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【ザ・アウトサイダー】スティーブンキングのドラマを最後まで観た感想と最後の解釈

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The Outsider@HBO

スティーブン・キング原作HBO新作ドラマ「ザ・アウトサイダー(原題)」を最後まで観た感想です。

実は最終回は明日に迫ってて、第9話まで観たところなんだけど、第9話の最後がヤバイ終わり方をしたので最終回をドキドキ待ち詫びているところですわよ。

第10話を観終わったあとで、この記事を完成させようと思っています。

感想は第4話でまでしか書いてないのだけれど、なかなか面白いので興味のある人は観てみて下さいね。

 

【ザ・アウトサイダー】最後まで観た感想

「あーエル・クコねー、ハイハイ、非人間だけど実体のある悪霊が人殺して食べてるのね、はい犯罪捜査の努力無駄無駄ー、水泡と帰すー」と、科学的な犯罪捜査を否定する展開に少し心が離れたのは認めます。

オカルト系の映画やドラマがあまり好きじゃないのには理由がございます。おぞましい事件が起きた→こんなおぞましい悪業をできる人間がこの世にいるのか、と人民の恐怖を煽る→捜査に精を出す→結果、悪霊が犯人でしたー。というオチは、それまでの犯罪捜査の努力が無に帰するようで不条理だと思ってしまうのね?

でも人生は不条理。このドラマの上手いところは、そんな私たちの心情を汲み取り、オカルト全否定のラルフに「そんな馬鹿なことがあってたまるか」と言わせながらも、実在しなそうなアスペルガー系天才ホリーが「そんな馬鹿なこともあるんじゃけん、私がアンビリーバブルな証。私が実在するなら、エル・クコも実在し得る」と調査結果を提示しながら説得することで、アンビリーバブルな事象も信じざるを得ないという展開にもっていくところですかね。

オカルトが嫌いな私でさえ「いや待てよ?いるかもしれんな。人間ではない何かが、この世に」なんて思ってしまいますよ。

グローバルシチズンを疲弊させているコロナウイルスのようなウイルスや細菌類だって、何億年後には人体に寄生して細胞を別の何かに再生させていく存在に変貌しないとは限らない。その細胞がたとえば人を食らう人食いバクテリアのようなものだったり、寄生した対象自体に肉を食わせるものだとしたらそれは俗にいうゾンビになるわけだし、可能性は無限大。何故ポジティブな口調なのか。

さて第5話以降の後半戦は特に大きな進展は見られず、淡々と進んでいきます。主役がラルフからホリーに移って、調査を続け、エル・クコを信じられないラルフ達刑事を信じさせようとするけど、ラルフとグローリー(少年殺害犯人に仕立てられたジェイソン・ベイツマン)は特に信じられなくてホリーは怒られたりします。

なんだかんだでテンションが上がったのは第7話くらいにマックス・ビーズリーが出てきたところからですね。「サバイバーズ~生存者たち」面白かったなぁ~…

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「サバイバーズ~生存者たち~」でトムを演じたマックス・ビーズリー(左)

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「サバイバーズ~生存者たち」のマックス・ビーズリー(左)、右は「24」に出てましたね。

イギリスBBCのドラマ「サバイバーズ~生存者たち」はゾンビが出てこないアポカリプス世界を描いたドラマで、シーズン2終了で打ち切られてしまいましたが、とっても面白いですよ。特にこのマックス・ビーズリーが格好良くて格好良くて。Vertxのリュック背負わせたいよなー。似合うだろうなー。

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「ホームランド」にも出たんだよ

ちょっとユアン・マクレガーに似てる。マックス・ビーズリーも英国出身です。

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ミミちゃんとグリッターのは内緒

こうしてみるとノーマン・リーダスにも似てるね。

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マックス・ビーズリー。ノーマン・リーダスにちょっと似てる。

あーこういう顔好きなんだ!!

あとこの子、二の腕も太くて可愛い。欧米人女子が胸と尻に詰め物をする一方、欧米人男子は二の腕の太さに精魂を込める。

マックス・ビーズリーは若い頃は美少年系だけど、48歳の今の方が好きだな、皺があって。

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マックス・ビーズリー、顔が好物。

そんなわけで、このマックス・ビーズリーがバーの用心棒のクロード・ボルトンの兄弟として出てきた辺りから、こちらも俄然やる気が湧いてきましたよ。やる気っていうか観る気ですけど。

後半でジャック・ホスキンスが悪霊エル・クコの走狗になっていることにホリーが気付き、ホスキンスに殺されそうになるも人質状態から脱出します。その後、ホスキンスは逃亡。警察はホスキンスを指名手配します。

その間、バーのクロードは兄弟のマックス・ビーズリーのところへ行ってくつろいでます。クロードの居所を突き止めたラルフやホリー達は皆でクロードに会いに行き、事情を話します。

クロードはそれまで兆候を示していなかったものの、やはり頭の中に奴がいるみたいで苦しんでいたようです。

エル・クコはホスキンスが調達した肉をひたすら食らい、ほぼクロードになりかけの時点で、少年を誘拐しようと試みます。しかし、家族に気付かれ失敗、洞窟に逃げ込みます。

エル・クコが洞窟にいることを突き止めたラルフ達は、エル・クコ退治に洞窟に向かいますが、愛しのマックス・ビーズリーがうっかり本物クロードの前でそのことを口にしてしまったため、本物クロードの意識からラルフ達が向かっていることがエル・クコに伝わってしまいます。

山中に着いたラルフ達を狙撃銃で迎え撃つジャック・ホスキンス。一発目が一人を捉えます。第9話ではその後、黒い画面に何発もの銃声が響き渡ったところで終わるというクリフハンガーでしたので、最終話の第10話を待ち侘びました。

第10話の銃撃シーンはド迫力!

このシーンを観るためだけに第1話から観てもらいたい、と言いたいくらい素晴らしい銃撃シーンでした。

ホスキンスが「マザー・ネイチャー!」と叫んでいたのは未だになんのこっちゃ分からんが。

マックス・ビーズリー、格好良かった。彼が出てきた辺りから、主人公ラルフはどうでも良くなっちゃったや。

よりにもよってこの狙撃しまくるジャック・ホスキンスは軍に志願して狙撃の腕もトップクラスだったという恐ろしい展開です。(最終段階の精神鑑定で落ちたそうな)

ライフルだとさぁ…Vertxのバックパックにレベル3aの防弾パネル入れても貫通しちゃうよ、どうしよう、やなぎやさん。

ホスキンスはこのあと現場で自殺、ラルフとホリー、クロードは洞窟でエル・クコを無事に始末します。

そう、残念なことにホスキンスによる銃撃シーンがこのストーリーのクライマックスで、ホスキンスが死んだ後のエル・クコとの対峙が地味ぃ~。

せめてさぁ…本物クロードとエル・クコが「ひょっとしてすり替わってない?」くらいやったらどうかなーとオジサンは思うんだよねー。クレジット後にあのシーンを見せるのなら、「このクロード本物か?」と疑う線の方が良かったんんじゃないかなぁー。

ホスキンスがガラガラヘビの毒によってエル・クコとのリンクを断つこと事ができたというのも面白いね。毒をもって毒を制す。しかもホリーが「地獄へ落ちな」といった瞬間、ホスキンスはエル・クコの毒牙から蛇の毒牙によって解放されるという…聖書みたいなホスキンスの最期でした。

 

最後のシーンの解釈

ちなみにクレジットのあとに1シーンが残っているので、観るのを忘れずにね!

クレジット後の1シーンは解釈が分かれるところだなぁ…

すでに最後のシーンの解釈について色々と議論がなされています。

あの人、エル・クコに近づいて刺した時、長袖を着てたよね?それにエル・クコに引っ掛かれていないよね、明らかに。

本物クロードを助け出すときに本物クロードが引っ掻いたという線もあるけど、感染するなら本物のエル・クコに引っかかれる必要があったはず。テリーが病院でナースのエル・クコに引っかかれ、クロードがバーでテリーのエル・クコに引っかかれたように。

①「テリーて誰?」と言ったこと、②クレジット後に「フランク・ピーターソン(最初に殺された少年)」をググってテリー・メイトランドの容疑が晴れた記事を読んでいたこと、③腕に傷があったこと。この3つの証拠から、エル・クコが憑依したという線がまことしやかに囁かれているものの、どっちかというと私はこれはスティーブン・キングが仕掛けた最後の遊び、囮じゃないかと思う。要するにエル・クコは洞窟で死んだと思っている。

①の「テリーて誰?」発言は、エル・クコの存在を隠そうという話になったときに、「うん、もう忘れたよ。何も知らないよ」という同意と賛成の意を込めて言った言葉だと思う。そして②はテリー・メイトランドの容疑が晴れたかどうかをググっているだけで、③の傷はエル・クコとは全く関係ない傷。これが真実のところじゃないかなと思う。

もう一つ考えられる筋書としては、この人が実はもともとエル・クコみたいな超常的な存在で、エル・クコみたいに文字通りアウトサイダーであるという線です。まぁすでにアウトサイダーではあるのだけれども。但し、その存在はエル・クコみたいに人間が考える「悪」ではない存在という線で。

これはシーズン2は出ないのかな?

 

カメラワークに苛々した

最後に、このドラマのカメラワークだけはとても苛々させられた。最終話は殆どなかったけど、ローアングルや遠いアングルから少しずつ対象を見せるようになっていて、音声だけはしっかり聞こえてくるんだけど対象はぼんやりしていたり、遠くにいたままだったりが多くて、何を見せられているかよくわからないことが多々ありました。

思えばこれは「アウトサイダー」からの視点を意識しているのだろうけど、あまりにも狙いすぎていて、超絶あざといのね。それがなければもっと良かったんじゃないかと思います。