人たちとディールをしていく形でストーリーは進行します。
しかも出会う人たちがだんだん大物になっていく、つまりピラミッドの階層をあがっていく感じで、ドキドキハラハラが増していく!心臓に悪い!
あと、80年代の雰囲気が楽しめます。
80年代なので、捜査も今とは全然違います。それがまたスリリングなんだな。
たとえば盗聴一つにしても、悪人と潜入捜査官が居間にいるのに、同じ家のベッドルームのクローゼットに隠れて盗聴してるとか。すぐ見つかっちゃいそうなのに!アタッシュケースの録音機器とかも。ハラハラドキドキでした。
ロバート・マズール(ボブ)by ブライアン・クランストン
Photo by Liam Daniel - © © 2016 Broad Green Pictures
ブレイキング・バッドも良かったけど、本作もいい!
潜入捜査中にヤバイって思うときが何度もあるんだけど、そのときの微妙な表情とかがうまくて、余計にリアル。
ロバート・マズール捜査官は、心配する妻にこれが最後のミッションだと言っていたのですが、実際はその後も現役を続けたそうです。今も奥さんと一緒です。
エミール・アブール by ジョン・レグイザモ
Photo by Broad Green - © © 2016 Broad Green Pictures
ジョン・レグイザモもよかった。
潜入捜査官が似合いすぎる。
実際に目の前で人がが殺された時なんかの演技もすごくリアルで良かった。
キャシー by ダイアン・クルーガー
Photo by Liam Daniel - © © 2016 Broad Green Pictures
ダイアン・クルーガーも出てたなんて知らなかったので、出てきてびっくりしたけど、ダイアン・クルーガーも良かった。
彼女は美人だけど主役を邪魔しない役が上手。映画の終わりに実際のキャシーの写真も出ますが、実際のキャシーも美人で可愛い人でした。
キャシーは本当にこれが初めての潜入捜査であり、そして最後の潜入捜査でもあったというところが興味深いです。あんな大変な思いをしたら二度とやりたくないですよね…。でもその後もマネーロンダリングを摘発する仕事に就いていたそうです。
ロベルト by ベンジャミン・ブラット
Photo by Liam Daniel - © © 2016 Broad Green Pictures
エスコバールを含む麻薬カルテルの役員たちと直接連絡を取るロベルト役にベンジャミン・ブラットと超豪華。
ベンジャミン・ブラットがかっこよすぎて惚れそうになる。
男気がある役!(実際のロベルトはこんなに格好良くないけど。)
以前も家族ぐるみで仲良くなった友人がネイビーシールズだったり、とことん見る目がないというか…それはそれで気の毒とも思っちゃうくらいベンジャミン・ブラットが格好良すぎて困りました。
ドム(ドミニク)by ジョセフ・ギリガン
Photo by Liam Daniel - © © 2016 Broad Green Pictures
本作で私が気に入ったのはこの人。ドムを演じたジョセフ・ギリガン。話すのを聞いて「あれ?イギリス人かな?」と思ったら本当にイギリス人だったので、英語は少しブリティッシュアクセントが残ってますが、脇役だけど印象的で、存在感がありました。ドムは死なないで~!と必死に思いました。
ジェイソン・アイザックがお年を召していて気付かないところでした。(上の写真、右)
先日レビューを書いた「ゴーン・ベイビー・ゴーン」でジャンキー中毒の母を演じたエミー・ライアンがなんとオペレーションの指揮を執る上司役で出てます。彼女も良かった!それにしてもあちらの俳優陣は映画によってまったく雰囲気が違ったりして、時には気付かないことも多々あるぐらい演技派が多いですね。
とにかくこの映画は見て欲しい一作!見て損はありません。
評価90点