ベビーシッターによる恐怖の一夜!怖いような怖くないような、ベビーシッターの目的が虐待なのか誘拐なのか、いまいちインパクトに欠ける陳腐な一作です。
【エミリー/悪夢のベビーシッター】作品情報
原題:Emelie
製作年:2015年
上映時間:80分
主演:サラ・ボルガー
ジャンル:スリラー
【エミリー/悪夢のベビーシッター】あらすじ
トンプソン夫婦は、結婚記念日を祝うため、ベビーシッターを雇います。いつものベビーシッターが来れないため、推薦されたベビーシッターのアナを雇うことにします。
夫婦がディナーに出かけたあと、ベビーシッターに託された3人の子どもたち。子どもたちは、ベビーシッターが何かおかしいことに気付き始めます・・・
【エミリー/悪夢のベビーシッター】感想
まぁ、こんなもんでしょうかね。すべて予想通りといいますか。ここまでツイストも意外性もインパクトもない映画も珍しい気がします。要するに、あまりおもしろくありません。
ベビーシッターがサイコだった!という設定は陳腐になりつつあるので、ここはもう少しカッ飛んだところや、意外性をもたせて欲しかったですね。
冒頭ですでにベビーシッターのアナを拉致って種明かししちゃってるので、そこで全体像が見えてきてしまいます。あぁ、ベビーシッターのアナのフリして、サイコが家にくるわけね、と。こういうのは最後にバラして、視聴者を驚かせて欲しかったです。
そういうのをすべて隠しておいて、「なんだこのベビーシッター、なんか変じゃね?なんか裏があるだろ」と子どもと一緒に訝しく思いたいのが視聴者なんで、ベビーシッターを謎めいた不気味な存在に仕立てた方が良かったんじゃないでしょうか。
ベビーシッターに扮したこのサイコな女性は「エミリー」さんです。エミリーさんは、ベビーシッターでもなんでもなく、寝ている時に自分の赤ん坊をうっかり圧死させてしまったようです。それが原因なのかどうかは分かりませんが、サイコチックになり、トンプソン家の末っ子を自分の子どもにしようとするわけです。
サイコなベビーシッターを描きたかったのか、子どもの誘拐を描きたかったのか、どっちつかずなんですよね。そのどっちも描きたかったのかもしれませんが、それが逆に映画のインパクトを抑えてしまった感があります。
子どもが相手なんで、多少見るに堪えないシーンもありました。セクシュアルなコンテンツという子どもへの禁忌を見せるという、なかなかのクソぶり。
最近のニュースで、性的禁忌を示した小学生の子たちは、セクシュアルなコンテンツに触れた経験があるという共通点を持っているとありました。親の性行為を目撃したとか、ポルノを見てしまったとかですね。
この3人の子どもたちは、ポルノを見させられたり、エミリーのトイレシーンを見せられたり、経血を見せられたリと、すでに性的虐待をうけてしまっているので、今後のメンタルが心配になりました。
両親にしてみれば悪夢のベビーシッターには間違いないのですが、「ゆりかごを揺らす手」のような秀作の足元にも及ばない作品です。
評価:30点