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【アップグレード】新感覚アクションスリラー映画:ローガン・マーシャル・グリーンに泣かされる

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アップグレード


本国で知名度が低いながらも地味に評判が良いアクションスリラー映画「アップグレード」を見た感想です。

本作「アップグレード」は今年1月にアメリカで公開されていますが、製作費350万ドル(3億5千万円)で興行収入が8500万ドル(85億円)と大健闘!

主演はローガン・マーシャル・グリーン。

誰よそれ。

みんな一瞬そう思ったね。そこが肝の映画です。

 

【アップグレード】作品情報

原題:Upgrade

公開年:2018年

監督:リー・ワネル

出演:ローガン・マーシャル・グリーン

上映時間:100分

言語:英語

リー・ワネル監督はあの「ソウ」を手掛けた人。「ソウ」シリーズの脚本、製作総指揮、出演もしていて、ソウのあの部屋でゴードン医師と一緒に鎖につながれていたアダムがリー・ワネル監督だったのねー。

本作「アップグレード」の主演はローガン・マーシャル・グリーンで、最近だとプロメテウスに出てる。

 

【アップグレード】あらすじ

妻を殺され、自身は全身不随にされてしまったグレイ。ステムというチップを埋め込んだグレイは、超人的な能力を発揮できるようになり、妻を殺した者たちへの復讐を誓う。

 

【アップグレード】感想

まずローガン・マーシャル・グリーンは改名した方がいい。だってローガン・マーシャル・グリーンをある程度気にかけてあげてる私だって覚えられないもの。

えてして日本人はミドルネームに馴染みがないし、長たらしくて覚えてもらえないのよねぇ。

ローガン・マーシャル・グリーンの過ちはまずこの名前にある。トミー・リー・ジョーンズみたいに、トミーとリーがくっついてれば1つの単語みたいに聞こえるし、語呂がスムーズだから覚えられるのよ。

ウィリアム・ブラッドリー・ピットじゃ誰も覚えてくれないよ。ブラッド・ピットだからこそ簡単に覚えてもらえるし、ブラピとして日本で通用するようになった。

インポッシブルなミッション遂行に忙しいトムだって、トーマス・クルーズ・メイポーザー4世のままだったらここまでのスーパースターになってなかったかもしれんよ!

というわけでローガン・マーシャルで良いと思うのよね。あるいはLMグリーンとか、なんならLMGでいいよ。というわけでここではLMGでいきます。L・M・G、L・M・Gと何度か唱えると、あーら不思議、覚えられる。

まあこれはブログやドメインにも言えることなんだけどね。(詳しくはnoteに書いてるので興味のある方は是非どうぞ。)

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そんなわけでLMGですが、キャリアは20年くらい?2000年以降に出てきた俳優で、あれ?なんか見たことあるーという人は多いと思います。

それもそのはず、大ヒットドラマ「24」でジャック・バウアーの恋人オードリーの放蕩弟を演じたり、ニューポートビーチのセレブガキどもを描いたThe O.C.で主役ライアンのムショ上がりのどうしようもない兄ちゃんを演じたりしている。

映画ではリドスコによるエイリアンの前日譚「プロメテウス」などに出ている。(スパイダーマン:ホームカミングにも出てるみたいだけど、観てないの)

お気づきであろうか。LMGが不幸な役をやらされていることが多いことに。けっこうイケメンなのにさ。

唯一彼の格好良さが活きていたのはTVドラマの「ダーク・ブルー」でしたね。ダーク・ブルーは潜入捜査官を描いた緊迫感のあるドラマで、LMGが演じたディーンはイチオシのクールなキャラでしたし、坊主頭のLMGディーンは正直格好良かったです。なのに2シーズンでキャンセル。

ダーク・ブルー以外はどうしようもないキャラばかりやらされている感いっぱいのLMGですが、本作アップグレードでも奥さんを殺され、自分は首から上以外は動かない全身麻痺にされてしまうという、これまた不幸な役です。つくづく幸せになれないLMG!

本作「アップグレード」では、LMGとあまり美人でないその妻は、こんな金色のカメムシみたいなダサイ車に乗っている時に何者かに襲われてしまいます。妻は撃たれて死亡、LMGは頸椎を撃たれて全身まひという最悪の展開に。

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近未来の全自動型のマイカーがダサすぎる!

そう、これはキャラとしても幸せになれず、ローガン・マーシャル・グリーンと言っても皆に「誰それ?」と言われる俳優LMG自身が、「俳優としてもアップグレードしたるで」的な意気込みを感じさせる、要はLMGの自伝映画なんですよ。

失意のLMGのもとにハイテク企業を営む友人ジェフが訪ねてきて、ステムというチップを埋め込むことで麻痺が直る可能性がある…と持ちかけます。もちろん実験台になる形ですね。でもLMGはもう失うものがありませんので、手術を受けてチップを埋め込むことにするんですね。

チップを入れたところ…LMGはまた動けるようになります。よっしゃーキアヌ・リーブスみたいにリベンジ開始よー!なんて思ってると、埋め込んであるチップ「ステム」がなんと頭の中で喋り始めます。ちなみに本作の題名は当初「ステム」を予定していたそうです。

かくしてステムとLMGの二人三脚が始まります。ステムはAIスキルを駆使して、残された映像などから妻を殺した奴らを見つけることに成功します。

LMGは車いじりが好きなふつうの男なので、格闘スキルとかありません。そこでステムに許可を与えることによって、ステムが自動でLMGの首から下を動かすわけです。これが今までにないアクションでして、本作がヒットした最たる理由です。

予告編を見てみると分かると思いますが、LMGの「キャーやめてー!」という表情とロボットの動きによる格闘シーンが最高にミスマッチで笑いをそそります。

ソウを手掛けた監督ということもあって、ちょっと格闘シーンでグロいシーンもあります。

ジャンクロード・バンダムとドルフ・ラングレンが共演したユニバーサル・ソルジャーという映画がかつてありました。ユニバーサル・ソルジャーはロボットが兵士になったものなのですが、ジャンクロードは、レストランで男たちと戦っている時に表情を変えずに戦うことが大変だったとインタビューで言っていました。蹴ったり殴ったりする時にはどうしても力を入れなきゃいけないので、顔にも力が入ってしまいますものね。

ステムの声はちょうど「ステルス」を思い出させました。ステルスの声はプリズン・ブレイクのマイケル・スコーフィールドあ違ったウェントワース・ミラーでしたが、本作の声も渋くて耳に優しい声でしたね。

さらに機械であるステムにも限界があり、たとえば同じような強敵と戦うとき、できうる限りの格闘シミュレーションを考え、それをすべて実行しても勝てないと判断すると、正直に「これ以上の力は出せないので、あなた(LMG)の方で何かして下さい」みたいに言うんですね。

するとLMGが機械にはできないこと、つまり感情を利用して敵へ反撃するんです。このコンビプレーがまるでナイトライダーのマイコーとキッドみたいで、不思議な友愛を感じさせます。

と、ここまでは良いのですが、最後の方にツイストが少しありまして。私としてはステムに愛着を湧いていたので、あの終わり方は予想外といいますか。でもいいキャラなんで、続編も是非作って欲しいな。腕に銃が埋め込まれているのとかも近未来的で、ターミネーターやアイアンマンみたいなんだけど、ロードするシーンもご丁寧に挿入されてました。

ハッカーの役はやっぱりあそこは24のクロエ・オブライエン出して欲しかったな!

またLMG自身も最後はやはり幸せになれない終わり方でして。いや、あれで一応ハッピーエンドなのかな?とにかく、ああ彼はやっぱりローガン・マーシャル・グリーンなんだとなと実感しながら、彼の幸せを願わずにはいられませんでした。泣きそうになるわ。がんばれLMG。

評価:60点