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一年に一度、12時間だけ無法地帯になる「パージ:エレクション・イヤー」映画3作目のあらすじ&感想

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「パージ:エレクション・イヤー(原題)」を視聴しました。

追記:邦題は「パージ:大統領令」となりました。

2016年の作品です。

タイトルのエレクション・イヤーとは大統領選挙選のことです。

今年はアメリカの大統領選があった年です。

その年の7月4日に公開するとは大胆ですね。

ドナルド・トランプならパージをやりかねないという人もちらほら。

映画も、トランプ効果を狙って便乗したかったのかもしれませんね。

パージは、本作が第三作目です。

パージとは、「粛清」の意味です。

パージとかいうとアメリカや西欧諸国が共産党員を排除しようした red purge(赤狩り)や北朝鮮の粛清を思いだします。

ただし映画のパージの対象は赤ではありません。誰もがパージの対象です。

そういう意味では公平…になるのかな…

犯罪者があふれ、刑務所もいっぱいで収容できなくなってしまった状態を改善するため、政府が

1年に1度、12時間だけ、殺人を含むすべての罪を認める

ことにしたんだそうです。

かなり奇抜な内容ですが、発想がアメリカらしい。

ネタバレ注意

1作目「パージ」は、お金持ちの家の中という密室が舞台でした。

狙われたお金持ちの家族の家へのホーム・インベージョンという設定です。

主演はイーサン・ホーク。奥さん役にゲーム・オブ・スローンズでサーセイ女王を演じているレナ・ヘディです。

 

2作目「パージ:アナーキー」は、ロスアンゼルスの街中が舞台です。

主演はフランク・グリロ。

フランク・グリロはプリズン・ブレイクのシーズン1に出演しています。渋くて好きな俳優です。

街中でヒャッハーしてて…最後はなんか権力者たちがカルトっぽかった…くらいしか覚えてません。

 

3作目の舞台はワシントンDCです。

パージを廃案したい女性の上院議員が狙われます。

前作で主演したレオ・バーンズ(フランク・グリロ)が続投、上院議員のボディガード(シークレット・サービス?)役です。

 

「パージ:エレクション・イヤー(パージ:大統領令)」のあらすじ

前作のレオ・バーンズは、上院議員のチャーリー・ローンの警護をしていた。チャーリー・ローン上院議員は、年に一度、12時間だけ殺人を含むすべての罪が認められるという「パージ」を止める公約を掲げていた。パージの夜、パージ賛成派がチャーリー・ローン上院議員の命を狙おうとする。

一方、小さな店を営むジョーと、店を手伝う従業員のマルコは、パージの夜、店を守るために見張りにつく。

ジョーたちの友人のレイニーは、レジスタンスのメンバーで、パージの夜、怪我を負った人たちを助けるためにバンで街中を移動していた。

というようなあらすじです。

この登場人物たちが途中で合流する形になります。

「パージ:エレクション・イヤー(パージ:大統領令)」の感想

 正直、1作目も2作目もイマイチ面白いと感じられませんでした。非常に面白い設定なのに、努力賞の域を出ないというか。これだけ斬新で奇抜な設定なのに、印象に残るシーンがまるでありません。

そんな中で、私的には本作が一番面白いと感じました。

「パージを廃案にしようとする上院議員」という明確なパージ対象を設けているからかもしれません。視聴者は良心ある上院議員に賛同し、上院議員の目線になって、追われる恐怖、殺される恐怖を感じやすくなったと思います。

主演の二人が好きな俳優だったこともプラスの要因です。

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上院議員を演じるエリザベス・ミッチェルは、私の好きなドラマ「レボリューション」でレギュラー出演しています。

レオ役のフランク・グリロも格好いいです。

しかしどうしてもディテールが弱いこのシリーズ。

たとえば女性議員の立派な家での攻防などがありません。レオだけが知る秘密の逃げ道から逃げただけ&仕掛けてあった爆弾で爆発だけです。逃げる前にレオが敵と戦ったりとか、レオの戦闘能力とか機転が利くところとか、そういうディテールが全然ないのが致命的。

 

登場人物も今回はそれぞれ良かったと思います。

小さな店を切り盛りするジョーとマルコの良心と友情、それからレジスタンスのリーダーのダンテは存在感がありました。

 

パージを楽しむ女子高生は、あんなにインパクトがあるのに消化不良。

女子高生たちはお店のオーナーに嫌がらせをするので「こいつらパージに来るぞ来るぞ」と観客はビビりながら予想するわけです。そして願わくばこいつら調子に乗った女子高生を返り討ちにしてやりたいと思うわけです。

観客の予想通り、女子高生たちは電気装飾された車で金ピカにデコをほどこされたライフルを持って現れます。

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さあ、ジョーとマルコは女子高生たちにどうやって苦しめられるのだろう?大丈夫かな…

なんて思っていると肩透かしを食らいます。

 

何故かと言いますと、これだけあっぱれな登場をした女子高生たちは、攻防の機会もなく、オーナーの良き友人であるレジスタンスの女性にあっさりと殺されてしまいます。

女子高生たちの半分はお店の裏口から入ってこようとするのですが、それも見せないまま、オーナーたちはバンで逃げるので、攻防がまったくありません。

オーナーたちが無事なのは良いことですが、まったく欲求不満に陥ります。

あのド派手な登場や、一度は引き下がってまた後で復讐しにくるであろう思わせぶりな演出や、パージが始まる前の女子高生の万引きとジョーへの嫌がらせや不敬はなんだったんだ!!?活かしてくれよ!!

他にも、黒人たちの死ぬまでストリートファイトとかも、改善の余地があったように思います。

映画のディテールというのはとても大事だと思いました。

 

本作で上院議員が無事当選し、パージは廃案になりそうな感じで終わるのですが、ここまできたら続編をどんどん作って行って欲しいところです。

 

評価:65点