Huluオリジナルドラマ「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」シーズン3第8話のあらすじ感想です。
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『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』シーズン3第8話あらすじ
密告したせいで善き人達を侍女の手で絞首刑に導いた侍女オブマシューを精神的に虐めるジューン。
リディア叔母さんは侍女たちにジューンを囲ませて、ハンナに近付いたことを責め立てる。
ジューンは機転を利かして「実はオブマシューは赤ちゃんが欲しくないそうです」といってオブマシューに席を譲ることに成功。他の侍女たちとともにオブマシューに指を向ける。
オブマシューは他の侍女たちからもハブられ、嫌がらせを受け、精神的に追い詰められていく。
オブアンディという侍女が赤ちゃんを産むが死産だった。
前回のエピソードで勝手にワイフを連れ出してハンナの学校に行ったジューンは、ローレンス司令官に叱られるとおもいきゃ、ローレンス司令官はジューンにワイフと一緒に過ごしてほしい様子だった。
かつて教師だったリディア叔母さんの過去が明らかになる。
『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』シーズン3第8話の感想
今回の目玉はついにリディア叔母さんの過去が明らかになったことですねぇー。皆大好きリディア叔母さん。侍女たちに最も近い存在で遠い存在のリディア叔母さん。
侍女たちの面倒を見ながら侍女たちのウェルネス(ギリアドの定義に基づく侍女のウェルネス)を願うハートウォーミングな一面と、侍女たちの拷問も受け持つコールドハートの持ち主。
リディア叔母さんを演じるはアン・ダウド。マクドナルドで新人をイビリ(「コンプライアンス」)、「ヘレデタリー」では親切な顔してトニコレに近付き、「アメリカン・アニマルズ」では強盗に遭遇して失禁するごく普通の図書館の管理人を演じて「あなたも漏らすことあるのねー同じ同じ」と中年以降女子を勇気づけてくれたアン。キャシー・ベイツと面白い勝負ができる女優である。
シャニング
まずはジューンがハンナの居所に探りを入れて、ハンナの学校にローレンス司令官の妻を連れて行ってしまったことの余波から始まる。
ジューンに情報を流したハンナの家のマーサと家庭教師その他が、リディア叔母さんの号令のもと、侍女の手によって絞首刑にさせられた。
ジューンは子どもを産める侍女なので死刑は免れるが、苦痛を与えられ、侍女に取り囲まれてシャニングされる。シャニングは日本語で「共同絶交」と訳されているようだが、規範に反したメンバーを集団で責めて排斥することを意味する。
これまでシャニングのシーンが出てきたことは記憶にないので(あったら私の記憶違い)、ややとってつけたような印象を受けるシーンだが、互いを責め立て合わせることで反抗の芽を摘むという戦略は実にギリアドらしい。
オブマシューのメンタル崩壊
密告したことでジューンの怒りを買い、他の侍女たちにもハブられるようになったオブマシューは、このエピソードでメンタルを崩壊する。
オブマシューの人物像についてはあまり触れられていないが、メンタル崩壊がいささか突然すぎる気がした。
終盤の暴走に至るほどの説得力があったかどうかと問われれば、不足していたと言わざるを得ない。
ましてジューンが心の邪悪な一面を使ってオブマシューを洗脳して思い通りに動かしたシーンは超現実的で突飛すぎた気がしてならない。
リディア叔母さんの過去
リディア叔母さんはかつて小学校の教師だった。リディア叔母さんはいちど結婚したことがあり、以前はクレメンツさんと呼ばれていた。教師としての校長からの信頼も厚い。クレメンツさんはライアンという男児のこと気にかけていた。
ライアンの母はシングルマザーで、忙しく、必死に働いているようだが満足とはいえない状況にいる若い女性だった。クレメンツさんはライアンの母ノエルに同情し、家に招いて夕飯をご馳走した。
クレメンツさんとノエルは距離を縮め、クリスマスをともに過ごすなど、友情を築きつつあった。
ノエルはクレメンツさんにアイシャドウパレットをプレゼントし、クレメンツさんの瞼にアイシャドウを優しく塗ってあげる。他人に身体を触れられ、その親密ぶりにとても嬉しそうなクレメンツさん。リディア叔母さんをしっている視聴者としては、このシーンは妙に緊張した。
ノエルの息子ライアンもクレメンツさんに懐き、ついにマジックワードを発する。
「リディア叔母さん」
リディア叔母さんが孵化した瞬間であった。これこそがリディア叔母さんの原点である。
ノエルの助言をうけ、クレメンツさんが生徒たちに見せる愛情ぶりに感銘をうけていた校長先生とデートすることになったクレメンツさん。
煌びやかなドレスに身を包み、シャンペンを飲み、夜のバーで楽しい時を過ごし、素敵な校長先生に優しい眼差しを向けられ、勢いに乗ったクレメンツさん。
優しく口づけを交わしたものの、勢いが止められないクレメンツさんは、校長先生が良しとする段階を超えようとしてしまう。
リディア叔母さんの燃え上がる激情を見られるのはHuluだけ!
校長先生に拒絶されてショックを受けたクレメンツさんは、いよいよリディア叔母さんになる準備ができたようだった。
校長先生の本音は、急がずに「また会いたい」というものだったのだが、不幸なことにクレメンツさんにとってそれはソフトな拒絶を飲み込めるほどのものではなかったようだ。
クレメンツさんリディア叔母さんは、まもなく児童保護局を呼び、ノエルからライアンを奪うことに成功する。(ライアンは里親制度行き)
校長先生がせっかく良い人だったのに…あのときクレメンツさんの情熱を止めたのは、彼女を真剣に想ってのことだったよね。そして「また会いたい」とも言ってくれたのに。
それでもリディア叔母さんの傷ついたプライドは戻らなかったのですから、その前に素地はできあがってたんでしょうねぇ。ノエルとの友好的な会話でもヒヤリとする場面が何度かあったし。
家族法の弁護士もしていたようだし、リディア叔母さんの過去をもっと知りたくなっちゃな。これリディア叔母さんの過去を描いたスピンオフもイケたかもしれん。