8月31日にAmazonで配信開始された【トム・クランシー/CIA分析官 ジャック・ライアン】のシーズン1前半の感想です。
ジャック・ライアンは、トム・クランシーの小説で有名な「CIA分析官ジャック・ライアン」シリーズをドラマ化したものです。
【トム・クランシー/CIA分析官ジャック・ライアン】シーズン1を見始めた感想
シーズン1は全8話、前半戦の感想です。
ネタバレ注意
【トム・クランシー/CIA分析官 ジャック・ライアン】シーズン1前半の感想
世界のTOYOTA
まずは世界のトヨタの凄さを褒め称えておこう。中東の武装勢力のTOYOTAピックアップ好きは異常!中東だとランクルも人気でしょ?ISISのプロパガンダ動画でも軒並みトヨタ乗ってたもんね、まるでトヨタのCMのように。あれはトヨタとしても複雑な心境なんだろうけど、広告に悪い広告はないからね。
我が家のピックアップはドッジなんだけど、義兄もTOYOTAのピックアップ乗ってるんだよね。確かツンドラとかいうやつ。お気に入りらしくて、滅多な事じゃ乗らずにガレージにおいてあるんだけど、一度乗ってみたら乗り心地良すぎてビックリした。とりわけドッジみたいな乗り心地最悪のピックアップに乗ってたからかもしれん。
ちなみにドッジとシェヴィーは作りがシンプルで整備しやすいけれど、フォードは複雑すぎて整備が大変だってよ。だからアメリカ在住の皆はフォードは避けた方がいいかもだよ。
5代目ジャック・ライアンのジョン・クラシンスキー
さて主演のジョン・クラシンスキーにドラマを牽引できるだけの力量があるかどうか今一つ不安でしたが、やはりちょっと存在感が薄いかな。
二代目ジャック・ライアンを演じた、同じような顔面偏差値だったハリソン・フォードは、危機の中ふつうのおっさんとしてビビりまくりながらも存在感抜群だったもんね…
ジョン・クラシンスキーは一応79年生まれでジェネレーションXの俳優なのに、あんまり個性ないよなぁ。
本ドラマの前半では、観察眼は鋭いものの、けっこうなドジっ子ぶりを見せて周りの人を死なせたりしてました。
第2話でフランスのアパルトマンから弟アリが逃げるシーンがありましたが、それに気づいて追うも、ジャックすぐあきらめちゃうんですよ。後ほど「人が多い」とか言い訳しやがって。
しかもアリが血を流しているのをジャック・ライアンはおそらく知っているのに。痛手を受けているのだから追いかけてもすぐに追いついたはず。故意に見過ごしたのではないか、とCIAに疑われても仕方ないくらい不自然でしたよ。
でもキャシー中島は早々に射止めたけどね。水道管の工事屋みたいな名前しやがって。
スリマン兄弟
前半戦はジャック・ライアンやCIA、フランス警察たちより、テロリスト側の話の方が見せ方がうまかったね。とりわけスリマンの弟が存在感を発していて、妙に惹き込まれましたよ。ほとんど言葉を発さないのに彼の心情が伺えた。
スリマン演じる俳優はイスラエルのナザレ出身のパレスチナ人で「キングダム~見えざる敵~」「ローン・サバイバー」「ワールド・オブ・ライズ」など中東紛争映画によく出ています。55歳くらいかと思ったが、こう見えてアラフォーよ!
スリマンの妻ハンニ
第2話だったか、スリマンの美しい妻ハニンが裸体になって夫とのベッドシーンがあったのも印象的。ただでさえヒジャブで顔以外はすべて隠している女性がナイトガウンだけを纏っている姿でさえ魅惑的なのに、まさか裸体を見せるとは思わなんでした。現実世界でもイスラム圏の女性の美は普段はヒジャブの下に隠れていますから、女性でもドキリとしてしまう官能美でした。
ハニン役の女優はサウジアラビア出身ですが、現在はアメリカのNY在住です。映画やドラマであっても中東の外見の女性がヌードを披露すると、老婆心ながら心配してしまうんですよね。中東を訪れたときにイスラム原理主義の武装集団にでも襲われるんではないかと。最近はインターネットでもイスラム教の女性がヌードを晒しているのも見られるようになりましたけど…
ドローン・コントローラー
また第3話でドローンのコントローラーが、人を爆撃する罪悪感からメンタルをやられている様子も描かれているが、ラスベガスで出会ったおかしな性癖の夫婦は現実離れしすぎ。てっきり夫婦がメインストーリーに絡んでくるのかと思ったが、どうやら単なる変態夫婦なだけのようだ。
見どころは第3話のハラハラ逃亡劇
第3話のドキドキ感は異常。なぜならスリマンの美しい妻ハンニが子ども(とりわけ娘)を守るために逃亡するからだ。ハンニは叔父の力を借りてパスポートを入手するも、当然と言うべきなのかスリマンにバレててパスポートを燃やされる。
実はその前にハンニは夫スリマンに無理やりゲームに参加させられ、子どもたちの前で「How I Met Your Mother」つまりお父さんとお母さんの出会いを聞かされる。
イスラム原理主義地域ではしばしば見られることだが、ハンニは16歳で結婚していた。それも自分の父がスリマンに差し出した形だ。「ちょうどお前くらいの年だった」と自分の娘サラいうスリマンに背筋が凍るハンニと私。その中で一人だけおとぎ話を聞いているかのように笑みを浮かべる可愛らしいボンクラ息子。男ってやつは、というやつだ。
身の危険を感じたハンニは「もーういいよお前は男だから!声大きいって!」なんて思ってすぐに娘二人だけを連れて、おそらく叔父が用意した車で逃げる。ところが生物学的な女の不安を察することができない息子は一緒に行こうとしないどころか、よりにもよってパパン(スリマン)に告げ口しに行っちゃう。どこまでいってもぼんくらな愛しき息子よ。
仕方がないのでハンニは娘二人だけを連れて車で逃亡!ところがトルコ国境まで80kmのところで車がエンコというお約束もしっかり忘れない!ハンニたちが一番近い町へと歩き出すところから、ドローンのところまで息を尽かせぬ展開が続く。
ドローンのコントローラーである男性はかなりメンタルをやられていたようだが、逆にそれが幸いしたのかもしれない。キリスト教国のアメリカと反目するイスラム教国(ここではシリア)出身のハンニが、アメリカ軍のメンタルやられたドローンのコントローラーが軍規を破って落としたドローンにより救われた後、「神が守ってくださったのよ」と娘たちに言うセリフも皮肉が効いている。
この辺りが好きな人は海外ドラマ「ホームランド」や児童婚から娘を救うために逃亡した映画「娘よ」、「灼熱の魂」あたりもおススメ。
「娘よ」映画のあらすじ&感想~児童婚から10歳の娘を救え!母子の逃避行
思えば#metoo運動が盛んなのにイスラム圏で抑圧され人権を奪われている女性やネイティブアメリカンの女性、ウイグルやチベットの女性、アフリカの紛争地域の女性、東南アジアの児童売春、児童買春については全くスポットライトが当たっていないどころか、無視され続けてる。
さらに悪いことに、うら若き乙女が憧れる国連様の名を借りながら、米国に「政治的偏向のはきだめ」と言わしめた国連人権委員会は、こうした女性の人権侵害は無視して「日本の慰安婦への対応が気に食わない」としつこくイチャモンをつけてくる。
つくづくこの世はダブルスタンダードで不平等な世界である。ということで無理やりまとめました。