ホラー映画「ハッピー・ハンティング(原題:Happy Hunting)」のあらすじ&視聴した感想です。
2017年のアメリカ映画です。
邦題はまだ分かりませんが
ハッピー・ハンティング
デッド・ハンティング
デス・ハンティング
ていうところでしょうか。
追記:邦題は「ハンティング・ナンバー1」になりました。
「ハンティング・ナンバー1」あらすじ
ドラッグ&アルコール中毒のウォーレン。過去に交際していた女性が子どもを残して亡くなり、その子どもが自分の子であることを知らされます。
メキシコにいる子どもに会いにいくためにメキシコ国境へと向かいますが、立ち寄った砂漠の中の田舎町で、人間狩りのターゲットにされてしまいます。
「ハンティング・ナンバー1」の感想
人間狩りという古典的なホラー映画です。ホラー映画といってもですね、人間狩りって、ネイティブインディアンが過去に白人に人間狩りのターゲットにされてたとかいう話もありますし、KKKやネオナチのような白人至上主義組織ならまさにやりかねないことであって、映画といえどもソワソワしてしまうんですよね。アメリカは銃社会ですし、はっきりいってシャレにならない題材です。
人間狩りをフェスティバルにしている町なので、雰囲気的には2001人の狂宴に近い。ハンティングをする寸前にセルフィーを撮ったりしてて、なんか明るい。
まず良かった点は、主人公のウォーレン。ロー&オーダー性犯罪特捜班にたまに出演するディーン・ウィンタース(キャシディ役)にちょっと似てる。けっこう好み。
ドラッグもやるアル中で、社会の底辺の底辺にいるクズなんだけど、まあよくある設定で、軍隊にいたことがあるらしい。
でも重度のアル中なので、禁断症状が出ちゃいます。手が震えちゃって、歩くのもままないくらいひどい状態になります。マウスウオッシュやエタノールまで飲んじゃったりします。
アルコールが体に入るとシャキッとして、反撃できちゃったりするんですね。銃の弾一つで反撃しちゃったり、なにげにすごい。何なのあのワザ、映画史上初めて見たわ。この主人公いいわ。
ハンティングが始まった頃は、砂漠の中でハンティングって、どうやって1時間も間をもたせるんだろうと心配したんですよね。だって、こんな砂漠の中の町ですよ。
あと砂漠なので、ハンターたちから逃げられても砂漠の中で死んでしまうじゃ・・・全然水を飲んでないけど・・・なんて心配したんですが、それは私の無用な心配だったようで、ウォーレン、ずっとエタノール飲んでます。
シェリフの孫息子「ジュニア」は、フィアー・ザ・ウォーキング・デッドに出演していました。デレク役・・・デレクって誰よ・・・調べてみたら、トラビスとクソクリが出会った3人のロクデナシの一人でした。
ところどころにホラーファンが喜ぶような分かりやすいディテールが散りばめられています。自分とまったく同じ洋服を着せられているマネキンがあったり。それを見た時のウォーレンの様子もプライスレスだし。「ここには長くいるの?すぐに出るの?」とか、町にやってきた人に町人が質問するフラグとかですね。
ウォーレンがハンターの女に「何故こんなことを?」と聞くシーンがあります。すると女はこう答えます。
Shit, dude, if you gotta ask, you'll never gonna understand.
字幕だったら「あんたには分からないわ」とか「あんたには理解できないわ」とかになっちゃうと思いますが、全部の意味をくみ取ると「そんな質問をする奴には理解できない」ということです。
いつもなら犯人側からは「別にいいじゃん」的な答えが返ってくるのが王道なので、この映画は視聴者に優しいですね。
短いセンテンスですが、考えさせられます。こうした狂人的な行為の動機を聞くようなまともな精神状況では、絶対に狂人のことは理解できないのだなと。
先日のラスベガスの大量殺傷事件にも言えることですが、私たちはなんとかして犯人が狂った行動に至った動機を探そうとします。お昼の番組「バイキング」で小林旭が「バカかキ〇〇イだ」とか「銃を持つと動くものを撃ちたくなるんだ」とか色々事件を理解しようと努めてましたけど、いずれも見当違いだと思う。まともな精神性をもっている私たちには決して理解できない領域なのです。
ハンターたちの内輪もめというか、その辺はちょっと退屈しましたけどね。
というわけで、最初は砂漠でハンティングって、砂漠でウォーキング・デッドと変わらなそうだと思って心配しましたが、ウォーレンの牽引力もあって最後まで観ることができました。最後が気になりましたけど、ウォーレンらしくて(知らんけど)良かったんじゃないでしょうか。
評価:50点