【30年後の同窓会】を見た感想です。
中年オヤジのスタンドバイミーとかいう美味しそうなキャッチフレーズがついてましたが、コメディ系ドラマです。
主演は、ブレイキング・バッドの名優ブライアン・クランストンとローレンス・フィッシュバーン、脚本・監督は「ビフォー・ミッドナイト」のリチャード・リンクレイターです。
【30年後の同窓会】あらすじ
舞台は2003年。
バーを経営する元海兵隊のサル(ブライアン・クランストン)のもとに、かつてベトナムで一緒に戦った軍友ドックが訪ねてきます。2人は牧師になったもう1人の友人リチャードのもとに向かいます。
30年ぶりの再会を懐かしむ3人でしたが、ドックは2人を尋ねてきた理由を明かします。海兵隊になったばかりのドックの息子が戦死したので、戦葬に同行してほしいということでした。
【30年後の同窓会】感想
冒頭はサルのバーにドックが入店してくるシーンで、ここはすぐに引き込まれました。
しかし、映画全体で見ると、ずばりコンセプトは良かったと思うんですけど、うまく描き切れなかつた感があります。
話のフォーカスポイントは、戦争で「祖国のためにヒーローとして死んだ」兵士が必ずしもそうではないという点ですね。戦争で亡くなった兵士たちの家族には、政府は必ず「ヒーローとして死んだ」と言いますけど、実際はそうではない場合も多いという点です。
ドックの息子も、上司からは「おたくの息子さんはヒーローとして死んだ」なんて説明されますけど、実はイラクのマーケットで買い物していたときに後ろから撃ち殺されたという事実を知らされます。
またサル、ドック、リチャードの3人も、ベトナム戦争時に友人一人を亡くしていて、その友人の母親は、3人を守って死んだと聞かされています。しかし3人はそうではなかったことや、みんな無責任に行動していたことを知っています。
こういう観点からの反戦映画なので、価値のある内容ではあるんですよね。退役軍人の視点から描こうとしているし、リスペクトも感じる。
しかし最初から最後まで一本調子で、3人のいずれもメンタル的な変化を経験した者はいないので、ぜんっぜん胸に響いてこないんですよ。
口が悪くて無礼で空気が読めないサルをリチャードが牧師だけに説教している横で、ドックが物静かに佇んでいるのが延々と最後まで繰り返され、何の映画だったんだっけと思ったまま終わります。
まぁ3人の俳優はまずまずだったと思いますけどね。ブライアン・クランストンとローレンス・フィッシュバーンを見れたのは素直に嬉しかったです。
評価:35点