日本人が細かい点に気を配る国民性であるが故に今の清潔な社会や秩序が維持されているのは分かるけれど、今日Nスタで「明日はどこの窓を開けたら良いでしょうか。正解はこちら」みたいなふざけたことを言っていて心底反吐が出そうになりました。
こうして無意識のうちに日本人個人の自分で感じる・考える能力を奪うとともに、異常に高められたノームから逸脱しようとしない人間が育っていくのだろうなぁとつくづく感じています。
電車の過剰放送、公共施設の過剰な注意書き、公道のあちこちに掲げられたサイン…何も全部なくせと言っているわけじゃないけど、いくらなんでも多すぎる。本当に必要な情報を見つけるのに時間がかかる。そのせいで何より人間同士の対話の機会を奪うという一面もあることに気が付いている人は何人いるだろうか。
お天気予報だけでなく、何を着たら良いのか、長袖か半袖か、上着はいるか、傘はいるか等々、アドバイスと称した細かい指示を与え、日本の秩序社会にふさわしい服装格好という枠に当てはめようとする。
毎日これを繰り返すと、「スーツにリュックってダサイ」とかノームから外れた人間を異端視する人がでてくる。うちの母のように「雨降ってるのになんで傘ささないんだろうねぇ」と米国人旦那の慣習を改めようとする人がでてくる。
これが跳ね返ってくると「今の季節にダウンておかしいですか?」「この格好は変ですか?」とネットで他人に自分の服装を決めてもらうような自分がないロボット人間のできあがり。
あぁ、のっけから逸脱しているから、社会への不満はここまでにしますよ。
このあたりの話に少し興味があったら、中島義道氏、熊代亨氏の書籍がおススメ。
はい。
それでは「フィアー・ザ・ウォーキング・デッド」シーズン6第4話の感想です。
糞であればあるほど、執筆が進むという矛盾。
フィアーを鑑賞している強者なら、その意味が分かるのではなかろうか。
でもねー今シーズンは第4話まではまだ許せるよ。
第3話のアルとドワイトの回がちょっと許せないけど、今回の第4話はジョン・ドーリー(byギャレット・ディアハント)が主演ですから、貴方は糞の中に輝きを見ることでしょう。アーメン。
【フィアー・ザ・ウォーキング・デッド】シーズン6第4話あらすじ感想
シーズン6のこれまでのエピソードをざっくり採点するなら
第1話:△(モーガン主演)
第2話:△(アリシアとストランド主演)
第3話:×(アルとドワイト主演)
第4話:〇(ジョン・ドーリー主演)
です。
ジョン・ドーリーが主演であるからこそ〇を付けているものの、そもそもフィアーはヴィランがしょぼいので、悪党なのか悪党じゃないのか、戦っているのか戦っていないのかさっぱり分からなくなるという困ったドラマになっています。
バイカーギャングの車椅子のリーダーとダムの水の取り合いをしたり、アメリカ先住民と白人の抗争の間に突入しながら土地を取り合いしたり、スタジアムでハゲタカとかいうキャンピングカー軍団とよく分からない議論をしたりソーセージ焼いたり、毒を盛る中年女性と議論したり、最後はガソリンの取り合いをしたローガンさん。
そして今回の自らをパイオニア民と名乗る集団の女リーダー、バージニアさん、フィアー最大の強敵。
・・・強敵・・・?
・・・強敵・・・?!
・・・強敵!!!
・・・
ふざけてるよねー。
一体何を考えているんだろう…
そもそもバージニアさんたちがどういうグループで、何をしようとしているのか、性格がさっぱり伝わってこないんだよね。
近隣エリア一帯から人をさらって無理やり奴隷のように働かせている…という設定…なのかな…?要はニーガンみたいな…。ニーガン相当のヴィラン…ということなんでしょうね。
・・・
さて、前シーズンの最終話でモーガンたちのグループはバージニアによって分離され、ジョン・ドーリーとジューンも離れ離れになってしまいました。
まるで二度と会えないかのような勢いだったけど、第4話を観ると、なんか大したことないような…ていうかすぐに逃げ出して会えるような感じじゃないか!!
ジョンは元警官の経歴から、パイオニア民の本拠地ロートンで治安維持を担当させられてました。
え…?ロートンて...ストランドとアリシアとダニエルがいるところやん。
ストランドとアリシアとダニエルがいるところにジョンもいたの?
ジョンはジューンに手紙を書いています。洗濯担当のジャニスに頼んで手紙をこっそり届けてもらっています。
「ジャニスって誰だっけ…なんか聞いたことあるし見たことあるなぁ…」
とか思ってるでしょ?私も思いました。ジャニスは店でゾンビに囲まれて死にそうだったところをウェス(黒人ドレッドヘアの青年)に助けられ、その後アリシアとストランドと合流した女性です。確か、店内でゾンビに包囲されて行き場がないところで、ローガンにトランシーバーで「銃で自殺しなさいねー」と言われてた女性ですね。なんで、そんなこと言われていたのかはフィアーだからとしか答えようがありません。
そういえばウェスどこ行った。せっかく個性のあるキャラだったのに何故使わないのかなぁ…
ジョンはある日、警備の男性が敷地を守る鉄条網に引っかかって食われているのを発見します。バージニアは「どうせ酔っぱらって引っかかったんだから調査しなくていい」と言いますが、ジョンは現場でイアリングの片方を発見します。
ジャニスが逃亡しようとしていたところを捉えられ、ジャニスのリュックからイアリングのもう片方が出てきます。ジャニスはイアリングは自分の物じゃないと言い、ダコタ(バージニアの妹)も「犯人は別にいる。バージニアは誰かを庇っている」と言います。
ジョンが死体を掘り起こしてみると、遺体の首に骨刀の柄が残っていました。ストランドと共に武器庫を調べてみると、武器庫からその骨刀がなくなっており、武器管理記録からも記録が破られ紛失していました。
ジョンは檻の中のジャニスにこっそり会いに行きますが、そこにストランドとバージニアが現れます。ジャニスは冤罪に間違いないのですが、自分がやったと自白します。
ジョンはジャニスが処刑される前に逃がす準備をしますが、時すでに遅し、ジャニスは敷地内に縛られ、音楽によって引き寄せられたゾンビに生きたまま食べられていました。
ジョンは怒り心頭、ストランドに詰め寄ります。ストランドは、ジャニスが逃亡する可能性があるとバージニアに言ったこと、ジョンが同じ運命を辿ることのないようにジャニスと話し合って自白させたことを認めます。
・・・ん?
よく分からん・・・。
なんでストランドはジャニスが逃亡する可能性があるとかバージニアにチクったの?
多分ストランドがあとでこんな説明しそう。「バージニアの信頼を得て、バージニアを安心させたところで皆で反撃するため」とかなんとか。理由になってないな。
フィアーは本当にこういうのよくあるのよねー。
まぁいいや・・・うん、いいよね・・・フィアーだからね。
ジョンは怒ってストランドを殴ります。もう少しでストランドを殺す寸前くらいまで怒ります。
バージニアは真実を究明したとか何とかで翌日皆の前でジョンを表彰します。
さらにバージニアがジョンのジューンへの手紙を読んでいたこと、そして手紙をバージニアに手渡していたのはジャニスだったことをバージニアから知らされます。
ええ…
ジョン可哀想に、騙されてばっかりだな。
で、ジョンが世の不条理を噛みしめていると、報酬としてジューンが与えられます。ジューンがドアの外に立っていて、どうやら一緒にいさせてもらうみたいです。これがバージニアの手なのでしょうねー。とりあえずみんなの前で表彰して承認欲求や自己実現欲求を満たし、最愛の人を報酬として与えておけば反乱の可能性も減る。飼い殺しみたいなもんだ。
ストーリーは糞だけれども、この回が良かったのはジョン・ドーリー演じるギャレット・ディラハントの功績のみ、それだけです。
ヴィランになり切れていないヴィランを相手に、糞みたいなストーリーのなかで、不条理な世界で精神のバランスをなんとか保ちながら思索し、最善の道をとろうとする男を美しく見せてくれたギャレット・ディラハントに拍手を送りたい。こんな糞ドラマでごめんなさいと、出演してもらって申し訳ない気分です。
そしてモーガンがちょっと出てきます。
モーガンは賞金稼ぎのエミールの車と犬を勝手に自分の物にしていてだね、勢いよく車を走らせていたところで交通事故に遭います。
交通事故の相手は、The End Is The Beginning. とあちこちにスプレーペイントで落書きしている二人組の男です。
第3話でもアルとドワイトが入った建物内に書いてあったよね。そんな偶然あるか?
二人組の男はエミールが持っていた鍵を探していたようで、この鍵はいったい何なのか、そんなことどうでもいい。
モーガンはこの二人組の男を斧棒(モーガン棒にエミール斧を取り付けたハイブリッド武器)で殺します。
モーガン、一応強いんだね。
モーガンが以前の「殺しはいかん」モードから一新してくれたようで、清々しいバトルシーンでした。
ちなみにモーガンは鍵をちゃっかり首に下げているんだけど、自分を殺そうとした賞金稼ぎが持っていた鍵なんてふつう持って行くかなぁ…何の鍵かも分からないというのに。
この鍵が何なのかという疑問と、それからバージニアが誰かを庇っているという疑問が2つ残りました。
どっちも興味ねぇよぉ!
本家ウォーキング・デッドでもあったじゃないですかぁ、ドレッドヘアのヒース…タラとオーシャンサイド付近で失踪した彼。pppだかdddだか書かれたメモが残されていたよね。あのあと誰も「ヒースどこ行った」とさえ言わない不自然さ。
それからゴミの女性ジェイディス(本名忘れた)が共同市民体のヘリに「AとBどっちだー」とかガブちゃんに「Aだと思ってたのにBなんて!」とかよく分からん事言ってて、AとBて何よ!と視聴者をやきもきさせた件。
後者はスピンオフのワールド・ビヨンドで、どうやらA:人間、B:噛まれた人間という線が濃厚のようです。実験みたいなことやってんだろうね。
フィアーはもはやニッチなギャレット・ディラハントをひたすら見つめ、モーガンが「俺には貯水タンクがすべて」とか言うのをエンジョイするしかないな!