ミセスGのブログ

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【トム・クランシー/CIA分析官ジャック・ライアン】シーズン1見終わった感想

トム・クランシー/CIA分析官 ジャック・ライアン感想

8月31日にAmazonで配信開始された【トム・クランシー/CIA分析官 ジャック・ライアン】のシーズン1を見終わった感想です。

ジャック・ライアンは、トム・クランシーの小説で有名な「CIA分析官ジャック・ライアン」シリーズをドラマ化したものです。

【トム・クランシー/CIA分析官ジャック・ライアン】シーズン1を見始めた感想

シーズン1は全8話です。

ネタバレ注意

 

【トム・クランシー/CIA分析官 ジャック・ライアン】シーズン1あらすじ

元海兵隊のジャック・ライアンはCIA分析官として働き始める。

ジャックが動向を監視していたシリアのスリマンという男がテロを目論んでいることが明らかになる。

スリマンの妻ハンニは成長する娘二人の身を案じ、娘二人を連れて決死の逃避行に出る。

ハンニの情報提供により、スリマンの居場所を突き止めたアメリカだったが、一足違いでスリマンを逃がしてしまう。

 

【トム・クランシー/CIA分析官 ジャック・ライアン】シーズン1見終わった感想

トニーTHE MAN

後半戦は、スリマンの妻ハンニと娘二人がスリマンの追手(ドローンでやられたのに生きてた男)を逃れながら沿岸を目指すところから始まる。同時にジャックとグリアは現地のトニーという人身売買や密入国を斡旋する男の協力を得て、ハンニを探す。

このトニーという男の存在たるや、あっというまにジャック・ライアンの存在をスクリーンから消し去ってくれる。

現地の警察の協力を仰ぐべきだという実直で清廉潔白なジャック・ライアンは、女たちを薬漬けにして売春をさせているトニーと同じ空気を吸うことさえ耐えられない青二才だ。

ジャック友達のジャック・バウアーとは正反対。ドラマとしてはジャック・バウアーや「ホームランド」のキャリーみたいに、必要あらば法も破る、毒を以て毒を制す系キャラの方が実はおもしろいのだ。

上司のグリアはハンニを探すには警察ではなく現地のアンダーグラウンドの人間つまりトニーが必要だとジャックを諭す。クラシンスキーもイマイチだが、グリア役もイマイチ迫力が足らない。

ジャックが新米ルーキーなんだから、上司のグリアには百戦錬磨を感じさせる狡猾な人が必要だ。グリアはどっから見ても性格のいいクマさんにしか見えないのである。そして丸い。ゲイリー・シニーズとかエド・ハリスとか、もうちょっと渋オヤジを入れて欲しかった。

沿岸に向かう途中の通過ポイントでトニーが勝手に門番を殺したことでジャックは「レイプ魔のくせに殺人まで犯しやがった」と爆発、トニーに殴りかかる。ジャックはグリアに制止される。

トニーは死体を漁っていると思われ「車に乗れ!」とグリアに怒られるものの、実はゲートのカギを探しているのだ。「お前らのためにカギ探してんだよ!!」と怒ったのは私だけじゃあるまい。

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鍵探してんねん

たとえ怒られても殴られても分からずやのCIAエージェント二人に向かって「ゲートのカギ!」を二度くり返すデキる男、それがトニー。

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ゲートの鍵やねん!

その後もトニーは、沿岸で追手の男ヤッツィーと密入国業者とジャックたちが三つ巴のガンポイント修羅場を繰り広げるも、コミュニケーション能力だけで交渉をまとめ上げ、グリアが発砲したあともその場を抑え込んでノーモア死傷者を成し遂げるトニー、凄い男である。

ジャック・ライアンの上司はむしろこいつにすべきだった。

次回はジャックがロシアに行くみたいなので、核関連でトニーが情報提供者として出てくることを期待したい。

 

ドローン・コントローラー

メンタルきたしていたドローン・コントローラーの贖罪旅行は陳腐すぎて反吐がでた。アメリカ側の罪悪感をこの男に着せてちょこっと見せとくか、みたいな安易な演出は要らないんだよ。

あいつがイスラム教に改宗してテロに加わるとかそういう流れなら分かるのだが、チープな罪悪感をちらっと挿入してくるという根性が気に食わない。まるで殺された男の父と息子が許したかのような恣意的な描写、相手の心情まで都合よく解釈してしまうこの自分勝手さはアメリカの良くないところだ。

 

ストーリーはシンプル

8話ということもあってストーリーはCIAものらしくなくシンプルである。ホームランドを見てしまっている者としては、やはりストーリーにもう少しひねりが欲しかったところ。ホームランドは最後の最後まで予想できなかったりする。

その分、イスラム原理主義圏からの妻子の脱走劇によって緊張感や同情を誘う感情的な演出が組み込まれていたので、バランスはなかなか良い。ホームランド見てみたいけど濃厚で難解なんでしょ?という方にはベストなドラマだろう。

スリマンの最後はちょっとあっけない。ジャックと対面して会話を少し交わすだとか、視聴者としては何らかのエピローグ的シーンを奪われたようでならない。

スリマンがどうしてイスラム原理主義に傾倒したかが全部しょっ引かれているのも残念である。白人社会での偏見によって就職さえ門前払いという状況や、弟と二人で中東出身の外見だけで犯罪者のように扱われた過去を描いているのに、原理主義に傾倒するような心の機微をまったく描いていない歯抜けぶりにズッコケそうになる。

刑務所に入ってから変化したようだが、どこがどうなって過激になったのか。そこから弟も引き込んでいくプロセスもそっくり抜けていた。それなら10話にして2話ぐらいスリマン兄弟に使えば良かったのだ。

 

5代目ジャック・ライアン

力不足。当初は新米CIA分析官ということでジョン・クラシンスキーの実直なイメージが一見マッチしているかのように思えたが、ドラマの主役としての魅力は感じられなかった。

「オザークへようこそ」や「ベター・コール・ソール」でも見られることだが、最近はカリスマ性のある主役がドラマを牽引する形から、凡庸な主役を他のキャラがサポートする形のドラマが増えている。映画でもそれは見られるので、それが昨今のトレンドというところか。

同時にライアンとタッグを組む上司グリアも力不足。二人の間にケミストリーが感じられない。スリマンの妻ハンニを巡ってビーチで三つ巴の一触即発状態になったときのグリアは英断をしたが、グリアがあの行動に出たなんて、とうてい信じることができない、それほど説得力と威光が感じられない上司だ。

ライアンにしても元マリーンという割にはちっともマリーンらしくないし、過去に自分の選択のせいで仲間を多数死なせたという重荷を背負わせるにはライアンが通俗的過ぎた。

トム・クランシー/CIA分析官 ジャック・ライアンはAmazonプライムでシーズン1全8話を見れます。