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【ヴァイキング~海の覇者たち】シーズン3第10話(最終回)あらすじ感想:パリを征服するのは死者

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【ヴァイキング~海の覇者たち】シーズン3第10話、いよいよ最終回です。

ヴァイキングのシーズン3はラグナルがボルグ首領とホリック王を倒して北の王になってから、友を亡くし、戦いに大敗し、負傷して死の縁を彷徨うという急転直下の物語となりました。

パリの市壁戦で重傷を負ったラグナル…

いよいよラグナルの死期がやってきたのでしょうか?

 

【ヴァイキング~海の覇者たち】シーズン3第10話最終回あらすじ感想

パリとヴァイキングの間で和平交渉が行われ、パリはヴァイキングに金銀を支払う。

ロロ「フランク人たちが支払ったぞ」

ラグナル「俺には関係ない。もう死ぬんだ。」

ラゲルサはラグナルのキリスト教への改宗を信じなかったが、ロロはフロキと同意見で、アセルスタンがラグナルの精神に影響を与えたと考える。

ラグナルは死の床で息子ビヨルンに「お前が指揮をする時がきたら、心ではなく頭を使え」と助言する。フロキへの復讐心のために心任せにフロキに指揮を任せて多数の犠牲を出した自分と同じ轍を踏むなというアドバイスである。

パリでは一応ヴァイキングによる侵略を防いだ勝利を祝う祝賀モードだが、ヴァイキングへの支払いをしたこと=妥協したことが許せないギスラ。そうこなくちゃ。

「ヴァイキング」シーズン3最終回の肝は、このあとパリの祝賀モードのなかでしめやかに執り行われる。

主役はパリ救国のために尽くしたオドちゃん。

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有能なオド伯、パリをヴァイキングから守った英雄

弱虫チャールズ王に代わり、みずからパリ防御戦の現場指揮を執り、異教徒のアニマル達からパリを守った英雄である。

オド伯はかねてから皇女ギスラと結婚したいと考えていて、パリを守ることができた暁にはギスラと結婚させてくださいとチャールズ王にも頼んでいた。しかしギスラが難色を示しているので、パリを守ったあともギスラを手に入れることは見込み薄だった。

そこで、オド伯は、こちらをじっと見つめてくる女性を私室に招き入れることにする。

私室に入るとそこには・・・

縄。

ムチ。

足枷手枷。

といったオドちゃん自慢のコレクションが綺麗に並んでいた。

女性は「え。ナニコレ珍百景」とか思いながら戸惑いの表情を見せるが、オドに「どれを選ぶかは任せるねー。けっこう痛いものもあるから、注意して選んでねー」とインストラクションを与え、女性の心と体の準備が終わるのを待つ。

準備ができたオドちゃん

フィフティ・シェイズ・オブ・グレイる。

…………

さらっと読み逃すといけないので、もう1回書いとく。

オド伯がぁ、フィフティ・シェイズ・おぶグレーる。

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パリ攻防線を指揮してパリを守ったオド伯

こんな顔してオブグレッたんだよ、オド伯は。

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オドちゃんのナニコレ珍百景

オドさん…

何がビックリって、このあとのラグナルの死よりオド伯のオブグレ趣味に一番驚いたよ私は。

まさか最終回でこんな珍百景を見せられるとは。

しかもオドかよ!?

でも一番楽しいシーンでした。

 

それから1か月。

金銀を支払ったのに、まだ立ち去ろうとしないヴァイキングの様子を見にオドが野営地にやってくる。

ビヨルンの話では、ラグナルが重症なので移動が無理ということらしい。

ビヨルンは続ける。ラグナルの希望だったキリスト教式の葬式と埋葬をして欲しいと。

「ラグナルの埋葬をしてくれなければヴァイキングは立ち去らない」というと、オド伯は「武器を携帯しない条件ならば」と承諾する。

フロキはラグナルに最後の船を作っていた。人間一人が入って丁度の大きさをした四角いラグナルのためだけの船・・・海ではなく、天国に向かうための船である。

 

ラグナルが息を引き取る瞬間は画面には映らない。

ラグナルの棺の傍で、フロキ、ラゲルサ、ロロが最後の言葉をかける。

ええっ、ラグナル本当に死んでしまったの!?

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ラグナル近影

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ラグナルとロロの兄弟

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USOでSHOW

うん、嘘です。

結論からバラしてしまうと、ラグナルは死んでいない。

ラグナルはこのあと棺でパリの大聖堂に運ばれるが、棺の中から蘇り、飛び出して最後のパリ攻撃を仕掛けるのでした。

まあ、トロイの木馬作戦を仕掛けたわけだ。

シーズン2ではフロキやシギーをホリック王の側についたと見せかけておいてひっくり返すという調略を披露したラグナルですが、シーズン2ほどではないにしても中々のグッドアイデアだったと思います。

いったん話を戻すけど、ラグナルは自死の偽装をフロキ、ラゲルサ、ロロに秘密にしていました。

心から信用できたのはビヨルンだけなので、ビヨルンは知っていました。

だからフロキ、ラゲルサ、ロロの三方はラグナルは本当に死んだと思っていて、棺の横でラグナルに話しかけるんです。

トロイの木馬作戦自体だけでなく、ラグナルが身内にも罠を仕掛けた感じがしてこのシーンはすごくおもしろいなと思った。

だって本音が聞けるでしょ?3人ともラグナルを愛していることには変わりはないけれど、立場や戦局によっては信用できなくなる可能性もある3人ですから。

逆に3人がラグナルの棺に話しかけている時に「あ、これラグナル中で聞いてるや」というヒントにもなっていたんだけど。

何も考えていないフリをして、いつのまにか考えているのがラグナルだよね。

「敵を欺くにはまず身内から」とも言うし、いい戦術でした。

ラグナルの死→蘇生→攻撃の詳しい展開はこんな感じ↓

ラグナルの棺がパリの大聖堂に運ばれます。ギスラ皇女は不満げな表情、チャールズ王は勝利に酔いしれた顔をしてラグナルの棺が運び込まれるのを見つめています。

棺が置かれて間もなく、蓋が開いて中からラグナルが蘇ります。

ラグナルの蘇りを目にして失神するキリスト教徒がいたなぁ。気の毒に。

蘇ったラグナルを変な顔して司祭様が見ていたので、ラグナルが司祭の首を刺す!

そしてラグナルはギスラ皇女を人質にとります。

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ラグナル「俺の勝ち」

この光景今度はチャールズ王が失神します。

パリ包囲戦は「ヴァイキングからの強襲に耐えて勝利した」と後世まで伝えられることになるはずでしたが、「トロイの木馬作戦でヴァイキングが大聖堂まで侵攻した」ということになるでしょう。チャールズ王の威厳と名声はこれでガタ落ち。ラグナルのトロイの木馬作戦による奇襲勝ちですね。

棺担ぎ人たち(ヴァイキング)も棺の中から武器を取ります。

ラグナルはギスラ皇女の首に剣を当てたまま、仲間たちと市門へと繋がる廊下橋に向かいます。

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しかし、橋の途中でラグナルは何故かギスラ皇女を解放します。

ラグナルはギスラの首にあてていた短剣をおろし、市門の外に待機していたビヨルンとヴァイキングたちの姿を確認。次にオド伯たちパリ兵をみてから、ギスラの顔をみて「行け」とジェスチャーします。

ギスラは驚き、ラグナルの顔を見つめます。ラグナルはギスラをパリ側の方に向かって小突き、ギスラはパリ側に走っていきます。

ギスラを解放したのは何故だろう。長期に及ぶ戦いに疲れていたのかもしれないし、体がかなり弱っていたかもしれない。いずれにしてもラグナルはもう他のヴァイキングの仲間たちとは違うメンタリティだったのでしょう。

ビヨルンの号令で市門からはビヨルンが率いるヴァイキングたちが侵入してきます。仲間と反対方向に進みながら、ビヨルンの腕の中に倒れ込むラグナル。

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このシーンがすごく好き。もはや結果はどうでもよくて、パリを攻略できたことに満足したラグナルと、作戦を成功させて不可能を現実に成し遂げた父を尊敬の目で見つめるビヨルンの2人の表情がたまらない。

背後にラゲルサが見えて、ビヨルンがラグナルを受け止める光景が皮肉にも聖母メアリー様がキリスト様を受け止めるような光景で神々しかった。ちょうど蘇ったあとだし。

預言者が「パリを征服するのは正者ではなく死者だ」て言ってたのは、こういうことだったんだなぁ。

ただラグナルは具合がかなり悪そう。

そしてロロ、フロキ、ラグナルの憮然とした顔・・・

騙された・・・という思いはあるよね。

信用されていないということでもあるし・・・

この3人はビヨルンを除けば一番ラグナルに近い人で、間違いなくラグナルが愛し愛されていた人なのに、なんで秘密にしたんだろう。

こればかりはラグナルにしか分からないけれど、でもなんとなく分かる気もするんだよなぁ。ラグナルは親しい人たちや神々に裏切られたと感じていたと思うのよね。

ロロの裏切り(S1)、娘が疫病で死亡、ラゲルサとビヨルンが去る(ラグナルのせいではあることは別にして)、骨なしアイヴァーの誕生、アスラウグがさすらい人と浮気、フロキがアセルスタンを殺害、アセルスタンがラグナルを置いて天国に行っちゃう、といった人生のハードモードなイベントが続いてきたじゃない?

だからビヨルンにしか言えなかったんじゃないかと。

そのビヨルンも幼い時にラゲルサを選んで去っていったわけだけど、この上の画像を見ると、ビヨルンとラグナルがお互いに過去を許し合ったことが分かるし、背後にラゲルサがいるのが味噌過ぎて、脚本&クリエイターのマイケル・ハーストの力量がすんばらしいことは分った。天才的。

 

ギスラが無事に戻ってくると、父である陛下は床に座り込んで呆然としているだけでした。

オド伯「陛下、ヴァイキングたちは略奪をして去っていきました」

陛下「パリが奴らに汚された。天使たちが泣いてる」

無能玉無しの父を侮蔑の目でみつめるギスラの表情が好き。

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ギスラ「立て、この老いぼれ無能野郎が」


翌日、ラグナルらヴァイキングたちは北に戻ることになりますが、次のパリ襲撃に備えてロロと残りたい人達が野営地に残ることになります。

パリのチャールズ王は、ヴァイキングによる再襲撃を回避するため、ギスラとロロの結婚を提案する。

もち、ギスラ猛反対するが、フランク国を守るためと父に無理矢理押し付けられる。

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ロロの方も預言者の言うとおりになってきた~。

ギスラ皇女との結婚だけでなく、フランク王国の北の広大な土地と公爵の地位も授けられるようで、一気にパリの裕福な要人となるロロ。

但し、その見返りは・・・

ラグナルからパリを守ること。

ロロはただ単にパリの要人になるだけでなく、ラグナルと再び敵対関係になってしまうのか・・・そういう運命なのかと思ってしまうよね・・・まさに神の御業というか。

次はシーズン4です。