ミセスGのブログ

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【殺人鬼との対談:テッド・バンディの場合】Netflixドキュメンタリードラマ感想

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殺人鬼との対談:テッド・バンディの場合

ここ1週間ほど確定申告のおかげで動画や購読しているブログもろくに読めず、フラストレーションが募る日々でしたが、やっと日本の確定申告だけは終わったのでホッと息をつき、抹茶ラテを飲み、師のマン節を読んでいたところでございます。 コリン節かと思いきゃマン節という裏切りを受けつつも、マンの見事な批評に鳥肌を立たせながらの執筆となります。

Netflixオリジナルドキュメンタリードラマ【殺人鬼との対談:テッド・バンディの場合】を観ました。

シカゴマフィアといえばアル・カポネ、眉毛といえばコリン・ファレル、野人といえば旦那、連続殺人鬼といえばテッド・バンディというくらい有名なアメリカ映画風にいえば全米震撼てやつのテッド・バンディです。

テッド・バンディを扱った動画や本はそれこそ無数にあり、まさに連続殺人犯王国の王様に最も近い存在である、人々を憑りつかせて止まない悪魔でございます。

最近ではサンダンス映画祭で「Extremely Wicked, Shockingly Evil, and Vile」というテッド・バンディを扱った映画もプレミア公開されたばかり。

同作品はザック・エフロン主演ということも手伝ってか、テッド・バンディをチャーミング化する動きも見られ、Netflixも本作配信後に「テッド・バンディに夢中にならないで」という異例の警告を発しました。

※なお、ザック・エフロン主演の「Extremely Wicked, Shockingly Evil, and Vile」という原題は、フロリダ州対テッド・バンディ裁判で7件の罪状で有罪になり死刑判決を申し渡されたときに判事がテッド・バンディに読み上げた声明の一文である。

このようにテッド・バンディの知名度は政治家よりも高く、ビデオ屋に「テッド・バンディ」コーナーがあってもおかしくないほど、それはそれは有名な連続殺人鬼なのであります。

テッド・バンディを取り扱ったものは数多くあるのでお間違いのないよう。原題は【Conversations with a Killer: The Ted Bundy Tapes】です。

全4話のミニシリーズです。

タイトルから察するに、今後も他のシリアルキラーを取り扱っていくのでしょうか。

 

【殺人鬼との対談:テッド・バンディの場合】

原題にあるようにテッド・バンディのインタビューと担当刑事や担当弁護士、検察官のインタビュー、当時のテレビ動画を組み合わせたドキュメンタリーになっている。

担当弁護士や刑事は40年も45年も経過しているのに当時のことをはっきりと覚えているようで、テッド・バンディの常軌を逸した事件を知ればそれも納得がいく。むしろ忘れたくても忘れられないであろうと半ば同情心さえ浮かんだ。

不満があるとしたら、途中に挿入される70年代の画像を1秒に何枚もバババッと見せられること。これなんていう撮影技術ですか?暗闇で見ているせいなのか、サブリミナルでも受けているかのように気分が悪くなり不快で仕方がなかった。(しかもバンディやバンディの事件とは関係ない画像)

この4話のミニシリーズは限りなく陰湿でダークで他のどのドラマを見るよりも精神を消耗された。4話という短さのため、すべてが濃縮されていたからかもしれない。

テッド・バンディを扱ったものは往々にして彼の魅力とその残虐性のギャップにフォーカスしたものが多いのだが、本作は刑事たちの犠牲者の無念を晴らそうとする執念もしばしば感じられた。願わくば、被害者側や刑事側、検察側の視点をよりフォーカスしてほしいものだ。

 

テッド・バンディとは?

テッド・バンディは1970年代にアメリカで多数の女性をレイプ殺害した連続殺人魔である。よくは知らなくとも、誰もがテレビなどでその名を見聞きしたことはあるのではないだろうか。

連続殺人犯としてはあまりにも有名で、犯罪学の授業、FBIのプロファイリングなどモデルケースとしても取り扱われる。

テッド・バンディを連続殺人犯の有名人にたらしめたのは、ハンサムでカリスマ性のある外見と身のこなしに似つかわしくない残酷さと冷血さであろう。

テッド・バンディの手口は、強姦、こん棒などによる頭部の殴打と絞殺、凌辱、性的暴行は死後に及ぶこともあり、遺体の一部を切り取ったり、人肉嗜好も見られた。

テッド・バンディは長い間逮捕されることなく、若い女性を殺し続けた。当時はまだDNA鑑定やCODIS(FBIが作成した犯罪者DNAデータベース)、「シリアルキラー(連続殺人鬼)」という言葉さえ存在していなかったため、捜査は困難を極めた(携帯電話やインターネットも存在しない時代だ)。

結果、テッド・バンディはワシントン州、オレゴン州、ユタ州、コロラド州、アイダホ州、フロリダ州で合計30人(?)を殺害した。被害者は女子大学生を中心とした若い女性がほとんどだが、被害者のうち最小年齢は12歳の少女だった。

テッド・バンディが殺めた被害者数は自白しただけで30人となっているが、実際の犠牲者数は分かっていない。本人が被害者数を言及した際に「3桁」という言葉を使っていたこともあるし、1989年に死刑執行されたため正確な被害者数は不明だ。 

 

殺人鬼とは思えない風貌

本ドキュメンタリーにはテッド・バンディのインタビューの肉声が流れている。逮捕後、レポーターからの質問に堂々と答える動画も流れる。テッド・バンディの素性を知らなければ、どこからみてもハンサムで精悍で爽やかで礼儀正しくどこに出しても恥ずかしくない男性、そんな印象を受ける。

テッド・バンディのIQは高く、犯罪心理学や法律を学び、裁判では自分で弁論するという一面も見せた。

しかしバンディの獄中のインタビュー動画を注意深く見てみると、「女性を傷つけたことはあるか?」「女性たちを殺したのか?」という質問に対して静かに否定するものの、唇をきつく結んだり口に手をやるといった動作や、質問をおうむ返しするといった分かりやすい嘘サインを示している。

しかし動画で見るテッド・バンディは画像で見るよりずっと魅力的であることに改めて気づかされる。その素性や隠された悪魔の所業を知らなければーの話だが。彼の風貌が犠牲者数の高さにつながったことも悲劇の一側面であろう。

 

2度の脱獄

テッド・バンディはなんと2回も脱獄に成功している。1回目は裁判所の図書館から。彼の外見やスマートな身のこなしは「異常殺人犯」というイメージからかけ離れており、とても凶悪犯罪を犯すようには見えない。図書館にいる間、彼を監視する者がいなかったことからも、その様子が見てとれよう。

2回目の脱獄は、文字通り刑務所からの脱獄だ。彼は体重を激減させ、天井にある小さな開口部から看守の部屋へと抜け、看守の制服を着て正面から堂々と歩いて脱獄したのだった。

当時はインターネットもスマホもない時代なので、州間のコミュニケーションも難しく、西海岸の州で起きた連続殺人事件が東海岸のフロリダ州で起きた事件と同一犯であると結びつけるにもかなりの期間を要した。

猟奇連続殺人犯はいつの時代も存在するが、インターネットがない時代では連続殺人犯のニュースが簡単に入ってくるわけではないので大衆はその存在を認識しにくいし、捜査当局も横のつながりが薄く、データベースもない状態なので、東と西で起きた事件を即座に結びつけることができなかった。

フロリダ州で連続殺人を犯した後(12歳の少女も含まれる)、テッド・バンディは再び交通違反で逮捕されるのだが、このとき21枚のクレジットカードや複数のIDを持っていたため、フロリダ州の司法や警察は彼の素性が分からなかったのだ。

 

裁判でもはっきりと感じられるテッド・バンディの異常性

テッド・バンディがよく使った手口は、腕にギプスを巻いたりなど怪我人を振る舞って助けを請い、また容姿が良く人当たりが良いことから、捜査官を装って車に乗せ、他の場所に移動して殺害に及ぶというものだった。ひとけのある場所で白昼堂々犯行に及ぶこともあり、ナルシストな一面が伺えた。

テッド・バンディは髪の毛をセンター分けした長髪美人ばかりを狙った。彼が襲った女性たちは雰囲気がとてもよく似ており、テッド・バンディのターゲットは非常に明確であったことが分かる。

裁判では連続殺人犯のテッド・バンディが自分で自分を弁護するという前代未聞の展開となったのだが、驚くべきことにテッド・バンディは証人である刑事に殺人現場の詳細を意味なく語らせるという醜行に出た。

猟奇殺人犯についてある程度読んでいる人ならご存知だろうが、猟奇殺人犯の彼らは空想をする。健常者は好きな人とのキスやセックスを空想するのだが、猟奇殺人犯は殺人とそれに付帯する暴行を空想する。

つまり法廷で現場検証にあたっていた刑事に殺人現場の詳細を語らせていたまさにそのとき、テッド・バンディは自身の犯行を思い返して空想に浸り、性的興奮を感じていたのである。

本作ではテッド・バンディが刑事に「部屋に入ったとき、何を見ましたか?」「腕の位置はどこでしたか?」「仰向けでしたか、腹ばいでしたか?」など証人尋問している様子も紹介しており、これは正常な人間には理解できない悍ましい一幕であった。

さらには開廷時間に出廷せず、判事に釈明を求められると、「刑務所でハラスメントを受けていてこの法廷には理解できないストレスを受けている。この法廷を法廷侮辱罪にはできないのか」などと言い訳した。

判事に人差し指を向けながらの弁明に判事は語気を荒げ「指を私に向けるな」と命令し、法廷には緊張が走った。身勝手な理由から裁判さえ遅刻、欠席しようとし、さらに相手を非難するテッド・バンディの姿に究極のナルシシズムを見た。

死刑判決を申し渡した判事のテッド・バンディへの私的な言葉が心に刺さる。

この法廷で見聞した一個人の無駄な人生は他に経験のない悲劇だ

 

死刑囚監房で子供を作る

テッド・バンディが死刑宣告後にどういった生活をしたのかまではフォローしていなかったので、本作を観て初めてしることになったのだが、どうやらテッドは裁判中に出会ったキャロルと面会時に性交渉に及び、女の子を設けていた。

キャロルには息子がおり、テッドはその孫息子と娘とキャロルの4人で監房で記念写真さえ撮影している。

テッドとキャロルは、仏語でいう「フォリ・ア・ドゥ」だと一人が語っている。

一人の妄想がもう一人に感染し、複数人で同じ妄想を共有すること

感応精神病 - Wikipedia