ミセスGのブログ

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【女は二度決断する】映画の感想(ネタバレなし):ダイアン・クルーガーは三度決断した

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2018年4月14日に公開済みのダイアン・クルーガー主演映画「女は二度決断する」の感想です。

がんばってネタバレなしでお送ります。

 

【女は二度決断する】作品情報

原題:Aus dem Nichts/In The Fade
製作年:2017年
製作国: ドイツ
上映時間:106分
監督:ファティ・アキン(代表作:ソウル・キッチン、愛より強く、そして、私たちは愛に帰る)
出演:ダイアン・クルーガー、デニス・モシットー、ヨハネス・クリシュほか
言語:ドイツ語
ジャンル:ドラマ


ダイアンは本作でカンヌ国際映画祭女優賞を受賞
しています。 ダイアンはドイツ出身なのでドイツ語が母国語かな?

自身もトルコ系移民のファティ・アキン監督。警察の初動捜査ミスでネオナチによるヘイトクライムが10年間も放置され、その間に殺人などが野放しにされた事件に構想を得たそうです。

移民が大量に押し寄せたドイツではまさにタイムリーな話題。

英題の In The Fade は内容にまったく合ってませんね。邦題の「女は二度決断する」のほうが適訳でした。

 

【女は二度決断する】あらすじ

ドイツのハンブルクで暮らすドイツ人のカティヤとトルコ移民のヌーリは、晴れてゴールインする。

以前は麻薬の売買に関わっていた夫も結婚後はまじめに働き、息子にも恵まれて一家は幸せに暮らしていた。

しかし、ヌーリの勤務先の前で爆発が起き、彼と息子が命を落とす。それがドイツ人によるテロだと知ったカティヤは……。

映画『女は二度決断する』 - シネマトゥデイ

 

【女は二度決断する】感想(ネタバレなし)

映画はこうでなくっちゃ。

ダイアン・クルーガーのこんな姿を見られる日が来るとは思わなかった。これまでに見たことのないダイアン・クルーガーが見れて大満足です。どんなダイアンか気になりますね?

体に悪いものを吸って悲しみに暮れるダイアンや

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義両親に「息子と孫の亡骸をトルコに持って帰りたい。私たちはもう戻らない」と言われ、耐え切れずにドラッグ吸引後に「私の家族よ。二度と渡さないわ」と正面切って義両親に告げるダイアンや

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しばらく経って一人になり、息子のベッドで泣き崩れた後のダイアン

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が見れます。

どうですかこのダイアン、素晴らしくないですか。魅力的です。

ダイアンは家族を失った後は失意のあまり言葉を発しませんが、もう表情で彼女の痛みがズキンズキン伝わってきます。過剰な演技もなく、とても自然で見事でしたよ。

美しすぎるハリウッド女優は、このダイアンの心意気を見習ってほしいもんです。これがハリウッド映画だったらジョン・ウイック出てくるか、ダイアンが復讐の女に変わってリベンジを成し遂げ、視聴者が多少スカッとして終わるのが定番のパターン。それも見る分には面白いんだけど現実的ではないですね。

家族を失った自分なんて想像できない。自分でもどうしたらいいか分からない、何をするか分からない、自分の決断が正しいかどうかも分からない。裁判なんか関係ねえ!と自ら私刑を下すのがハリウッドですが、実際は悲劇にどう対応したらいいのか分からないのが人間てもんです。

そこへいくとカーチャはきちんと等身大の人間らしく描かれています。最後の最後まで映画がどういう方向へ転ぶのか、カーチャがどう決断するのか分かりませんでした。だからこそカーチャの3度の決断が理解できたというか。答えは得られませんけどね。

 映画は大きく3部に分かれています。

1部は最愛の夫と息子を失い、失意のどん底をさ迷うカーチャです。ここでカーチャは最初の決断をします。

2部は犯人が逮捕されてから裁判のプロセスです。裁判が終わったとき、カーチャは2度目の決断をします。

3部は「海」です。私としてはここでカーチャが3度目の決断をしたと思います。

1部、2部、3部とカーチャの心情とともに雰囲気が少しずつ違っているのがうまい。

1部は大雨やドンヨリ雲、庭に積もった雪など、カーチャのどん底具合に天気を合わせます。

2部はほぼ裁判のシーンでカーチャが抱く犯人への憎しみが無機質な裁判所の中でひときわ際立ちます。 爆破による息子への損傷を検視官が述べていくシーンが淡々と述べられ、英語字幕を読んでるだけでもキツ過ぎました。

3部はどこか心の平静を取り戻したようなカーチャと青い空と海、風、小鳥、美しく静かな景色がマッチしています。このときカーチャはしばらくなかった生理が戻り、それが第3の決断をすることになります。

ネオナチの犯人の弁護人は「裸で狼の群れのなかに」に出てた人だよね。名優だわ。

女は二度決断する

裸で狼の群れのなかに

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それから検察のファーヴァが格好良かった。

女は二度決断する

ひとつ気になったのがダイアンと夫のカップルの真相についてですかね。ダイアンは体中にタトゥーを入れていて服役中の男と結婚していますし、夫はドラッグの売買で服役していた。さらに弁護士のファーヴァが簡単にダイアンにドラッグをあげられるような立場にいる。こうなると夫がドラッグの売買から完全に足を洗っていたのか、疑問が残る。

要は被害者が必ずしも善人とは限らないということもこの映画はちゃんと入れている。だから英題が In The Fade だったのかなという気もします。

評価:75点