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「The Sinner」シーズン4の粗筋と感想(ネタバレ前提)

ジェシカ・ビールがエグゼクティブ・プロデューサーを務めているドラマ「The Sinner」のシーズン4がリリースされました。

このシリーズ、シーズン1は良かったんだけど、シーズン2と3があまり好きじゃなかったのでパスしようかと思いました。

シーズン2のカルト女とのSMロマンスも引いたし、シーズン3のジェイミー(マット・ボマーは短髪だとイケメンじゃなくなる)とのあれこれには言葉を失ったわ。

でもビル・プルマンもサスペンスも好きなのでトライしてみました。

感想としては、まぁまぁ良かったかな。シーズン2と3よりは良かったと思う。

ネタバレあり感想です。

 

「The Sinner」シーズン4粗筋

メイン州のハノーヴァー島に休暇にやってきたハリー・アンブローズ(ビル・プルマン)と恋人のソニア(ジェシカ・ヘクト、シーズン3でアンブローズと出逢う)。

シーズン3でジェイミーを射殺して以来、不眠症に悩むアンブローズ。この日も眠れずに、夜道を散歩することに。

すると日中に波止場で言葉を交わした25歳の女漁師パーシーが誰かと言い争いをしている様子で建物の脇から道路に出てくる。

パーシー

動揺した様子のパーシーが気になり、アンブローズは後を追う。パーシーはやがて崖までやってくるが、崖から身を投げる。

すぐにパーシーの遺体の捜索が開始されるが、遺体が見つからず、パーシーの家族は「パーシーは自殺するような子ではない」とアンブローズが見間違えたのだと疑う。

遺体が見つからないことと、ハノーヴァー島では犯罪が殆どないので署長のルーがこうした捜査に不慣れで何をどうしたらよいか分からないことから、アンブローズの評判を聞いたルーがアンブローズに捜査の協力を求める。

というわけで、アンブローズがまた見知らぬ土地で捜査を開始することになります。

 

「The Sinner」感想

可もなく不可もなくのせいか、あまり言うことがないというか…

飛び降り現場の近くに置かれたアイテムが儀式じみていたので、またカルト宗教ものかと思わせておいて次は禁じられた愛の線、次は違法ポルノかスナッフ映画、最後は密入国事業と、次から次へと疑惑が移りゆく展開が非常に疲れました…

好奇心と興味を引き出そうとする努力は認めるけど、あまりにも引っ張りすぎなのよねぇ。策士、策に溺れた感が半端ねぇ。

パーシーの祖母メグ、父ショーン、叔父コリンも警察に隠さなくてもいいことを隠すし、地元の名士たちも隠さなくてもいいことを隠しながら「自分は怪しいですよ」感を出しまくるわけよ。

隠す必要がない情報を隠しまくると、もうそこでミステリーの論理が破綻しちゃうやん。

カルト宗教ものを匂わせて初期の頃の森の中でのうめき声や、夜中に女三人が裸体で川辺で妙な踊りをしていた件、説明が最後までなかったけどあれは何だったの?

苦悩を抱えたパーシーが港湾管理人の女性とスピリチュアルな儀式やったり…てのもずいぶんと非現実的だと思う。

アンブローズの恋人ソニアの存在もまったく不要だったよね。

要約すると、パーシーが隣人で商売敵の中国人家族ラム家の長男ボーを誤って射殺してしまったことでパーシーは精神崩壊の一途を辿る。パーシーの家族は、長男ボーを射殺してしまったことの賠償として漁業権と人里離れた島を譲渡し、ラム家は承諾する。(警察沙汰にせず、ボーの遺体はその島にこっそり埋葬した)漁業権を譲渡したことでパーシーの家族は経済的に困窮し、叔父コリンと父ショーンがカナダへの密入国ビジネスに手をかける(パーシーの元彼の漁師なども加わっていた)。そのことを知ったパーシーは家族が苦しんでいるのも自分のせいだと更に悩むようになり最終的に自殺。

パーシーはボーの亡霊に怯えていたわけだけど、アンブローズ刑事がジェイミーの亡霊に悩まされていたことにシンクロさせ、二人は同じ苦悩を抱えており、パーシーは耐えきれずに命を絶ったがアンブローズはなんとか生き延びた、ってことなんだけど…うん、それで?としか言えない自分が悲しい。

ビル・プルマンが好きだから観れたものの、全体としてはなんだかなぁ…

でもまぁ、小島の狭い世界が織りなす閉鎖的な人間関係や、生まれ育った土地のしがらみから逃げられない悲劇、飛び立つ大変さなどは過剰なほどに巧く描かれていたね。そこは良かった。