アメリカでは2017年8月4日公開の「チェイサー」を見ました。
原題は「Kidnap(誘拐)」
日本公開は2017年9月23日です。
ハル・ベリー主演です。
予告を見て、かなりのデジャブ感。
そういえば「ザ・コール」っていう似たような映画でも主演していましたよね。
誘拐された若い女の子がトランクの中から警察に電話した時にコールセンターで電話を受けたのがハル・ベリーだった映画。あの映画は、まあまあでした。
本作「キッドナップ」は、ハル・ベリーが母ちゃんです。
ボンドガールだったハル・ベリーも、もう51歳です。
若いですねー。51歳には見えない。
ハルベリー主演映画「チェイサー」の紹介
ハルベリー版96時間というPR表現はミスリードすぎます。子どもが誘拐されて自分で取り返そうとすること以外、なんの共通点もありません。ハルベリーが96時間のブライアン・ミルズみたいに元CIAエージェントだったとかってんなら分かりますけどねぇ。
「チェイサー」映画のあらすじ
カーラはレストランのウェイトレス。かわいい6歳の息子フランキーがいます。旦那さんとは離婚調停中で、息子の親権をめぐってバトルしている様子。
忙しい仕事を終えて、息子フランキーと公園に行ったカーラ。離婚弁護士と電話で話をしているちょっとの隙に、フランキーの姿が見えなくなります。
一心不乱でフランキーを探すカーラ。
駐車場に来ると、フランキーが大きな体の人に車に連れ込まれるのを目にします。
カーラは自分の車に乗り込み、フランキーが連れ込まれた車を追います。
という話です。
「チェイサー」映画の感想
のっけから、恵まれなさすぎて可哀想になってくる女性カーラ。
離婚調停中で、かわいい息子をめぐって親権バトル。実際、アメリカでは共同親権が一般的なんですけどね。単独親権を主張すると、自己中心的と思われて逆に判事の印象が悪くなります。
でも片親にDV、アルコール中毒、麻薬中毒、モラハラなどの問題があったりすると、単独親権を主張する気持ちは分かりますよね。
カーラの元旦那は、すでに新しい彼女がいて、その彼女は小児科医だったりします。カーラはだからウェイトレスだってば。ここからして元旦那が小憎らしく感じますね。
アメリカの映画では、よく離婚した両親がでてきますが、別れた旦那に美しい彼女がいたり、別れた妻がすでに金持ちの男作っているってパターンが伝統芸みたいになってきてますね。
もちろん主人公は、恵まれていないほうの立場なので、私たちが共感を覚え、応援したくなってしまいます。カーラの場合も、若いワガママな小娘の客を相手したり、バカにされたりと大変です。
さて前振りが長くなりましたが、全体の感想としては、まあまあ最初から最後まで楽しめました。
なにぶん、母ちゃんが主役なんで、「96時間」のブライアン(byリーアム・ニーソン)みたいに、わずかな手掛かりから娘の足跡を追ったり、誘拐犯を突き止めたり、人身売買組織をなぎ倒していって壊滅するとか、そんなミラクルは起こせません。
しかし、子を愛する気持ちは、元CIAエージェントのブライアンも、ウェイトレスのカーラも同じです。子を愛する親の執念は、同じように感じられました。
映画の半分くらいは車でドライブだったりするので、途中、気が散漫するシーンもありました。映画の尺の問題もあるのでしょうが、車道のラインを映し続けたりとかは、辺り前だけど、ひどく退屈でした。
カーラが犯人の車をカーチェイスしていることから、高速でも次々と大事故が起きてしまいますが、カーラの「ああ神様、どうしましょう、でもここで車を止めることはできない、息子を追わねば」みたいな気持ちがよく分かります。
カーチェイスを初めてそんなに時間が経過していない時、犯人たちと対峙する時があります。そのとき、私だったら犯人をひき殺していたと思うんですよね。あるいは車をぶつけて走行不可にしていた。その後、犯人たちがまだ動けて返り討ちに遭ったらおしまいですけど。
あのときは、どうしてそこで轢かないんだ!!と唸ってしまいましたが、結局、最後は殺すんだよね。
あと、犯人たちが思ってたより素人というか、何度もやっているクセして爪が甘いというか、意外に弱かったので、そこらへんも緊張感が抜けてしまった理由の一つでした。
ハル・ベリーが殆ど一人で頑張っているような映画です。フォンブースのコリン・ファレルのように。
ハル・ベリーは、走ったときに下半身がえらく重そうでした。オシリの大きい人は、どうしてもアヒル歩きになってしまうような気がします。
でも電話って大事ですね。絶対に電話をなくさないようにしよう。
暇つぶしにはいいと思います。
あと、最近、日本でも子供の「連れ去り」じゃなくて誘拐ね、誘拐が多いので、一瞬でも子どもから目を離さないという啓蒙の意味も込めて、本作「キッドナップ」を見てもらいたいと思います。