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【天使が眠りにつくとき】Netflix映画あらすじネタバレ感想:私たちの天使も眠りにつかす

天使が眠りにつくときNetflix映画の感想

天使が眠りにつくとき

去年はあまり映画観れなかったなーと思ってたけど、それでも数えたら90作は観てた。映画ブロガーたちがこぞって2018年に観たベスト10をあげてるんだけど、これがけっこう参考になる。

さて本日はNetflixオリジナル映画の【天使が眠りにつくとき】を期待せずに観た感想です。こういいう映画は、期待せずに肩の力を抜いて見れるのよね。

この映画は観る人によって評価が別れる映画だと思うけれど、一般的には評価は低めで間違いないと思われ!なかには殺意を覚えるほどヒドイと思う人もいるでしょうし、けっこーおもしろかった、という人もいることでしょう。

B級スリラーをたくさん見ている強者なら余裕で耐えられるし、「まぁそんなに悪くない」で済むと思われます。確かにしょーもない映画なんだけど、最後まで観れたし、終わり方も私はあれで良かったと思うの。

 

【天使が眠りにつくとき】】作品情報

原題:When Angels Sleep

公開年:2018年

監督:ゴンザーロ・ベンダーラ

出演:Julián Villagrán, Marian Álvarez, Ester Expósito

上映時間:91分

あとで気づいたんだけど、スペインの映画らしく、全編スペイン語だったらしい。ベッドの中、スマホで観てたためか、英語吹き替えで観てたのに吹き替えだと全然気づかなかった…

 

【天使が眠りにつくとき】あらすじ

保険会社に勤めていて仕事で多忙のヘルマン。

娘の誕生日も仕事に追われてて、上司からは大事な商談なのでどうたらこうたらとうるさく言われ、妻からも「家族と仕事とどっちが大事なのー!!」とせっつかれて結婚生活も危機を迎えている。

疲れているけれども娘の誕生日中に帰ろうとしたヘルマンは、車を走らせる。

ところが運転中に居眠りをして若い女性をはねてしまったことから、地獄の一夜が幕を開ける・・・

という話なんですが。

 

【天使が眠りにつくとき】感想

ヘルマンは保険会社に勤めるごくふつうのサラリーマン。仕事が多忙ゆえ、娘の誕生日にさえ参加できない。家庭を顧みないヘルマンに妻は嫌気がさしており、結婚生活も危うい。(まぁ、途中で「誰のために働いてると思ってんだー!!」とヘルマンが半ギレもするのだが)

ヘルマンは妻子に尽くすため、疲れた体に鞭を打って夜中も車を走らせることにする。車が蛇行運転をしたため、警察に呼び止められてモーテルに泊まっていくようにとお節介ながらも親切な命令を受けるのだが、妻子に愛想を尽かされることを恐れ、ヘルマンはモーテルを出て帰路に着いてしまう。

これがヘルマンが犯した最大の間違いなのだが、その前にも見知らぬ人にバンパーをぶつけられて片方のライトを壊されるなど、その後の不遇を予感させるような不運が描かれる。

モーテルを出たヘルマンは居眠り運転をし、そこにいるはずのなかった女子高生二人シルビアとグロリアのうち1人をはねてしまう。

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天使が寝そうなヘルマン

この女子高生二人も本来なら知人男性二人と別の車に乗ってドラッグをやり続けていたはずなのだが、男の一人がシルビアに無理に迫ってきたためシルビアが怒って車外に出て歩き出してしまっていた。

シルビアの親友のグロリアもシルビアを追って歩き出し、二人は辺鄙な誰も通らないような真っ暗な道を歩いていたのだ。

ヘルマンがはねたのはグロリアで、シルビアはたまたまオシッコするために脇にそれていた。ヘルマンは救急車を呼ぼうとするも、コールセンターに伝えるにも場所がどこか分からない。場所が分かるところに移動してと言われ、虫の息のグロリアを後部座席に乗せて移動しようとする。

するとそこにシルビアが立っていて、シルビアはヘルマンが故意にはねたと疑い、叫び声を出す。

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悪魔の17歳

ヘルマンはシルビアに「事故だった」と説明し、シルビアも助手席に乗せて病院に急ごうとするのだが、シルビアはドラッグをやっていたからなのかショックのせいなのか、ヘルマンを人殺しだと思い込み、グロリアに蘇生術をするヘルマンを「やめなっつってんだろ、この人殺しィー!!」なんつって大騒ぎし始める。

シルビアは車から逃げ始め、ヘルマンはほっときゃいいのにシルビアを追い始める。最後まで。

表向きのストーリーは、ごく普通の人間が運命のいたずらなのか偶発的な出来事の繰り返しによって予想外の窮地に陥ってしまう物語なのだが、ヘルマンとシルビアの二人のせいで、おっさんと17歳のドタバタ鬼ごっこ劇に仕上がっている。

何しろ被害者であるはずのシルビアが人(ヘルマン)の話をまったく聞かないし、訳のわからないことを叫んでいる。ヘルマンは決して人殺しではないのだが(少なくともこの時は)、シルビアはヘルマンを人殺し~と叫び続け、とにかくヘルマンから逃げようとする。

逃げるシルビアを追うヘルマンは、①シルビアに事故のことを誤解されているので変な方向に証言されては困る、②シルビアの身体が心配、という動機からシルビアを追うわけだが、とにかくシルビアに酷い目に遭わされる。

ヘルマンは体を噛まれ、殴られ、車の窓ガラスで腹を切り、小屋で棚の下敷きにされ、ビール瓶でこっぴどく殴られた挙句に切られ、ナイフで刺される。どっちが被害者か分からない。

そこまでされて追うヘルマンがおかしい。

おまけに可哀想なヘルマンは、シルビアが置いて行ったバッグにスマホやIDがないか確認している途中でうっかりドラッグの袋を手にしてしまい、それが開いて運転席にいるヘルマンにドバーっとかかってしまう。

よせばいいのに、「なんだこれ」とペロッと粉をなめてしまい慌てるヘルマン。こうなったらもはや単なる事故では片づけられない。ヘルマンの車にコカインだかヘロインだかがぶちまけられてしまったのだから。

さんざんシルビアにやられたヘルマンは、それでも文明人としてシルビアと話し合おうとし、「保険会社に勤めているので賠償金は十分支払えるから、不利な証言はしないで欲しい、家族がいるんだ」と頼むのだが、シルビアは相変わらずシルビアで「人殺しィ!!あんたなんか一生豚バコにぶち込んでやる!!」の一点張りだ。

ヘルマンの天使が眠りにつくのはこのときである。

この頃にはもはやシルビアに同情している人は皆無なので、「もういいぞ、ヘルマン」と私たちについてる天使もみんな眠りだす。

それゆえに When Angels Sleep という原題の「天使」が複数形というわけだ。