大きな転換期を迎えたハンドメイズ・テイル。
Hulu発「ハンドメイズ・テイル」 シーズン3の第2話・第3話のあらすじと感想です。
HuluオリジナルドラマなのでHuluでしか観れませんが、面白いので超おススメですよ。
【ハンドメイズ・テイル】シーズン3 第2話・第3話のあらすじ
- リディア叔母さんがローレンス司令官の家を訪れてチェック(リディア叔母さんは車椅子生活)
- マーサの誰かがギレアドを脱出しようとするが失敗し、ローレンス司令官の家に避難してくる
- ガーディアンが押しかけてくる。なんとかやり過ごすが、マーサは死亡
- ルークはジューンの赤ちゃんを前に気持ちの整理がつかず、エミリーに辛く当たる
- エミリーが奥さんに電話をかける
- ローレンス司令官の家で司令官の会議が開かれる
- ジューンはそこでフレッドに再会、ローレンス司令官がどんな人か尋ねる
- そこには司令官になったニックの姿も
- セリーナがジューンに会いにくる
- ローレンス司令官はジューンを強制収容所に連れて行く。コロニー送りにされる人々がフェンスの中に囲われていた
- ローレンス司令官はこの中から5人助けてやる(侍女やマーサにしてやる)から選べという
- ジューンは最初は拒絶するが、反乱軍の同盟として味方につけるために5人を選ぶことにする。
【ハンドメイズ・テイル】シーズン3 第2話・第3話の感想
リディア叔母さん
リディア叔母さん復活しました。復活早くない?背中を刺されて階段から落ちたのに、すごい回復力ですね。
ドラマとしてはリディア叔母さんの存在感が大きく、侍女のマネジメントとして欠かせないキャラではありますが。
リディア叔母さんはまだ車椅子+杖を使っていますが、階段を登ろうとして倒れたところをジューンが「大丈夫?」と駆け寄るも、電棒で八つ当たりという仕打ち。
さらに注目すべきは、電棒のダメージから回復しようとしているジューンに向けて、ローレンス司令官が発した言葉「あの電棒の電圧、どのぐらいあるんだろうか」ですよ。
エミリーを逃亡させ、ジューンのハンナのところに連れて行ってくれという願いをきいたローレンス司令官なので、てっきり味方なのかと思いきゃ、さすがハンドメイズ・テイル、そう一筋縄ではいきません。
このローレンス司令官の本質は、第3話で明らかになります。
マーサの逃亡
第2話では、あるマーサが逃亡を図ることになり、ローレンス司令官の家のマーサであるコーリーらとジューンはマーサをある場所に連れていきます。(ジューンはマーサに変装してます。)
しかし逃亡は失敗し、深手を負ったマーサはローレンス司令官の家に避難してきます。
ジューンがリディア叔母さんに電棒で突かれたときにローレンス司令官が放った台詞同様に、このプロットのポイントはマーサの逃亡ではなく、ローレンス司令官がどういう人物であるか、敵か味方か、ということを判断する材料の一つになるプロットでした。
ローレンス司令官
ローレンス司令官の複雑な性格がサスペンス要素満載でした。この人は一体どういう人なのだろう?と判断がつきませんでしたよね。
前シーズンではエミリーに手を触れることなく、エミリーを亡命させた。そしてジューンの願い通りにジューンをハンナのところに送り届けた。
かと思えばリディア叔母さんに電棒で突かれたジューンを気遣うことなく、「電棒の電圧、どのぐらいあるんだろうか」とか言ってるし、マーサに怒鳴りつけるし、嫌なやつだし、決して侍女やマーサを助けようとする活動に興味があるわけでもない。
ギリアドのルールに無頓着であることは彼が自分と妻を危険に晒していることにもなるし、同時に彼が考案した体制がいかに女性にとって危険で非人道的であるかを理解していないことにもなります。かなり面白いキャラクターですよね。
そんな複雑なローレンス司令官の本性が、第3話でやっと明らかになりました。
ローレンス司令官がエミリーを逃がしたのは、反ギリアド体制でもなければ心を入れ替えたわけでもなく、良心からでもなかったのですね。
ローレンス司令官はサイコパスでした。そう考えると、いっけん矛盾した言動やジューンを困惑させる言動も納得がいきますね。
エミリーを亡命させたのも、女性を助けるためではなく、エミリーが天才的な科学者なので世界にとって役に立つと判断したため。
それゆえに彼のポジションは簡単に敵・味方と分けられるものではなく、どっちに転んでもおかしくない危険をはらんでいます。
ローレンス司令官が司令官たちの前でジューンを侮辱した行為は、ローレンス司令官が単純にそうしただけかもしれないし、あるいは…あるいはですよ?ギリアド体制に疑念を抱いたローレンス司令官が、司令官たちに自分はあくまでも仲間であることを強調させるために、つまり自分の疑念を隠すための行動ともとれなくはない。
要するにジューンと同じように、ギリアド体制を最終的に転覆させるために服従を偽っているという線です。
給仕をマーサではなくジューンに頼んだのもおかしいと思いませんでしたか?会議の内容をジューンに聞かせることになるし。まあ今のジューンには同盟がほとんどいないので、得た情報を有効利用できませんけれども。ただ単にジューンをおもしろい人物だと思っている可能性もある。
ジューンに本を持ってこさせたシーンは、見た通りに、本の編集者だったジューンに屈辱感を味あわせるためなのかもしれませんが、女性が読書を禁じられているギリアドで侍女の手に本をとらせたという一面も否定できないんですよね。
ローレンス司令官は他にも鋭いタブーに突っ込みました。
「女は外見で判断されたくないと言いながら、欲しいものを得るために体を使う。なぜだ?」
とか、トローリー問題(トロッコ問題)です。
トロッコ問題あるいはトロリー問題とは、「ある人を助けるために他の人を犠牲にするのは許されるか?」という倫理学の思考実験。
トロッコ問題をジューンに課したローレンス司令官は残酷ではあるけれど、全員コロニー送りになるところを5人は助けることができるし、何よりジューンは反乱のために仲間を自ら選ぶことができました。
全員のファイルを読み、弁護士、エンジニア、IT、ジャーナリスト、窃盗犯を選んだジューン。
ローレンス司令官は敵であっても彼の特異な性質の隙間をジューンが突くことができそうですね。
あとローレンス司令官の妻は善人だと思います。具合が悪いようなので、そのうち亡くなってしまいそうな気もするけれど…
セリーナ
セリーナがジューンのもとをひとりで訪ねてきて、二人の距離はさらに縮まった気がします。ニコールという共通の絆を有した二人なので、この関係はなんとか固守したい。
セリーナがジューンを訪れたのは、ニコールを失った悲しみを共有するためという動機によるものでしたが、ジューンはそこでセリーナの説得を試みます。
セリーナが「私はニコールの母親じゃないわ…」といった時に、ジューンが言ったこの台詞に胸が熱くなりました。
Only a mother could do what you did
あなたがしたこと(ニコールを手放したこと)は母親にしかできないことよ
海に入って行ったときは自殺という言葉が頭をかすめましたが、ジューンが言っていたようにセリーナは自分が思うよりずっと強い人間だと願いたい。
洗礼式のような最後の海辺でのシーンから察するに、セリーナも反ギリアドに動くのかな?と期待に胸が膨らみますが、司令官の妻という立場上、表立った活動はできないですよね。
先シーズンは頑張って女性の権利のために立ち上がったら小指を切られたし…恐怖心もありますし。
この先のセリーナの行動に期待したいです。