2年ぶりの「ハンドメイズ・テイル:侍女の物語」新シーズンですわよ。
コロナ禍だからドラマも映画もないねーなんて余裕ぶっこいてたら怒涛のリリースというか、忙しくて首まわんね。
愚痴はそこまでだ!
...「ハンドメイズ・テイル」シーズン4が放映されました。
シーズン3でついに大勢の子どもたちと給仕の女性たちを救ってカナダに亡命させることに成功したジューンですが、逃げる時に銃弾に倒れてしまいました。
というところで終わっていたと記憶しております。
前後半戦に分けてお送りします。
何故ならある読者が「『ナルコス:メキシコ編』観たぁ?一緒に観ない?ポル・ファボール」とかツイートしてて鬱陶しいからです。
【ハンドメイズ・テイル】シーズン4前半の粗筋と感想
正直に申し上げると「ハンドメイズ・テイル」には複雑な思いを抱いていて、おもしろいと思う時もあれば退屈な時もあります。
特に3シーズンにわたる長い精神的・身体的な拷問と抑圧はずっと観ているのも辛抱しづらいものです。(飽きるといいますか)
時に胸のすくようなイベントやシーンもあるのだけど、結局は元の木阿弥というパターンの繰り返しなんですよね。
それに加えてワンパターンなカメラワーク。
シーズン3までも同じだったとは思うけど、シーズン4にきていよいよエリザベス・モスのドアップに食傷してしまいました。
そらね、分かりますよ、モスの顔芸に頼りたい気持ちは。
脱出するけど捕まる。娘をダシに仲間の居所を吐けと言われる。拷問される。仲間をあっさり殺される。目の前で仲間が轢かれる。といった極限の情況に追い込まれた人物の感情を表現するためにモスの顔芸は欠かせないものですよ。
しかし、くどい。うんざりするほどくどいです。もうモスを観たくないモス。
加えて人物の顔面を画面の横寸3分の2くらいでフォーカスして背後をボケさせるカメラワークがしつこいのなんの。
ハンドメイズ・テイルはディストピアの世界観をスタイリッシュに現わしているというのは分かるけど、映画じゃなくてドラマだからさぁ。そういう美的感覚はあまり求めていないのよね。ドラマのドラマ性に期待しているわけであって、スタイリッシュさとかどうでもいいわけ。
ディストピア世界といってもカメラワークがそんな感じだから背景で何が起きているかとか、どこを走っているかとか、周囲の情況が全然わからないの。謎めいた設定を狙っているのだろうけど、見えなすぎて苛々するのよね。
そんななかでモスの顔面ズームを何度も何度も見せられ続けるというのは賛成できないわぁ。
エスター農場へ避難
はい、では粗筋。
あのあとジューン(モス)は侍女たちに助けられてなんとか回復します。ジューンと侍女たちはトラックのベンチに隠れて検問を通過し、14歳でワイフにされたエスターのいる農場に隠れます。
エスターもサイコちっくな面を見せたり侍女たちに命令したりと映画「エスター」を彷彿とさせるのでジューンや片目のジャニーンは心配になりますが、ジューンが話を聞くとエスターも色々と酷い目に遭ったことが判り、ジューンは同情とギリアドの男たちへの怒りに震えます。
エスターをレイプしたガーディアンを捕獲したジューンはエスターに殺させます。
弱冠14歳のティーンにレイプ野郎を刺殺させるという衝撃展開よりモスのドヤ顏ドアップに気が散っちゃってさぁ...それどころじゃなかったわー。
本当にくどいのよ。モスの顔面ドアップがさぁ。。
ジューン、再び捕まる
ジューンたちはメイデーのセーフハウスに移動しようとしますが、ガーディアンたちがエスター農場に押し寄せエスターとジューンは捕まります。指揮官はなんとニックでした。ニックはこっそりとジューンに「なんとか君を守る」と告げます。
他の侍女たちはなんとか逃げおおせます。
しかしジューンは逃げた侍女たちの居所を吐かせようと拷問されたり、マーサやベスといった仲間を殺されたり(ビルの屋上から押される)します。そこまでは頑張ったジューンですが、ついに娘のハンナを見せられて侍女の居所を吐きます。
ちなみにこの時ジューンに居所を吐くように助言したのはジョセフ司令官。
ジョセフ司令官はジューンが86人の子どもたちやマーサを飛行機で脱出させるのを許した人物なので死刑を覚悟していたのですが、ニックの計らいで命拾いしました。
ジョセフ司令官てのは一番おもしろい人物像だと思います。
ギリアドへの忠誠心はないけれど妻(前シーズンで死亡)をギリアドから脱出させたかったジョセフ・ローレンス司令官。利害が一致したのでジューンと手を組んだけれども、女性蔑視の一面は隠さないし、ジューンの決断を必ずしも支持はしていない。司令官という立場上、みずから危険を起こすようなことはしない。
第一印象通り、素敵なキャラクターでした。
ローレンス司令官のどっちに転ぶか分からない、信用していいのかどうか分からない、そんな不確実さがドラマのスリルを盛り上げてくれます。
繁殖コロニーへの移動中に脱走するが…
はい、ジューンが吐かせられた情報によって捕まったジャニーンら侍女たちとジューンは、バンで「繁殖コロニー」なるところに連れて行かれることに。
繁殖コロニーとは、ジューンが86人の子どもたちを逃亡させたあとにできた制度で、ワイフと司令官が家で侍女を軟禁して儀式を行う代わりに、死刑にさえ値しないと判断された侍女たちが送られるコロニーで、ワイフと司令官が月一で訪れて儀式を行う場所です。
現代の赤ちゃん工場みたいなものです。
その道中、電車の踏切が閉まったのをきっかけにジューンはリディア叔母さんをねじ伏せ、侍女たちと逃げます。
貨物列車が通過する寸前に線路の向かいまで無事に走ることができたのは、何故か最後にバンを出たジューンとジャニーンのみ。あっ都合がいい。
サラとエリーはガーディアンに撃たれ、アルマとブリアンナは列車に轢かれてしまいます。
アルマは生き残るかと思ったんだけどなー。
牛乳風呂
ジューンとジャニーンはガーディアン達が荷積している貨物列車がシカゴ行きであることを知り、隙をみてタンカー車に飛び込みます。タンカーの中はミルクでした。列車が出発後、ジューンはドレインを見つけて牛乳を流します。
ジャニーンはジューンが侍女たちの隠れ家を吐いたことを咎めます。ハンナを利用されて仕方がなかったと説得します。「あなただってきっと同じことをしたはずよ」と言いますが、ジャニーンは同意しませんでした。
確かにジャニーンなら死んでも吐かなかっただろうし、子どもをダシにされても吐かなかったかもしれん!(理由は後述)
この辺までくるとジューンのせいで死んだ人達が多すぎる上にジューンのドアップが災いしてジューンに同情しづらくなってしまうのよねー。
不屈の闘志と気概を顔面アップで表すのはいいけど、毎回それをやられても行動は行き当たりばったりというか偶発的というか。長い間かけて対ギリアド戦術を練るとかそういうドラマ性がないから(ゲーム・オブ・スローンズのように)、飽きてしまうわけですよ。
ジャニーンの強さ
さて、列車は途中で何者かに襲撃されます。
ギリアドの列車が襲撃されているということは、相手はギリアドじゃないだろうと判断し、ジューンたちはタンカーから這いずり出ます。
襲撃者は確かにギリアドではありませんでしたが、メイデーでもありませんでした。
リーダーのスティーブンという男は、ジューン達を自分たちのアジトに連れて行くことを嫌がりますが、ジューンが説得して二人は彼らのアジトに向かいます。
スティーブンは衣類と食糧の代わりに性行為を要求します。彼らのアジトも慢性的に食糧物資が不足しているようです。ジューンは自分が相手をすると申し出ますが、結局できずにアジトを去る用意をします。
ジューンの様子をみたジャニーンは自らスティーブンの相手をして衣類と食糧を確保し、ジューンに手渡します。
こういう極限状態で人間がどこまで出来る物なのか(how far can you go)は完全にその人次第なんだけど、それまでにその人がどんな人生を歩んできたかによって左右されますわよね。
アメリカ時代の回顧シーンでジャニーンが二回目の妊娠をしたときに1つ目のクリニックでは中絶を無理やり説得され(中絶クリニックと称して中絶反対活動をするクリニックがあるとかなんとか、2つ目のクリニックではピルの処方だけで済んだシーンがありました。つまりジャニーンは二人目の子を自らの手で殺すことを選択したわけだ。だからこそジューンが仲間の居場所を吐いたことに対して、子どもを傷つけると言われても私ならゲロしなかったと自信をもって言っていたわけだ。
そして二人の窮地を再び救ったのもジャニーンでした。
セリーナの妊娠
セリーナ様はなんとフレッドの子を妊娠したわけだけど、わざわざリタを呼び寄せて「お腹の子のために祈ってねー」とかKYなお願いをします。
妊娠したことを夫のフレッドには言わないつもりだったけど、リタはこっそりフレッドに告げ口しちゃいます。
リタがそのあと自宅アパートで寿司巻きを食べて笑顔になっていたのがいいよね。
シカゴ空爆
食糧物資目的でリーダーのスティーブンと寝ていたジャニーンですが、禍を転じて福と為し、スティーブンと仲良くなってしまいます。
ジャニーンの七転び八起き姿勢は凄いわぁ。
インテリが大好きなダーウィンの進化論でいえばジャニーンが最強だわね。
ジャニーンにお願いして交易の旅に参加させてもらったジューンですが、シカゴの町でガーディアン達がやってきたので一行は身を隠しますよ。リーダーのスティーブンが狙える位置だったのでジューンは倒すように合図しますが、ひとりを倒せば多勢が集まるのでスティーブンはやり過ごします。
・・・そんなスティーブンを批判するジューン。
ちょっとさぁ・・・イヤな感じよねぇ、ジューンさん。口悪くいうと「この自分勝手野郎が」という感じよねぇ。あの情況でガーディアンをひとり倒しても情勢は変わらず、グループ全体を危険に晒すだけなのだからスティーブンの判断は正解だと思うの。
ジューンは深く考えなしに動く尊大さがあるのよ。
まぁ、得てして後に語り継がれることになる英雄だとか革命児だとか風雲児だとか軍神だとか教祖様てのは、人の都合なんか知ったこっちゃねぇ!とばかりに振る舞うものだ。逆にいうと、後先を考えずに目的のために突き進むという猪突猛進ガールでないと86名の子どもたちを救出もできなかったかもしれませんよ。
その後、ジューンはジャニーンと別れを告げアジトをひとりで出発します。ジャニーンはスティーブンと仲良くなったので居心地が良くなり残ることにしたのです。でも、すぐに考えを変え、ジューンを追いかけます。
二人は無事に合流しますが、そこへギリアドによる空爆がっ。
ローレンス司令官とリディア叔母さん
当初、ローレンス司令官は評議会の場でシカゴ、カリフォルニア、テキサスの国境の攻撃を一時停止を呼びかけていました。一時停止の間に国際支援組織を立ち入らせて救助活動を許すことで、他国との緊張を和らげるのが目的です。しかし評議会は全員反対。ローレンス司令官はニックに攻撃の一時停止でジューンを守ることができるかもしれないと告げます。
その後、ローレンス司令官のもとにリディア叔母さんが訪ねてきて、リディア叔母さんをもとのポジションに戻さなければバラすと脅されます。
ローレンス司令官はリディア叔母さんは他の司令官を脅すネタも持っていると知り、リディア叔母さんと協力して自分も評議会の席へのカムバックを果たします。
評議会はニックに空爆を指揮するように言います。
ジューンうしろうしろ
空爆をうけたジューンとジャニーン。
ジューンは瓦礫の中から起き上がります。
ジャニーンを探すジューンは、たまたまシカゴに救援活動にきていたモイラと再会します。
そんな奇跡的な再会ある?と思うけど、割と会ったりするよね。特に仲良しさんとか家族とかって、意外にも高い頻度でバッタリ遭遇したりしませんか。
波長が合うというのか、以心伝心というのか。たまたまモイラはシカゴ行きを決意し、ジューンもシカゴを目指したというのも波長が合ったからなんでしょうねぇ。
モイラに会ったということは、ジューンがカナダに亡命できる最大のチャンスということですよ。
でも果たしてジューンが娘のハンナをギリアドに残して亡命できるか…私も考えちゃうなぁ…娘を残してなんて辛すぎるよね。反乱軍を探してなんとかハンナを助け出そうとするだろうなぁ。
というわけで、後半戦に続きます。
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