10月13日公開【ジェノサイド・ホテル】を見た感想です。
2008年11月26日にインドのムンバイで起きた同時多発テロのうち、インドを代表する高級ホテル「タージマハル・ホテル」のテロを描いた実話に基づく映画です。
【ジェノサイド・ホテル】作品情報
原題:One Less God / The Mumbai Siege: 4 Days Of Terror
公開年:2018年
監督:リアム・ワーシントン
出演:ジョゼフ・マーラー・テイラー、カビール・シン、キーラン・クマール
上映時間:128分
【ムンバイ同時多発テロ】
ムンバイ同時多発テロ(ムンバイどうじたはつテロ)は、2008年11月26日夜から11月29日朝にかけて、インドのムンバイで外国人向けのホテルや鉄道駅など複数の場所が、イスラーム過激派と見られる勢力に銃撃、爆破され多数の人質がとられまた殺害されたテロ事件である。
死亡者は172人または174人、負傷者は239人という大規模なテロでした。
うっすらとそんなことあったな・・・という記憶しかありませんが、調べてみるとものすごい同時多発テロです。
実に10件ものテロが発生し、そのうち8件は南インドで起きました。本作「ジェノサイド・ホテル」はムンバイの高級ホテル「タージマハル・ホテル」で起きたテロを扱ったものですが、他にもムンバイ同時多発テロを扱った映画やテレビのドキュメンタリーが多数制作されています。
テロの実行犯はデカン・ムジャーンヒディーンというイスラム過激派組織で、犯行声明のEメールの発信先がパキスタンであることが分かっています。
死亡者のうち34人は外国人で、日本人一人も犠牲となりました。※三井丸紅液化ガスの社員が犠牲になりました。
タージマハル・ホテルは26日に襲撃され、29日にやっと当局によって制圧されているので、宿泊者(生存者)は恐怖の4日間を過ごしたことになります。
【ジェノサイド・ホテル】感想
低予算だな!たぶん・・・
ハリウッド並みの予算は難しいだろうけど、予算内でできることを頑張ってやったのは認める。
でも実話に基づく映画は、せっかくだからやっぱりある程度の予算とある程度の俳優を使って欲しい。有名どころじゃない俳優をわざと使って成功するイーストウッド式もあるけど、あれはイーストウッドだから成功するのかもしれないよね。
映画を有名にして世界中に知らしめるためにも、ある程度知名度のある俳優を使った方がいいし、拝金主義じゃない俳優だったらギャラが低くても出たくなるだろう。
というわけで、出演者のうち被害者の人たちは全員ダメ。唯一良かったのは孫娘を守ったインドのお爺さんとユダヤ人のロックスターくらいかな。他の人たちはアマチュアぶりが炸裂しているので、まったく入り込めなかった。
被害者の中でガッツを見せた青年ショーンはアイルランド人の役なんだけど、なぜアイルランド人という設定になっているのか理解に苦しむ。なぜならオーストラリアばりばりのアクセントで喋っているからだ。無理やり国籍を変えずにその国籍に合わせて俳優を雇うべきじゃない?
しかもショーンさん全然格好良くないし、まあそれは女の勝手な言い分だからいいとしてもだ、まったく入り込めないんだよ。ホテルの一室に皆でひっそりと隠れている時の会話がどうも妙なんだよね。だって戯言だらけさ。あの状況でそんな会話するか?
しかもテロリストがどこにいるかも分からないというのに、けっこう大きい声で話したり、怒鳴り合ったり、喧嘩し合ったりしている。
挙句、廊下をテロリストが歩いているのを知ってるのに、「ヒィッ~!」と声を漏れさせて気づかせてしまうとか、お前らいい加減にしろよ!
インドの孫娘にしても西洋人ウケを意識した色の白いめっちゃ可愛い女の子を起用しているのが分かりまくりでさ、そういうの「ケッ」とか思うんだよ。
それから音楽が最悪ね!場違いな音楽ばかりで、おまけに大げさでやりすぎ。
逆に良かったのはテロリストの方だよ!テロリストを演じた二人だけは表彰したい。ほとんどセリフはないけれどもあの存在感、心から恐怖を感じたよ。特にヤシーン役のカビール・シンはえり抜きだったね。
評価:35点