8月3日に公開の新作公開ホラー&スリラー映画「サマー・オブ・84」を観た感想です。
「ストレンジャー・シングス」ミーツ「 ディスタービア」in 1984 というキャッチコピーでいいかな、いいとも。
「ストレンジャー・シングス」は今Netflixでシーズン3が絶賛配信中の人気SFアクションドラマ。
「ディスタービア」はシャイア・ラブーフが近所のカワイ子ちゃんと乳繰り合いながら隣家のデビッド・モースとすったもんだする映画。
『サマー・オブ・84』作品紹介
原題:Summer of '84
公開年:2019年
監督: アヌーク・ウィッセル、 フランソワ・シマール、 ヨアン=カール・ウィッセル
出演:グラハム・バーチャー、カレブ・エメリー、ジュダ・ルイス、コリー・グダー・アンドなんとか、リッチ・ソマー
上映時間:105分
『サマー・オブ・84』あらすじ
夏休み中の仲良し少年グループ4人。
想像力豊かなデイヴィーは、隣人の警官マッキーさんが連続少年殺人犯だと睨み、友人たちを巻き込んで夏の思い出に連続殺人のしっぽを掴まもうと奔走する。
『サマー・オブ・84』感想(ネタバレあり)
たぶん金そんなにかかってないねーこれ。でもその割には佳作のスリラー映画でした。
物語は4人の少年が楽しく夏休みを遊んで過ごしているところから始まる。
はた迷惑なデイヴィー、デブのウッディ、ファラディとトミーだ。このうちファラディとトミーは特徴がなく物語に大して影響を与えないので、単なる添え物だとおもって無視していい。
デイヴィーは必要以上に想像力が豊かで、Gさんのように「連続殺人犯はどこにでも潜んでる」とか妄想めいたことを言っている。要は暇人である。アメリカの夏休みは長いので無理からぬ話だ。まして町では少年が時々失踪していたのだから。
そんなこと言いながら双眼鏡で近所を盗み見ているうちに、隣人の警察官マッキーさんが連続殺人犯に違いなィーと踏んだデイヴィー。
「ディスタービア」のデビッド・モースほど長身ではないが、マッキーさんも大柄な男。
常に礼儀正しく物静か、理知的で素敵なマッキーさんだが、観察しているとずっと独り暮らしで恋人や家族がいる気配もなく、職場と自宅を往復する毎日。何をやるにもファミリーで過ごすアメリカンファミリーが多く住む郊外のコミュニティでは確かに奇妙な人物に思える。
デイヴィーたち4人は映画の殆どの時間をマッキーさんが連続殺人犯という前提で証拠探しをしたり捜査したりするので、ストーリー上もはや「実はマッキーさんが犯人ではありませんでしたー」というわけにもいかず、とりあえずマッキーさんが犯人ということで話を進めるけどいいですか。
少年たち4人は「スタンドバイミー」のように歩き、「グーニーズ」のように言い合い、「ストレンジャー・シングス」のように力を合わせ、マッキーさんのゴミ箱を漁ったり、車を尾行したり、音声を拾おうとトランシーバーを仕込んだり、庭に侵入して穴を掘り起こしたりして証拠を探し始めます。
少年4人は子どもらしい冒険心に突き動かされているので、「ストレンジャー・シングス」「グーニーズ」のようにコメディちっくな雰囲気が終始流れます。
間違っててもいいじゃない、少年だもの
みたいに和やかな時が流れます。
紆余曲折あってデイヴィーとデブとカワイ子ちゃんが終盤マッキーさんの家の地下に侵入して証拠を見つけて事件は解決してめでたしめでたし。エキサイティングでスリリングな夏の思い出ができました、おまけに事件も解決して両親 so proud とか思ってると、最後の方にこれまでの映画のトーンを破壊するシーンが待っていて、私はちょっとビックリしました。
殺人犯であることがバレたと知ったマッキーさんは行方をくらました。
と思ったら、デイヴィーの家の屋根裏部屋に隠れてて(!?)、デイヴィーとデブを拉致るのねー。そして森に放ってハンティングするのねー。
デイヴィーとデブのウッディが力を合わせて窮地を脱するのかと思いきゃ、あんなシーンが待ち受けてるなんて、お爺さん信じられないよ。
しかもウッディは「ストレンジャー・シングス」でいう「ダスティン」枠ですよ。ダスティン枠がISISよろしくド派手に首斬られるってアリー?
連続殺人犯を見つけようという少年たちの楽しい夏の思い出は跡形もなく引きちぎられ、苦い思い出と「マッキーさんリターン」という恐怖を胸に生きていくデイヴィーでした。評判がよかったら続編が出そうな気もする。