日本に一時帰省して1年強が経過しました。
ハーフの娘は人生のうちの殆どをアメリカで過ごしており、日本語は1年に1~2度日本に帰国した時と母親である私との半分日常会話のみという状況での帰国でした。
自宅では平仮名・カタカナ・漢字をドリルでやらせていました。日本の子に比べると1~2年は遅れている状態です。
そんな状態で公立学校に易々と入るわけがなく。予想通り、我が子はインターナショナルスクールに入学することになりました。
日本に帰国予定で考えられるお子さんの学校の選択肢についてはこちらの記事を参照下さい↓
その後、インターナショナルスクールについて全く何も述べていなかったので、改めて学校生活を振り返り、インターナショナルスクールの実情や感想を赤裸々に述べてみたいと思います。
- お子様をインターナショナルスクールに入学させようか迷っている方
- お子様をインターナショナルスクールに入学させたい方
- 日本帰国するので選択肢としてインターナショナルスクールに興味がある方
- 入れる予定はないけど「インターナショナルスクールて実際どうなん?」と少し気になっている方
これらの方に少しでも参考になればと思います。
我が家の子供のバックグラウンドについては、上記リンク先に詳述していますが、簡単に申しますと、アメリカ人父と日本人母のハーフで、0歳から9歳近くまでをアメリカで過ごしており、日常会話はほぼ英語、アメリカ現地校に通っていました。
インターナショナルスクールにハーフの子を1年間通わせた感想
公立私立にも多様な学校があるように、インターナショナルスクールも大なり小なりその特性に差異があるはずです。学校の理念・信条・校風にも左右されるでしょうし、教師のバックグラウンドや経験等、様々な構成要素があり、一概にインターナショナルスクールはこういうものであると言うことはできませんので、あくまでも私たちの経験や体験として参考にするに留めてください。
施設が綺麗で充実している
施設は綺麗で充実していて言うことありません。
パソコンは一人一台備えられており、エクセル、パワポなどに親しむことができます。オフィスで聞いたことないソフトの名前を口にしていたので、私たち世代が知らないソフトが他にもあるんだろうと思います。
欲を言えば、クラスルームがもう少し大きいといいなぁと思いました。アメリカは国土広いからクラスルームもスクールも面積が広いのでそこはうらやましい。
クラスルームの机の並びはアメリカと同じグループ並びで、日本の公立校のように前を向くタイプではありません。
アメリカも中高生あたりは前を向くタイプになっているので、おそらく前を向いて集中力を持続できる年代になってから列型にしているのかも。小学生ではまだ気が散りやすいのかもしれないですね。
LS(ラーニング・サポート)が充実している
わが子が通うスクールは日本語が必修です。そのため、日本国籍・外国籍問わず、外国に長年いたなどの事情で日本語が遅れている子は、日本語のラーニング・サポートがあります。
通常、日本の子供たちと同じクラスでなんとかやっていける場合は通常の国語のクラスに入りますが、読み書きが殆どできない子や日本語があまりしゃべれない子は、国語の時間は日本語のラーニング・サポート・クラスにいきます。
わが子はギリギリLSに入らず、通常の国語授業を受けています。かなり大変なので「LSに入れなくて大丈夫なのだろうか」と心配でしたが、先生が判断するものなので従いました。
また、わが子は半年ほど遅れて入学したので算数が遅れています。アメリカで2年生を終えた時は掛け算・割り算はまだ習っていませんが、日本のインターナショナルスクール3年生の2学期が始まった時点では、すでに掛け算・割り算を一通り終えていた状態でした。そのため家で掛け算九九を始めたりしました。算数もラーニング・サポートがあって、今もまだそちらでお世話になっています。算数のLSは通常の授業の時間ではなく、お昼休みや授業開始前などの時間を使ってくれているようです。
さらに小学校低学年は1クラスにもう1人アシスタントの先生がついていたので、きめ細やかな指導が実現していたようでした。生徒数も少ないので、生徒対先生の比率はかなり良好です。
様々なバックグラウンドを持つ教師
教師はアメリカ、イギリス、オーストラリア、フィリピンなど多様なバックグラウンドを持った人が多いので、娘にとっては異なる英語アクセントを耳にできる良い機会です。
その中でも娘の一番好きな教師がアメリカ人だったりするので、やはり同族だと居心地の良さを感じるのかもしれません。アメリカ人教師はユーモアに溢れ、楽しい人が多いので我が子のスクールの子どもには人気があるようでした。
日本人の子と外国籍又はハーフの子の英語の会話力に差がある
日本人の両親でインターナショナルスクールに入れた場合、英語力は身に着くの?という疑問を抱く人も少なくないと思います。
率直に申し上げて、英語に触れる時間が圧倒的に少ない日本人の子と、英語圏からやってきた子たちとの間で英語の会話力に差があるように感じました。(読み書きは同等であるのに)
日本人の子は両親ともに日本人の場合が多く、両親が英語を話せないケースが多いです。また、両親ともに日本人なら必然的に英語でなく日本語で会話することになると思います。
スクールでは国語の時間のみ日本語で話すという決まりなのですが、娘の話によれば、通常のクラスでも日本語を話しているキッズが多く、教師に「英語で」と注意されることもあるようです。
わが子は日本語の日常会話はOKですが、複雑な話や込み入った話を日本語でいうと首をかしげて「Englishで何?」と聞いてきます。要はバイリンガルであっても楽な言語のほうに流れてしまうのです。
英語に触れる時間が少ないと、やはり会話力に差が出てきてしまうわけです。英語でなく日本語で会話してしまうのなら、高額な授業料を出してインターナショナルスクールに通わせる意味があるのだろうかと考えてしまいますよね。
また、公開授業を観察して思いましたが、たとえインターナショナルスクールであっても日本人の子の英語の会話力が低いであろう理由の一つに、日本人の控えめで押しの弱い性格というものがあります。
半分アメリカ人の我が子や外国籍の子は挙手が多く、日本人の子は挙手が少ない。小学生くらいだと元々の性格・性質に依るものも多いのですが、発表するときでも日本人の子はかなり恥ずかしがり屋です。さらに発表するときの会話量が前者は多く、後者は少ないのも特徴です。
娘は今のところどの同級生たちともうまくやっているようですが、やはり英語圏からやってきた子たちと遊ぶことのほうが多く、もしかしたら英語力の差が原因なのかもしれません。
これからインターナショナルスクールに通わせようと考えているのであれば、なるべく日本人が少ないインターナショナルスクールに通わせたほうが良いと思います。留学と同じで、留学した先でも日本人と群れて日本語しか話さない学生が相当数いるでしょう?
我が子がインターナショナルスクールに編入したとき、日本人と他アジア圏のハーフで日本で生まれ育った同級生が「G子さんが英語がペラペラで凄い…」と言っていたと親御さんに聞きました。しかし我が子は特に英語力に優れているわけではなく、人生のほとんどを英語で過ごしているハーフなためごく自然の英語力です。それでも日本に生まれ育った子から見ると、たとえインターナショナルスクールに通っている子であってもそう見えるというわけです。
日本人の保護者はインターナショナルスクールでも変わらず
以前、授業参観にいったとき、後ろでお母ちゃんたちがペチャクチャとお喋りを初めてウルサイと当ブログで文句を垂れたことがありました。日本人はマナーについて非常にこだわるくせに、集団になるとその和の調和を図ろうとするので、周りに迷惑をかけることが往々にしてある。子どものお迎えの時も、道路をふさいでお喋りをしていて通れないとか、レストランで盛り上がって甲高い笑い声を響き渡らせて周囲の客が迷惑するとか…ありますでしょ?
在日韓国人のママと話したとき、彼女が「スクールのLINEグループで参るときがある」とこぼしていたことがあったのですが、話を聞くと相当ストレスフルな様子です。
内容は懇親会の計画や学期終わりの先生への贈答品について等のようですが、どうでもいいやり取りが延々と続くようで、仕事中に100件以上もメッセージがたまっていてビビッたと言ってました。
肝心の話ではなく、「誰々の母です、はじめまして、よろしくお願いします」「こちらこそよろしくお願いします」みたいなメッセージを数十人でやっている様子を想像してみてください。
丁寧を心がけているつもりでも、逆に迷惑になっていますし、肝心の話が進みません。この辺、日本人の母たちも意識を変えてみていってはどうでしょうか。
インターナショナルスクールの緩さや、日本と異なる環境を期待して入学させたと思うのに、それじゃ意味があまりない。
私はラインやっていませんが、whatsAppはやっています。whatsAppだと海外ともチャット、ビデオチャット、音声チャット等できるので便利ですよ。
医者の保護者が多い
医者率が高いです。
授業料が高額なので、必然的に経済的に余裕のあるお医者さんが集まるのでしょう。
娘を医者に連れていくと担当する医師が同じ学校の保護者だったりするケースが何度かありました。
富裕層が多いので、高卒ブルーカラー&普通の大卒夫婦の我が家は「なんでここにいるんだろうか」とたまに考えるときがあります。うちは順調に貯金を切り崩しているから心配しないで下さい。あと2年の辛抱と思って耐えるだけです。
お医者様のお子さんは特に男の子たちは将来の夢で医師を目指している人が多いです。あと20年もしたら、あの子たちにお世話になるのかもしれません。