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Netflix【女刑事マーチェラ】シーズン1あらすじ感想:満足できないサスペンスドラマ

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女刑事マーチェラ

Netflixオリジナルドラマ「女刑事マーチェラ」シーズン1を見た感想です。

ロンドンで連続猟奇殺人事件が発生、女刑事マーチェラが犯人を突き止める話です。

シーズン1は全8話です。

ネタバレなし

 

「女刑事マーチェラ」あらすじ

夫に捨てられたマーチェラ。ロンドンで発生する連続猟奇殺人事件が過去に自分が担当した事件と手口が同じことから、刑事に復帰することになる。

 

「女刑事マーチェラ」感想

警視ステラ・ギブソン」「ハッピー・バレー復讐の町」と同じように猟奇殺人犯を追うクライムサスペンスである。

立ち位置的には「ステラ・ギブソン」の警視ステラと「ハッピー・バレー復讐の町」の巡査部長キャサリンの間みたいな感じのドラマだ。

でも本作は上記2作ほどは感銘を受けなかった。その理由として、まず主人公のマーチェラに最後まで魅力を感じなかったことが挙げられる。

マーチェラも「ハッピー・バレー復讐の町」の主人公キャサリンのように、私生活に問題を抱えている。ふつうならこれがキャラに人間味を持たせるところだが、本作のマーチェラはヒステリックで感情的&独善的、さらにアムネジア(健忘症)がある。

このアムネジアが曲者で、マーチェラはときどき記憶を失ってしまう。さらに私怨から、連続猟奇殺人事件の被害者の一人と思われる人物にどうやら何かをしたくさい。

「もしかしたらマーチェラが殺したのかも?」と思わせたいような思わせたくないような中途半端な描き方をしているのだが、何故彼女がそのような行動に出たのか最後まで説明がなく不可解なままシーズン1は終わる。

また、モロッコ出身の目撃者の男性と修羅場になったが、あれは一体どうなったのか説明がなく、視聴者が実際に画面で目にしたシーンをマーチェラの断片的な記憶で再現するだけで終わる。

アムネジアのことは置いておくとしても、旦那に捨てられたという悲しい設定であるにもかかわらず、共感がまったく湧かないどころか「お前殺したんじゃないの?」と主人公を訝しがらせてしまう設定は、猟奇殺人事件を解決するというメインストリームからかなり逸脱しており、どうも蛇足に感じてしまう。

怪しい容疑者が何人も浮かんできて、アリバイや証拠などから次々とターゲットが移り変わって行くのはクライムものとして仕方ないにしても、目的不明なシーンや演出が多すぎる。この部分はNetflixオリジナルドラマ「SAFE埋もれた秘密」の既視感を猛烈に感じた。

「全然おもしろくない」とまではいかないし、次が気になってしまうのは確かだが、そういう気分にさせておいて次から次へと目まぐるしく容疑者やフォーカルポイントが変わっていってしまうので、警視ステラ・ギブソンやハッピー・バレーのように落ち着いて事件を頭で整理したり、熟考できる隙を与えない。

その隙を与えない展開に、前述のように挿れなくてもいい演出を挿れている。ディテールを大事にしたいのかもしれないが、それは何らかの伏線でもなければ、何かの話につながるわけでもないので、完全に蛇足だ。

最後に分かる犯人の動機も、7名を殺めるにしては説得力不足の感は否めない。

この辺がイマイチ好きになれなかった点である。

ほかの登場人物についても、悪いわけではないが、誰一人として生身の人間らしさを感じることができず、誰一人共感できないまま終わってしまった。

シーズン2はさらに評判が悪いようなので見ないかもしれない。

それからNetflixはタイトルの邦訳がいつもダサイ。警視ステラ・ギブソンも原題のThe Fallの方が格好いいし、「女刑事マーチェラ」って…それだけで見る気がしなかったよ。