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「スピーク・ノー・イーヴィル:異常な家族」現代風アレンジしちゃった!「胸騒ぎ」リメイク

スピーク・ノー・イーヴィル:異常な家族

前回の投稿「胸騒ぎ」で2024年は幕を閉じた。

2025年は「胸騒ぎ」のリメイク「スピーク・ノー・イーヴィル:異常な家族」で幕を開く。

みんな、あけましておめでとう。今年もよろしくね!

ここ数年は腰痛ヘルニアが悪化+マチョ(ドーベルマン)にPCを破壊されてブログをあまり書けずにいたけど、今年はちょこちょこ書いて行きたいと思っている。

嗚呼、さっそく本作「スピーク・ノー・イーヴィル」についてだけれども、それにしても映画のタイトルに「異常な家族」という余計な副題は付けないで欲しかったなぁ…。異常な家族って盛大にネタバレしちゃってるじゃん。「ああ、異常な家族に付きまとわれて怖い思いする映画なのね」て視聴者が構えちゃうじゃん。まあ予告編でもバレているわけだけど、予告は映像を観ているだけだから「この家族は異常」とはっきり認識しなくて済むのね。まぁ、B級ホラーの予告でありがちな男性ナレーターが「この家族…異常過ぎる…!」とかナレーションしていたら別だけど。でもタイトルで「異常な家族」て言語化しちゃうのはスリラー映画に於いて禁じ手だと思うのよぉ。

オリジナル版の「胸騒ぎ」も矮小化しすぎてどうかと思ったけど。もうこの際、原題のSpeak No Evil をそのまま邦訳して「言わざる」で良かったんじゃないの。

 

「スピーク・ノー・イーヴィル:異常な家族」粗筋

アメリカ夫婦が英国夫婦のカントリーサイドのお宅にお邪魔するが、最後は互いに殺し合おうとする。

 

「スピーク・ノー・イーヴィル:異常な家族」感想

はい。やたら物騒な田舎ホラー映画「胸騒ぎ」のリメイクです。

本作でアブナイ夫役を演じるは、怪演がすっかり板に付いてキワモノ人物ばかり演じているジェイムズ・マカヴォイ。もはやマカヴォイ本人が楽しんでいる様子あるよね。もうバッチコォイて感じー。かつて「ウォンテッド」などでアンジェリーナのジョリーと共演したりもしたが、最近はホラーやスリラーを好んでひっそりとハリウッドで生き永らえているスコットランド出身俳優。そういえば「ウォンテッド」でマカヴォイのGFを寝取ったちょい役の親友バリーが「アベンジャーズ」の仲間入りしたり恐竜三部作の主演を張ったりするほどの売れっ子になるとは、マカヴォイもこの時は思いもしなかっただろうよ。

しかし45歳のマカヴォイはなかなか渋いおじさんに育っているぞ。

マカヴォイ。ムキムキやん。

マカヴォイの奥さん役にアイリッシュ・イタリアンのアシュリン・フランシオーシ。「ナイチンゲール」で主演を務めた。私がこよなく愛する海外ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」ではリアナ・スタークに扮していたのを今知りました。毛髪の色や眉色も違うし、雰囲気も違うから全く気が付かなかったわ。「ナイチンゲール」「ゲースロ」では気高く美しく強い女性だったけど、本作ではカールした英国の田舎にいかにもいそうな30代~40代女性という感じ。今更だけど女優て凄いわ。

ナイチンゲールのアシュリン(上)と本作のアシュリン(下)

はい。この二人が英国チームです。

ここに英国チームの息子らしい少年ダン・ホーが加わます。

「言わざる」を何度か実演してくれるダン・ホー(一応、無理くり英国チーム)

対する米国チームは~・・・

まず奥さん役はマッケンジー・デイヴィス...?

・・・なんでやねん。

だってマッケンジー・デイヴィス!マッケンジー・デイヴィスだよ!?

マッケンジー・デイヴィスといえば「ターミネーター:ニュー・フェイト」(2019)でハーフ人間・ハーフターミネーターというハイブリッドウーマンではなかったか!?180cm近い身長のマッケンジー・デイヴィス!

彼女を劇場スクリーンで目にした瞬間、僕は思ったんだ。こりゃマカヴォイ負けるわ、と。ちょうど火サスで遠野凪子が出てきた瞬間の閃きと同じよ。

可愛いワンピを着ているが、そこはマッケンジー・デイヴィス

キャスティングで内容を決めているわけではないのだけれど、内容を前提にキャスティングしているからこういう人選になってしまうのかなぁ。こういう役どころはケイト・ベッキンセールやジェシカ・ビールス、ネーヴ・キャンベル辺りも駄目なのよ。彼女たちは死なないから。スリルが半減してしまうの。

米国チームの奥さん役には、ナオミ・ワッツ、ミシェル・モナハン、ラダ・ミッチェル、ジョルダナ・ブリュースター、ヴェラ・ファーミガ辺りはどうだろう。ミア・ゴスでもいいね。ナオミ・ワッツは「ファニーゲーム」で死んでるし作風が似てるし当たり役じゃないかな。ファニーゲームでは負けたけど今回は勝つよ!!リベンジ!!でも盛り上がりそう。

でも本作のマッケンジー・デイヴィスはワンピース姿も含めてとてもラブリーで可愛かったよ。

次、米国チームの夫役はというと・・・

スクート・マクネリー!

このあと英国チームとバトルロワイヤルを繰り広げる米国チームのお三方

まあ、これは妥当な人選じゃないでしょうか。最近はマクネリーご本人もご自身の細身で人畜無害そうな外見に気が付いたのか、気の優しい軟弱ぽい男性を演じることが多くなってきました。

オリジナルを観た後に妙に納得しちゃうぐらい、グッドキャスティングだと思った。

マクネリーがなぜ血みどろ暴力ドラマ「ナルコス:メキシコ」のシーズン2でバトンタッチを受けたのかは未だに謎だけれども。マクネリーは地味だけど、色々な映画やドラマで活躍中の売れっ子俳優よね。

米国チームの娘っ子アグネス役にはアリックス・ウエスト・レフラー。まだ幼いけど、将来が楽しみな少女。

はい、でこの英国チームと米国チームが休暇先のイタリアで偶然出会って意気投合、英国チームから「今度、うちに遊びに来なよ~。田舎だけどゆっくりできるよ」なんつって招待されたので夫婦仲で少し問題を抱える米国チームは気分転換になるかも~なんつって、のこのこと泊まりで遊びに行く。

英国チームの田舎の家に着くと、思ったよりボロいし部屋は小さいし、ベジタリアンて言ってるのに肉は食わされるしでちょっと胸騒ぎを覚える妻マッケンジーだが、平和博愛主義のマクネリーは「いやぁ、でもすぐに帰るってのも…」と妻をなだめる。

「素敵なレストランがあるから招待させて」というので準備したら「子供たちはお留守番」と言われて「え」と驚いていると「大丈夫、ベビーシッター呼んでるから!」と呼ばれて突然入ってきたのが中年のおっさん。「さあ行こう」と英国夫婦に急かされ、あれよあれよと言う間に外に出される。お前たち、覚えておくのですよ。断るのが難しい状況を作り出すことにおいて犯罪者は天賦の才を持っていることを。

ディナー中も英国チームは互いを愛撫し始めたり、「ディナーに招待するよ」と言ったくせに支払いはマクネリーに持たせる。帰路は酔った勢いでティーンエイジャーのように車を暴走させるマカヴォイ。

「胸騒ぎ」よりも米国チームのボタンを押す回数が多く、スリリングな展開がエスカレートしていく様はとてもイイ。マカヴォイのチャームや迫力も手伝ってコミカルさを兼ね備えているのも、のちの展開を鑑みるに結果オーライ。

しかし、米国チームが我慢の限界を迎えていよいよ行動を起こす(出発しようとする)と、映画はスリリングさを失ってしまう。「胸騒ぎ」の展開とは違って本作では米国チームが反撃しちゃうからね。

内容を180度変更しちゃって元祖の監督あたりに叱られないのかなぁ。だって原作「胸騒ぎ」は、世界でも有数の安全国に住み、恵まれた生活を送る家族が礼儀正しさや善人さを払拭できないために暴力にとことん飲まれていく様子を描きたかったって監督言うてるやないの。

それなのに反撃しちゃったら、原作の監督の意図まったく無視していることになっちゃうじゃん。まぁリメイクだけど別物として観ればいいわけだし、本作は本作で面白かったから良いんだけどね?

で、昨今のフェミニズムの影響と起用俳優からもお察しのようにマクネリーはほぼ何もできず、マッケンジーが大活躍して英国チームをぶっ潰していきます。反撃し始める後半戦はさながら「シャイニング」のよう。前半のスリラーから後半はアクションホラーに変遷します。

でも面白かったな。これは続編が出てもおかしくない出来栄えだったと思います。

それでは皆さま、今年も健康に気を付けて頑張ろうね。

今年も宜しくね。