サスペンス映画「インペリウム」を視聴しました。
2016年の作品です。
アメリカのホワイト・スープレマシスト(白人至上主義団体)にFBI捜査官が潜入捜査するお話です。
主演はハリーポッターのダニエル・ラドクリフ。
え?
主演はハリーポッターのダニエル・ラドクリフです。
映画ポスターだけ見ると、「誰?」てなりますね。
アメリカでは当局が把握しているだけで110以上の都市にKKK支部があります。
私の住んでいるカリフォルニアは、アジア系やメキシコ系など多様な人種が存在していて、リベラルなエリアとされています。しかし、それでもトランプ大統領が当選したとき、ホワイト・スープレマシストの人たちが登場して小競り合いがあったのをニュースで見ました。
怖いです。
KKKは以前「日本は単一民族だから人種間の問題が発生していない、単一民族万歳!」なんて日本について言及したこともあります。日本人は日本人以外を認めない、なんて誤った認識をしているのかもしれません。
KKKのメンバーの数は年々減少していますが、メンバーでなくても、一個人がホワイト・スープレマシストの大義に共鳴して事件を起こすケースは増えています。国内テロです。
したがって、アメリカは外部からのテロだけでなく、内部からのテロも監視、捜査しています。
さて、本作「インペリウム」は、事実に基づいています。この映画のモデルとなったFBI捜査官は、マイケル・ジャーマン氏。FBIで16年間勤務した後、ある事件でFBIのミスを内部告発し、辞職しました。
ジャーマン氏は、FBIに入局したあと、詐欺やホワイトカラーの事件を担当していました。そんな時、上司がオフィスに来て潜入捜査の仕事をもちかけられたそうです。
最初の潜入捜査はロスアンゼルスにあるスキンヘッドでした。
『インペリウム』のあらすじ(ネタバレなし)
ある日、若きFBI捜査官ネイトのもとに上司がやってくる。ホワイト・スプレマシストの潜入捜査をもちかけられたネイト。現場経験もなく戦い方さえ知らないネイトは最初はオファーを断るが、上司の説得もあって「何かを変えたい」という思いから、潜入捜査をすることに。
FBIの協力者を通じて、スキンヘッドに接触を試みるネイト。そこから他のホワイト・スプレマシスト団体にも接触していき、誰かがどこかで事件を起こそうとしていることを嗅ぎ付けるが…
といった内容です。
『インペリウム』の感想(ネタバレなし)
まず一番先に突っ込みたいことは、主役。
白人至上主義集団といえば、KKK、ネオナチ、スキンヘッドなど。
白人しか認めない超危険な団体です。
そんな危険な団体に潜入するFBI捜査官がハリポタのダニエル・ラドクリフだと?
ハリポタから卒業して、こんな役もできるというイメチェンを図りたいのは分かります。
でもハリポタのダニエル・ラドクリフはさすがにないわー
別に嫌いではないんですが。
ダニエル・ラドクリフは背も小さいし、体も小さい。身長は165㎝しかありません。
あんな華奢で元マリーン(海兵隊)って言っちゃって、ホワイト・スープレマシストの怖い皆さんに通用するんでしょうか。
一応、身長体重制限は通るとしても、実際にギアを装着すると小柄な体にはかなりの負担です。
米兵士のギアは27kgくらい重さがあります。
女で脆弱な私が旦那の防弾チョッキや銃を持っただけで、フラフラします。
とにかく重い!!
髪の毛をスキンヘッドにしたり、意気込みは感じられましたけど。
Photo by Jacob Coppage - © 2016 - Lionsgate Premiere
ハリーいやダニエルの口からニガーだとかファッキンだとか汚い言葉が出て来ると、非常に違和感がありました。
映画はけっこう淡々と進んでいきます。
何度かハラハラするシーンもありますが、そこは主人公の頭の回転の良さで切り抜けます。でもダニエル・ラドクリフがもろ「ヤバイ、バレたか…」みたいな表情をするので、私がホワイト・スプレマシストのおっさんだったら確実に見破っていたと思うわ。
Photo by Jacob Coppage - © 2016 - Lionsgate Premiere
トニー・コレットも出演していますが、映画の中でずーっとガムをくちゃくちゃしているのが気になりました。
Photo by Jacob Coppage - © 2016 - Lionsgate Premiere
せっかくの良い題材を映画にしたのに、なんだか失敗しちゃったなーという感じ。
主役だけじゃなくて、物語に強弱がなく、随所にハラハラするシーンを入れただけという感じなので、重みもなく、主役の葛藤が垣間見えるわけでもなく、なんだか中途半端な映画になってしまいました。
主役をコリン・ファレルにして、作り直すのがいいとおもう。
評価:40点
潜入捜査なら The Infiltrator が面白かったです。