ミセスGのブログ

海外ドラマ&映画の感想、世の中のお話

世界一平和で安全な国で生きていることが、命取りになる時がやってくる

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どうも

クーラーが壊れ気味で、30度くらいの室温で生きているGです。 

数日前のこと。

車でガレージを出たところ、数軒先に住んでおられる旦那さんが、こちらに歩いて近寄ってきた。旦那さんはスマホで誰かと話しているが、私に手で合図をしながら近寄ってきた。

この旦那さん一家がまともでいい人達だという話は聞いていた。警戒する要素も見当たらなかったので、車の窓を少し開けた。

彼がスマホで話している相手は911、つまり警察だった。

どうやら、クレイジーな男が近所をウロウロしているらしい。男は投石してて、旦那さんの車に向かっても石を投げていた。

「男は白いTシャツを着ている。あの角を右に曲がったので、そっちの道は通らずに迂回した方がいい」と親切に教えてくれたのだった。

その後、用事を終えて戻って来ると、ある家の付近に警察車両4台+白バイ1台が止まっていた。どうやら男を見つけ、身柄を確保したのだろう。

アメリカは事故も多ければ犯罪も多い。安全なエリアであるここオレンジカウンティでも、ドラッグアディクトはどこでもいるし、ヘリを使った警察捜査などのシーンもよくある。ポリスアカデミーの射撃場もあるので銃の音もよく聞く。

以前住んでいたアパートでは、ヘリがライトを照らす中、SWATが警察犬を連れて犯人を捜索していた。そう、ドラマや映画の世界で見るアレが日常でも見られる可能性はけっこう高い。

今日も運転していたら、こんな光景が見かけられた。

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一方、日本は、言わずと知れた安全な国だ。おそらく、世界一と言ってもいいほど安全で平和な国である。

日本で捕物劇を目にしたことは殆どない。お縄を頂戴して、警察と歩いているのを見たことがあるぐらいだ。

しかし、そんなユートピアで生きることが、あなたの命取りになる時がやって来るかもしれない。

どういうことか。

加害者が狙うのは必ず弱者

先日、娘が通うアメリカの小学校で新しいセキュリティシステムが採用された話を記事にした。

100%IDチェックをすることで、性犯罪者として登録されている人物が校内に入れないようにする新しいセキュリティシステムだ。性犯罪のなかでも、未成年へのわいせつ行為は非常に多い。

特に14歳以下の子どもへのわいせつ行為が多い。

なぜか?

ペドフィリア(小児性愛)という要素を抜くと、答えは簡単。子どもは弱い存在だからだ。子どもは体も小さく、力も弱い。身体も頭脳も精神も大人のように発達していない。

犯罪者がターゲットに選ぶのは、弱い者だ。最もリスクが低く、最も労力をかけずに襲うには、弱い者を選ぶのがベストだからである。

難しいことはない。犯罪者側の立場になってみれば分かる。あなたが誰かを襲おうとしたときに、大柄で強そうな人を襲うか、小柄で弱そうな人を襲うか、どちらを選ぶだろうか?

ライオンやチーターが狩りをするとき、群れの中で一番弱い子どものガゼル、あるいは弱ったシマウマを襲うのはなぜか?それは最小限の労力とリスクで狩りをするためである。大きなキリンやゾウを襲えば、自分が返り討ちに遭う可能性が高いので、めったに襲うことはない。

テロリストがここ数年、テロのターゲットをソフトターゲットに向けてきているのも、ソフトターゲットのほうが狙いやすいからだ。飛行機に爆弾や銃を持ち込むのは難しい。しかしセキュリティがないショッピングモールや映画館なら爆弾も銃も簡単に持ち込める。

これはそのまま国の軍事力にも当てはまる。世界一の軍事力を誇るアメリカを攻めようとする国があるだろうか?現在の台風の目、北朝鮮とて、アメリカを攻撃すれば完膚なきまでに叩き壊されることを知っているので、うかつにアメリカに手を出すことはない。

中国でさえアメリカには手を出さない。

しかし中国は日本には手を出している。尖閣沖に度々侵入し、何百もの漁船を日本の領海に侵入させ、青森沖でも領海侵犯を繰り返している。なぜ、中国はアメリカには手出ししないのに、日本には手出しするのか。その理由はもうお分かりだろう。

 

平和で安全であるが故に、命取りになる

日本は戦後70年間、平和を享受してきた。いつどこに爆弾が落ちてくるか心配しながら道を歩く必要もない。銃弾がいつどこから飛んでくるかを心配する必要もない。いつどこで強盗に遭うかも心配する必要がない。子どもが登下校時に誘拐される心配もない。

そんな平和な国に70年どっぷり浸かった日本人は、世界中に吹き荒れている暴力を知らないまま、暴力とは無縁の日々を過ごしている。

その結果、どうなるのだろうか?

たとえば動物園でエサを与えられ、天敵の心配もせず、安全な塀の中で平和に暮らしている動物たちはどうだろうか?

動物園にいた動物を野生に戻す計画は、ことごとく失敗している。しかも、野生個体ならば絶対に侵すことのないミスが原因で命を落とす場合が多い。食糧の獲得や、捕食者やライバル種への対応など、放たれた野生環境に対応できないまま、命を落としていく。

人間も同様だ。暴力を知らない者は、暴力に遭遇したとき、対応の仕方が分からない。暴力に対する術を知らないどころか、日常的に暴力を目にすることも経験することもないので、対応の仕方がわからないのである。

「頭が真っ白になってしまう」「唖然としてしまい、どうしたらいいか分からない」「怖くて固まってしまう」「体がフリーズしてしまう」「足が動かない」という思考回路ストップの状況に陥る。

twitterで、タイミングよくこんなツイートを発見した。

公園にいたところ、見知らぬ男に娘さんがさらわれそうになったそうだ。(この方の娘さんなのか、ママ友の娘さんなのかは分からないが)幸い、事なきを得たのだが、巷ではすぐに警察に連絡しなかったことへの批判も見受けられる。

アメリカでも、このように突然子どもを抱き去ろうとする事件が後を絶たないのだが、動画や証言を見る限り、犯人は直ちに親や周囲の人間から猛反撃を受けているケースが多い。

日本より遥かに暴力が日常的なアメリカ人は、暴力に慣れているため、総じてアメリカ人の暴力へのレスポンス能力が日本人より高いのだ。アメリカ人は暴力に接する機会が比較的多いことから、暴力に対して正常性バイアスが低いはずだ。

あなたのお子さんが突然連れ去られそうになったとき、あなたは相手に襲いかかることができるだろうか?相手を止めることができるだろうか?相手が殴りかかってきたら、反撃できるだろうか?

このtwitterの方の場合は、幸いなことに犯人は何も攻撃してこなかったが、犯人がナイフを持っていたらどうだろうか?

日本人女性は、電車で痴漢にあっても黙って耐えることが多い。多くの女性は、恐怖心や羞恥心から、声もあげず、どうしていいか分からず、フリーズしてしまうのだ。痴漢も立派な性犯罪、暴力である。

痴漢のような軽暴力にさえどう対応していいか分からないのであれば、さらなる暴力に遭遇したときはどうなるのだろうか。

いつの時代も、最悪を想定するのは悪いことではない。むしろ平和で安全な今だからこそ、最悪を想定しなければならない。

学校に一人で登下校している小学生をお持ちの親御さんは、いまいちど自問した方がいいだろう。一人で登下校中の小学生を連れ去るのは、そう難しいことではない。

子どものセーフティハーネスを「犬みたいで違和感」と批判していた人は、今後、その批判がいかに的外れであることを思い知る時がくる。

この先、世界一平和で安全な国で生きていることが仇になる時、命取りになる時が必ずやってくる。暴力への耐性が、生死を分けることになるかもしれない。