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【シカゴP.D.】シーズン8第2話あらすじ感想:青い壁とケビンの決断

シカゴPDシーズン8第2話あらすじ感想

Chicago P.D.@NBC

警察が仲間を庇うために嘘や不正を見逃す「青い壁」。

「シカゴPD」シーズン8は、ケビンが青い壁に阻まれる展開からスタートしています。

インテリジェンスチームの黒人警官ケビン・アトウォーターは、前シーズンでレイシストの白人刑事ドイルが不当に黒人を射殺した件で真実を証言したために、ドイルの仲間から嫌がらせや不当な行為を受けていました。

前回第1話の最後では、ケビンはドイルの仲間から集団暴行を受けました。

第2話でも、出勤すると同僚警官たちからランダムな視線を感じたり、無線が故障していたり、シカゴ警察のPCシステムから弾かれたり、家に不法侵入されて盗聴器を仕込まれたりします。

やがてケビンの決断を揺るがす事態が発生し、ケビンの信条が揺るぎます。

そしてケビンはある決心をします。

果たしてケビンの決心とは!?

 

【シカゴP.D.】シーズン8第2話のあらすじと感想

元警官で市議会議員のジャンキー息子に殺人容疑がかかります。

就任早々、ボイトと衝突したミラー副本部長は、市議会議員の息子であっても平等に扱い証拠を集めてさっさと起訴するようにボイトに命令します。

状況証拠は市議会議員の息子が犯人であることを示していますが、息子は麻薬でハイになっていて記憶がありません。ヘイリー・アプトンは息子が犯人だと考えますが、ボイトは確固たる証拠がないので捜査を続けるように命じます。

父親の市議会議員がシカゴ警察に乗り込んできてボイトに怒鳴ったところでミラー副本部長が割って入ります。

ミラーは容疑者がまだ起訴されていないことに腹を立て、ボイトに食ってかかります。そこでボイトは「もし容疑者がアフリカ系アメリカ人で元警官の息子じゃなかったとしても、同じような反応をしていたか?」とミラーに問いかけます。

ボイトは「容疑者の父親が誰だろうと関係ない。だが、君には関係がある」と図星を突きます。ミラーはボイトに48時間の猶予を与え、捜査を続けるように言います。

ミラーは警察の汚職と不正を正すことに一生懸命なあまりに真実を無視しようとしてしまったのですねぇ。不正を正すという大義に目が眩んで、ろくに捜査しないまま起訴しようとした。こういうことは往々にしてあるよねー。「暴力反対!」「平和第一!」と言いながら殴ってくる輩とか。中庸てのは大事ですよ。正しいことをしたり訴えたりするには、精神のバランスをとり続けないとできないのよねー。

でもミラーはまだ話せば分かる人間ということが分かったから、ボイトのボスとしては悪くないんじゃない?お偉いさんたちにとって体裁や評判が何より大事なのはどこも一緒だから、その枠内でボイトのやり方を見過ごしたり大目に見てくれる人ならセーフ。前シーズンのクロフォードなんかは良かったね。

ケルトンとか黒人のあのボス(名まえ忘れた)は最悪だったけど、ケルトンの間抜け具合は面白かった。でも毎回ボイトと衝突させるパターンはちょっと冗長的なので、隠れボイト派と反ボイト派と両方出すとか、少しバリエーションが欲しいところです。

 

ルゼック撃たれる

捜査の結果、市議会議員の息子は冤罪で、ドラッグ絡みで真犯人が見つかります。

その真犯人を捕まえる過程で、アダムが防弾ベストの上から撃たれてしまいます。

真犯人が逃げた際にパトロール警官たちに応援を要請したにも関わらず、警官たちが誰も現れなかったのです。

Photo by Matt Dinerstein/NBC

あっ。ノースフェイスのジャケット着てる。

防弾ベストのおかげで命に別状はありませんでしたが、胸に大きな衝撃跡が痛そうなルゼック。

ケビンは、ルゼックが撃たれたのは自分のせいだと自分を責めます。

ケビンは故ドイルの同僚のマッケンジーに詰め寄ります。喧嘩寸前のところでキムとルゼックが登場し事なきを得ますが、マッケンジーは「命令には背けない」とノーランが命令を出していることを零します。

ノーラン(右):悪党として活躍、ブレント・セクストン。191cm。

ケビンはノーランに直接会いに行きます。ノーランは、故ドイルの残された妻子を引き合いに出し、ケビンが警官を止めない限り嫌がらせを止めないと断言します。

 

ケビンの決断

CHICAGO P.D. -- "White Knuckle" Episode 802 -- Pictured: (l-r) LaRoyce Hawkins as Kevin Atwater, Patrick John Flueger as Adam Ruzek -- (Photo: Matt Dinerstein/NBC | 2020 NBCUniversal Media, LLC.

ケビンはボイトに会います。

ケビンは、自分には2つの選択肢があるとボイトに言います。

ノーランと取引するか、警官を辞めるか。

ノーランの要望は、ケビンの記録に公式な苦情を入れることで、これによりケビンが刑事に昇進できる可能性はなくなり、ボイトのチームにずっといることになるらしい。

但し、ケビンはこの選択肢を却下します。

ケビンは、ボイトやアダムなど自分に取引を持ち掛ける白人警官や、職務を全うしないすべての白人警官に対する怒りの心情を吐露します。このままでは公正な仕事ができないと言います。なんか分かるわー。警察でも黒人でもないけどオバさんはお前さんの気持ちが分かるぞ、ケビン。

ボイト「では違う方法でやればいい。お前にはそれができる」

ケビン「ノーランは?」

ボイト「あの調子じゃ、奴は1年も持たない」

ケビン「それでも取引しろと?」

ボイト「世界が変わるまでの辛抱だ」

ケビン「あんたならどうする?今の世界で俺のような黒人警官だったら?」

ボイト「俺か?何もしない。ケビン、お前はいい警官だ。それ以上に、良い人間だ。そうじゃなくなったら、奴らの勝ちだ。お前がどんな選択をしようとも、俺はお前の味方だ。問題は、お前はどうしたいかということだ」

ケビンが黒人であり警官としての心情をここまで白人のボスであるボイトに吐露できるってのがハートフル。

多人種の移民国家であるアメリカだけど、実際に白人と黒人がここまで心を通わせることってなかなかないわよ。現実社会では同じ人種同士固まって生活しているのが殆どだから。今はBLMやら大統領選やらでそれどころじゃないけどさ。

青い壁(警察の隠蔽、不正)問題は、シカゴPDは一応この第2話で幕を閉じることになるみたいだけど、うまく落とし込んだんじゃないでしょうか。本当はもっと長く観ていたいなという気もするけど。

世の趨勢を鑑みるに、シーズン8ではボイトの不正は控えめになるのかなーという心配もある。ドラマはあくまでもドラマだから、シカゴPDのボイトはこのまま変わらずいて欲しいなぁ。

ケビンはボイトとの会話のあと、ノーランの自宅にいました。ドアどうやって開けたんだろう…とかそういう細かい話はいいね、この際。

ノーラン「俺を殺す気か?」

ケビン「違う。取引にきた。俺が警官を辞めたらどうなるか話にきた。俺はお前を告訴する。シカゴ警察もだ。お前がしてきた嫌がらせや脅迫、車に仕込んだヘロイン、俺を不当に車を止めた警官、自宅への不法侵入、集団暴行・・・警官の応援要請無視のせいで警官が撃たれたことも公開する」

ノーラン「証拠はない」

ケビン「お前の仲間はずっと味方でいてくれるか?俺が警官という仕事と人生をかけて壇上に立ち、メディアの前でお前をレイシストの汚職警官と非難したらどうだ?俺のチームメンバーは全員俺の味方をする。お前の写真を掲げて抗議活動を続け、お前から仕事、年金、家、名誉…すべてを奪ってやる。三人の息子はどう思うだろうな?」

ノーラン「・・・」

ケビン「俺は警官を辞めたくはない。だが、このままずっと俺やチームメンバー、他の警官を狙うつもりなら、すべてを投げ打ってでもお前を滅ぼしてやる」

ここでケビンが「any other cop(他の警官)」と言ったのがケビンらしくていいよねー。

もっと長引くかと思ったけど、ケビンの逆脅しが効いたようで何よりです。

そのあとケビンが警官のバッジを首に下げながらノーランの自宅を後にし、黒人青年・少年たちがバスケットボールをしているところに遭遇します。バスケットボールがケビンの方に弾んできたのでケビンがボールをキャッチします。

ケビンがボールを投げ返そうとすると、青年たちが後ろを向いて去って行ってしまいます。

ケビンの胸に警官バッジが光っていました。

少年一人だけが残り、ケビンをじっと見つめていました。

黒人なのにブルーなケビンの心境…胸が張り裂けそう。