海外ドラマ&映画ブロガーのmaribuさんが「ウォーキング・デッド」絡みで紹介していた新作ドラマ「SEE 暗闇の世界」がアメリカで放映されました。
Netflix、Hulu、Amazon等のネット配信サービスが次々とオリジナルコンテンツを放映するなか、今回紹介する「SEE 暗闇の世界」はApple TVから配信されます。
【SEE 暗闇の世界】
この新作は、ウイルスにより人類がほぼ壊滅状態になってしまった未来が舞台。そんな中で生き残った人々は、なぜか全員盲目であった。ジェイソンは、その何世紀もあとに生まれた双子を持つ父親であり、人々と先導する戦士ババ・ヴォスを演じる。アルフレ・ウッダード(『Marvel ルーク・ケイジ』)が演じる総師パリスとともに、ババは、危険な女王から双子を守ろうとする。
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このドラマの舞台は、ウイルスにより全人類がほとんど死亡した近未来。生存者は約200万人。生き残った人類、オール全盲。
てっきり生き延びた人達がやがて全員盲目になったのかと勘違いしてたのだけれど、後半に出てくる女王の言葉や宗教的な仰せから察するに盲目の人だけ生き延びたんだと思う。
人間は光(視力)を与えられたが為に破壊活動をして絶滅したという教義なので、この世界では視力自体が禁忌扱いになっている。
生き残った人々が全員盲目というと「ブラインドネス(2008年)」や最近のNetflixオリジナル映画「バード・ボックス」あたりが思い浮かぶ。「バード・ボックス」は「それ」を見たら死んでしまうので目隠しをして視力を封印した状態で登場人物がすったもんだした挙句やっと見つけた安住の地はやはり全盲の人だらけだった。
さて全盲で敵と戦うのが可能であることは座頭市や「ドント・ブリーズ」の退役軍人の爺さんらが証明してくれてるので特に心配なさそう。
アルケミーの村民たちの戦闘能力は「ドント・ブリーズ」の退役軍人の爺をゆうに超す。急な山の勾配での戦だってこなす。「グレートウォール」のバンジージャンプ隊員を再現する戦士だっている。何でもあり。
【SEE 暗闇の世界】第1話あらすじ&感想
ウイルスにより人類の殆どが壊滅したディストピア世界。生存者たちは全員盲目であった。
アルキニーの山岳地帯にはジェイソン・モモアが住んでいた。まるっきり「ゲーム・オブ・スローンズ」のカール・ドロゴ、盲目バージョン。
モモアの左眉の本物の傷から繋がるように額に傷を延ばしたメイクが雰囲気出てる。
そういえば、先日のハロウィンのときに子どもの顔にリアルな傷メイクアップを施したんだけど、けっこうやるのが面白いの。周りから「リアルすぎ」と好評でした。
次回は親子で血みどろになって界隈の日本国民を驚かせてみたいと思います。
モモアの妻マグラ(ヘラ・ヒルマー)は洞窟内で分娩をしていた。産婆役をかって出ているのはパリス(アルフレ・ウッダード)。
マグラは実は9か月前くらいに突然村にやってきた新参者で、村にやってきた時はすでに妊娠3か月だった。つまりお腹の子はモモアの子ではなく、モモアは子どもができない体なのでマグラと結婚してお腹の子は自分の子として育てようと決めていた。
パリス(アルフレ・ウッダード)は「アレコレウッダード」とか何とか言いながら、マグラからお腹の子の実父の名前を聞き出す。実父の名はジェレラマレル。はい、ここまで覚えておいて。
モモアたちは視力以外の聴覚・嗅覚が冴えに冴えわたっており、何キロも離れた人馬の足音や臭いまでわかる(およその人数も分かる)。
山の麓の川沿いには悪徳女王ケーンが送り込んだウイッチファインダーの数百人の軍が迫っていた。
モモアたちは山の斜面でウイッチファインダーを迎え撃つ。なかなか迫力ある。
「お前ほんとうに見えてないの?佐○河内してない?」と思っちゃうほどド派手な戦いぶりを見せてくれます。
「チェ」とか「チー」とかいう暗号を使ってコミュニケーションしたり、モモアが大笛吹いてみせたり、民族舞踊見せてくたりとまるで舞台を見ているかのよう。
目が見えないのにまともな戦いができるのかという懸念を逆手にとって全盲ならではの戦いが観れたのはとても楽しかった。
最後は岩崩しという奥の手を使って当座は切り抜けたモモアたちですが、ウィッチハンターの残党軍はまだ川で待機しています。
村に一旦戻ったらマグラに双子が生まれていた。モモアが双子の誕生を家族で喜んでいると村民が集まってきて「ウィッチハンターがやってきたのは赤ん坊のせい」と言ってマグラと赤ん坊をウイッチハンターに引き渡そうとする。
モモアはこう見えても実は優しい巨人なのでなにかと下剋上に遭いやすい。
ゲースロでは「女の言うことに従うのはカール(リーダー)にあらず」と部下に下剋上されるし、「アクアマン」でもハーフブラザーの弟に下剋上される。「ウォーキング・デッド」のニーガンやアルファのように恐怖統治をすると反乱が起きにくいが、なまじ優しさや隙を見せるとほぼ間違いなく反乱者が出てくるものです。政治ってむずかしい!
モモアが村民を相手に「お前たちの6~7人は絶対殺すからな!」と意気込んでると、アルカ(参謀将校)、アユーラ(キリング・ロープ)、ボウ・ライオン(キル・ダンサー)の3名が「私はモモアと共に戦いまうs」といって味方してくれる。
それぞれQuartermaster、Killing Rope、Kill Dancerという肩書きが付いている。アルカはモモアの直属部下的存在、キリング・ロープは紐使い、キル・ダンサーは踊りながら戦ってた人だと思うわ。
村民同士で一触即発の雰囲気の中、アルフレ・ウッダードが「アレコレ・ウッダード!」と言いながら洞窟から出てきて村民を説得。マグラを連れてきた謎の男ジェレラマレルが残していった秘密の裏ルートから全員で脱出することにする。
裏ルートには要所にジェレラマレルからのメッセージが残されており、村民たちは森を抜け、橋を渡り、川を下り、滝を下り、やっと安住の地を見つける。
一方、古代中国男性のような辮髪姿のケーン女王は自慰をしながら天を仰いで「ア~ン~メン」と頂点に達しながら祈るというマルチタスクをこなしている。
ジェレラマレルというのは女王の使徒だったが女王の姉妹を殺した罪で死刑を宣告されていた男らしい。ジェレラマレルは妊娠中のマグラを連れて逃げ、モモアの村にマグラを置いて行ったみたい。
ケーン女王がスピーチしていたようにこの世界では「視力」が異端視されている。光(視力)を与えられたことによって人間は世界を滅ぼしたと考えている。
ところがマグラとジェレラマレルの間に生まれた双子の赤ちゃんは視力を持って生まれてきた。ジェレラマレルによって橋が作られていたことからも分かるようにジェレラマレルも視力がある。
ケーン女王はこの赤ん坊を狙おうとする。
ジェレラマレルの素性についてはここではネタバレしないが、数話出演するようだ。
主演のモモアについて。
同族のドゥエイン・ジョンソン(ロック)がコメディから車、スコーピオン・キングや子ども思いのパパまで割となんでもこなす一方で、ジェイソン・モモアの活躍できる舞台は山・海・馬上と限られている。
しかしモモアは山・海・馬上が舞台であれば水を得た魚のように設定に同化できるのでこのドラマは合ってると思う。
ヴィランのケーン女王がしょぼくてちょっと頼りないが、ウィッチハンターは悪者の雰囲気が出ていたし、スパイのような裏切者の存在や謎めいたジェレラマレルの存在など続きが楽しみなドラマのひとつになった。
世界観は言うことないけれども、悪の女王VSアルケミーの村民という勧善懲悪の構図は、優秀なドラマが多数存在するなかで些か物足りないので、これから物語がどう展開していくか見ものである。