Netflixオリジナル映画「すべての終わり」を見た感想です。フォレスト・ウィテカーと塩・ジェイムズ主演のアポカリプス映画で、二人のロードトリップが楽しそう。
なのに蓋を開けてみれば、いつものフォレスト・ウィテカー詐欺コンテンツで途中でフツフツと怒りと呆れが湧いてくる映画です。
Netflixオリジナル映画【すべての終わり】作品情報
原題:How It Ends
公開年:2018
監督:デビッド・M・ロゼンサル
出演:フォレスト・ウィテカー
塩・ジェイムズ
上映時間:113分
言語:英語
主演はフォレスト・人食い・ウィテカー様と塩・ジェイムズさん。日本語表記はテオ・ジェイムズさん。塩・ジェイムズさんについてはよく知らないけど、ダイバージェントだとかインサージェントだとかよく分からない英語タイトルのSFアクションに出ていた人らしい。
塩・ジェイムズ、ジェイムズ・フランコ、ジェイムズ・マースデンと3人合わせて名前も顔も似ているジェイムズ三兄弟。
最近はこういう顔がモテてるの?ミレニアム世代の俳優は、外見のイケメン度に中身がついていってない。髭を伸ばして私の気を惹こうとしたって無駄よ、中身の薄っぺらさがにじみ出てる。私は彼よりブレイキングバッドのマイク(71歳)選ぶよ。ルックスには騙されないよ。
監督は聞いたことない名前で、扱った映画も聞いたことない、すいません。
Netflixオリジナル映画【すべての終わり】あらすじ
西海岸で原因不明の天変地異が起こる。
音信不通になった恋人を探すため、恋人の父ちゃん(ウィテカ!)とともに塩・ジェイムズがロードトリップするお話です。
恋人の父親を演じるウィテカは元軍人に決まっとるやないか。
Netflixオリジナル映画【すべての終わり】感想
Netflixの映画やドラマはそこそこ満足いくものが多いけど、必ずぶっこんでくるポリコレ臭にはどうしても一言申したくなる。今や商業コンテンツは、同人種同士のカップルより異人種同士のカップルやゲイカップルの方が多いんじゃないかと思うくらい。
現実世界を見てみればゲイカップルや我が夫婦のような異人種同士のカップルはまだまだ少ないのに、コンテンツには溢れてれるので、私のように当の異人種間カップルでさえポリコレ臭に辟易するし、ポリコレの狙いを感じてコンテンツに集中しづらくなる。
おまけにアメリカ発のものだとカップルがほぼ美男美女で、それこそアメリカ人のイメージに著しい誤解と偏見を生んでる。だから「欧米人は格好いい」だとか「ハーフは可愛い」とか訳の分からないこと言いだす日本人が出てきちゃうんだよ!
本作も異人種同士カップルの美男美女です。冒頭の二人のやり取りからして嘘くさい。医者のオフィスで子どものエコー一緒に見てそら幸せそうな2人は、その後別行動をするときにお互いをいたわりあって目をキラキラさせながら、演技丸出しのラブラブシーンを見せつけてくれる。
女の子の目は少女漫画のようにキラキラ、肌も髪もツヤツヤで無駄に可愛い。キラキラした目でアイラブユ~なんつってるから、パイ投げたくなってくる。
そこへ登場する強面の元軍人フォレスト・ウィテカーは人は食らわないものの、娘の婚約者にウィルに食ってかかる。「お前らの世代は体で稼ごうとしない」とミレニアルをディスったり、「俺は27年軍に勤務してこの国を守ってきた」とエゴが炸裂。言ってることが旦那そっくりなのでオーマイゴッド。
その後のウィテカーの言動も軍人の旦那そのものなので、私が日々格闘している相手がどんな未確認人間かご想像頂けると思う。実を言うと、ウィテカーよりもずっと感じが悪く難物である、うむ。
さて、娘/婚約者を助けに行くという信念を胸に、かくしてロードトリップへと繰り出したウィテカーと塩・ジェイムズは、ハードルを超えながら西へと向かっていく。
アポカリプス時には無法者に化す率が高いであろうアメリカで、道路封鎖、略奪者、嵐、山火事というステージをクリアしていく。
ところが割と早い段階でウィテカーがろっ骨を折ってしまう。ウィテカーの元軍人スキルを楽しみにしていた私は早々に出鼻をくじかれてしまった。ろっ骨が折れてると、大してできることはない。銃を持ち上げるだけでも「アウチッ!」なウィテカー。
またウィテカー詐欺映画か…ポスターからもわかるようにフォレスト・ウィテカーの名前にはいつも「アカデミー受賞俳優」というサブタイトルがよくくっついてくる。そこでハードルが上げられるんだけど、映画を見てみると内容に落胆させらることが多い。これをフォレスト・ウィテカー詐欺という。
本作もフォレスト・ウィテカー詐欺作品と言えるだろう。
さらに、ろっ骨を折って今にも倒れそうなウィテカーをウィルは完全無視する。ウィルはウィテカーの具合をまったく気に留めない。「大丈夫か」「手当てしないと」の一言もない薄情ぶり。
明らかに具合が悪いウィテカーをほっときながら、途中で知り合ったリッキーという若いトムボーイ女性の姿がいなくなったことを心配するウィル。ちなみにリッキーはなんの役にも立たないまま消えてく。
ウィテカーがゲホォッ…!なんつって吐血してるのに、「ガソリンチェックしよう」とかいって全く意に介さないウィル。これは冒頭でウィルを弄ったことに対するウィルの沈黙の復讐なのだろうか。
ウィテカーがもはや息ができなくなって自分で胸にプッさして肺の圧力をリリースしようとしてたところで、やっとことの重大さに気づくウィル。空気どころじゃないKYぶりに半ば停止ボタンを押しかけたが、ウィテカーが必死に苦しそうにしているので最後まで見届けることにした。
とにかくこの二人、まったくの不協和音でケミストリーが全然ない。何日もロードトリップしてたら、父と義理の息子がお互い距離を縮めあって絆が生まれるもんですよね。
「俺はもう長くないから、娘を必ず守ってくれ」なんて言っても、ウィルは「そんなこと言わないで下さい!あなたは死んではならない!サムが待っているんだ、あなたが必要だ!」なんつって励ますんじゃね?
しかしウィルは「もちろん!約束するよ!」なんつって嬉しそうに快諾する。ウィテカーの死の淵で大事な話をしてるというのに、お前、映画の空気よまんか。
とにかく飼い犬が死にかけているかのような軽いノリに、半ば引く。
塩・ジェイムズ、あんたアルマゲドンで復讐しなかったのか!?ブルース・ウィリスとベンアフの義親子の熱い絆を見なかったのか!!w
目に涙を浮かべながらもウィルの口から出る言葉は「サムはきっと大丈夫ですよ」。ウィルにとってウィテカーは心底どうでもいいということだけは十分伝わってきた。
やっとシアトルにたどり着いたと思うと、ステージをクリアしてきて調子に乗ったウィルがサムを助けてくれたストーカー男に、自分が修羅場をくぐってきたことを暗にほのめかし、あまり重要でない会話ばかり交わしたあと、サムの取り合いになったりと、天変地異を無視するストーリー展開になる。
サムはお花畑っ子だし、ウィルもいけ好かないので、このままポンペイのように終わって欲しいのだが、果たして…タイトルのHow It Endsがそっくり抜けていて、終わりを撮り忘れちゃったのかな?それとも続編に続く?
結局、西海岸で何が起こったのかはっきりとしたことは分からないんですが、地震により津波と火山噴火が発生したような状況です。そして電気も米国全土で絶たれてしまった状態です。
ポテンシャルがある設定なのにapocalyptic failure的なアポカリプス映画でした。
評価:20点
ウィテカー詐欺じゃないおススメ作品はこれ